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【書籍化】高卒、無職、ボッチの俺が、現代ダンジョンで億を稼げたワケ〜会社が倒産して無職になったので、今日から秘密のダンジョンに潜って稼いでいこうと思います〜  作者: 砂糖 多労
第五章 ボッチ男とSランクダンジョンの島【後編】

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第13話 隠れ里③

「見てみて! サグルっち! このクレープ! めちゃくちゃ美味しいよ!」

「サグルさん! 今まで食べたことないくらい美味しいです!」


 戻ってきた京子と朱莉は満面の笑みで俺に報告してくる。

 その手には美味しそうなクレープがあった。

 どうやら、近くのクレープ屋さんで買ってきたものみたいだ。


「そうか。それは良かったな」

「うん! サグルっちも一口どうぞ」

「え?」


 そう言って、朱莉は俺にクレープを差し出してくる。

 目の前のクレープはたっぷりの生クリームが入っており、めちゃくちゃ美味しそうだ。

 朱莉がかぶりついたためか、中のクリームがが若干溢れている。

 奥までぎっしり生クリームが入っている証拠だ。

 真っ赤なイチゴがいいアクセントになっており、見た目的にもかなり良い。


 正直かなり美味しそうだ。


 だが、これは間接キッスというやつになるのではないだろうか。

 一部だけちぎって食べようにも、これだけ生クリームたっぷりだとそれもできない。

 クレープの生地って意外と弾力性があるから手でちぎるのも結構難しいし。


 だからと言って断るのも失礼だろう。

 妹のように思っている朱莉に恥をかかせるのは個人的にもあまり嬉しくない。


「さ、サグルさん!」

「ん? 京子。どうかしたか?」


 俺がどうしようかと考えていると、京子が話しかけてきた。


 やった。

 京子と会話してうやむやにすることができるかもしれない。


 ナイスだ。 京子!


「こっちのも美味しいですよ! 良かったらどうぞ!」


 そう言って、京子は手に持ったクレープを差し出してくる。

 こっちのクレープもたっぷりの生クリームが入っていた。


 黒いチョコレートと白いバナナが中からのぞいており、こっちもこっちで美味しそうだ。

 チョコバナナクレープはクレープの王道だよな。


 しかし、これで京子と会話することで朱莉との件をうやむやにするということはできなくなってしまった。

 というか、事態は悪化したと言って良い。


 二人ともを傷つけずに断るのは至難の業だ。

 コミュ力の低い俺にとっては不可能と言っても良いだろう。


 さらに、腹を括って食べるにしても二人が同時に声をかけてきたせいで、『どちらを先に食べるか』という問題も発生してしまった。


「……」

「「(にやにや)」」


 助けを求めるように雅と里長の方を見てみたが、二人は某漫画の幼女超能力者のような腹の立つ顔で俺の方を見ている。

 だめだ、役に立ちそうもない。


「「あーん」」


 俺は無心で二人の差し出すクレープを食べた。


***


「他のも美味しそうだったよね」

「そうですね。まだ食べれそうですし、もう一つ頼んでみましょうか?」

「賛成!」


 そう言って京子と朱莉は再びクレープ屋さんの方へと向かっていく。

 どうやら、ふたりは食べ足りなかったみたいだ。


 まあ、半分以上を俺と雅が食べてしまったからそうなるのもわかる。

 おかげで俺たちはお腹いっぱいだ。

 あのクレープは見た目以上にボリュームがあった。

 クレープって生クリームとか使ってるから結構お腹に溜まるんだよな。


「まったく。僕を巻き込むのはやめてくれよ」

「わるいわるい。でも、クレープはめちゃくちゃ美味しかったからいいじゃないか」

「それはそうだが(おかげでサグルと間接キスもできたし)」

「え? なんかいったか?」

「!! なんでもない」


 どうやら、雅は巻き込んだことがお気に召さなかったらしい。

 少し怒った顔でそっぽを向いてしまった。


 怒った顔はしているが、本気で腹を立てているわけではないようだし、まあ良いか。


「ふぉっふぉっふぉっ。わかいのぉ」

「あ! すみません!! 案内の途中なのに寄り道してしまって」

「あ!」


 そういえば、今は里長に隠れ里の案内をしてもらっている途中だった。

 案内してもらっている途中でクレープ屋さんに寄ったり、食べさせ合いをしたり、結構長い時間寄り道をしてしまっている。


 めちゃくちゃ失礼なことをしてしまった。


「よいよい。ここに初めてきたものはだいたいそうなるんじゃ。そういうふうに作っておるからの」

「そういうふうに作ってる?」


 俺は急いで京子と朱莉を連れ戻そうとしたが、里長に止められてしまう。


「ここはダンジョンの中じゃ。お主らも知っての通り、探索者はダンジョンの影響を受ける。そのため、いろいろな欲望が増大しやすくなっとるんじゃ」


 そういえば、そんなことを聞いたことがあるな。

 嫉妬系のダンジョンに潜ればパーティメンバーに嫉妬しやすくなるとか、色欲系のダンジョンに潜ればえっちな気分になってしまうとか。


 だから、攻略するダンジョンの種類は定期的に変えた方がいいらしい。

 実力に見合ったダンジョンに潜っていれば大丈夫なのだそうだが。


「それだけじゃないですよね」

「ほう。さすが、大槌家の人間じゃな。気づいたか」

「まぁ、元凶の観察をしてましたから」


 そう言って雅はさっき通ってきた門の方を見る。

 あの門が何かあるのだろうか?


「あの門はダンジョンと一緒で人の感情を糧にして動いておる。そのため、あの門の近くでは感情的になりやすいんじゃ」


 里長が自慢げにそういう。

 いや、そういうことは近づく前に言って欲しかったんですが。

お読みいただき、ありがとうございます。


おかげさまで6月20日に一巻が発売されます。

挿絵(By みてみん)

続刊につながりますので、購入してくださるとうれしいです!


発売日の20日まで毎日3話投稿していきます!

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