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【書籍化】高卒、無職、ボッチの俺が、現代ダンジョンで億を稼げたワケ〜会社が倒産して無職になったので、今日から秘密のダンジョンに潜って稼いでいこうと思います〜  作者: 砂糖 多労
第五章 ボッチ男とSランクダンジョンの島【後編】

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第9話 そんなはずない! 不正だ! 不正に決まってる!⑤

「派手だなー」

「そうですね」


 遠くから『ドドドドド』という大きな音が聞こえてくる。

 最初は何かと思ったがどうやら、猪俣さんがスキルを発動した音のようだ。


 派手なのは音だけではない。

 猪俣さんが攻撃をした跡を見たのだが、スキルが発動した場所は草が薙ぎ倒され、少し地面が抉れていた。


 地面が抉れるというのは結構すごいことだ。

 ダンジョンというのはゲームのような要素が強い。

 ダンジョンの背景やオブジェクトは飾りだが、実はモンスターよりも魔力の濃度が高いそうだ。

 地面や背景のような場所は根本的に破壊しにくくになっているらしい。

 俺も、刀夜さんに聞くまで知らなかった。


 ダンジョンの地面や壁、採取対象でないオブジェクトなんかは他のものよりワンランク上の魔力が込められており、破壊することは難しいし、破壊して取り除いてもモンスターのように消えてしまうそうだ。

 そのため、ダンジョンの壁や地面なんかを使って拠点を作ったりすることは難しいらしい。

 それらをうまく活用するにはダンジョンの2ランクか3ランク上の実力が必要なのだとか。

 ただ破壊するたけにしても最低でもワンランク上くらいの実力がないとダメらしい。


 ここはDランククラスのモンスターしか出ないとはいえ、このダンジョンはCランクのダンジョンだ。

 傷つけるだけでもBランクに近いダメージが出ているということだろう。


 あの子は思っていたよりも強敵みたいだ。


「……これは気合を入れてやらないといけないな」

「そうだね。あっちにモンスターの群れがいるよ。まだ気づかれてないみたいだし、行こう」

「わかった」


 朱莉も猪俣さんたちのことを強敵だと思ったみたいだ。

 今までは比較的数が少ないところに案内していたのに、結構な数のモンスターが集まっているところを指定してきた。


 俺は気合を入れ直してモンスターの討伐を再開した。


***


「そこまでだ」


 やる気のない声が聞こえてきたので俺たちはスタート地点へと戻る。

 スタート地点へと辿り着くと、そこにはすでに猪俣さんたちが戻ってきていた。


「あ! サグル! おかえり!」

「? あぁ。ただいま?」


 さっきはおじさん呼びされていたのに、今度は呼び捨てになっている。

 どういう心境の変化だろうか?

 俺のことを認めてくれたということかな?

 それなら少し嬉しいが。


 なんにせよ、おじさん呼びよりは呼び捨ての方がいい。

 おじさん呼びは思いの外ダメージがあったからな。


「(どうおもいますか? キョウちゃん?)」

「(うーん。まだって感じかな。でも、要注意だと思う)」

「(流石にこれだけ年齢差があれば大丈夫じゃない?)」

「(甘いですよ。朱莉ちゃん。探索者では一回り以上歳が離れていてもそこまで気にしないそうです。そうですよね、雅さん?)」

「(……まぁ、そうだな)」

「ん? 三人とも? どうかしたか?」

「「「なんでもない」」」

「? そうか? ならいいんだが」


 京子たちが三人で何かコソコソと話し合っていたようだが、なんでもないというのであればそうなんだろう。

 女の子同士の会話を根掘り葉掘り聞くのは野暮というものだ。


 こういう時、同性の仲間がいないというのは切なくなるな。

 最後の一人のメンバーはできれば男を入れたいところだ。


 ……もしかして、俺と雅がオタク話で盛り上がってる時とか、京子と朱莉の二人は同じような気持ちを味わっているのかな?

 それなら少し悪いことしたかも。


「おしゃべりは後にしろ。早く討伐数の報告をしろ」

「「「「あ、はい」」」」


 俺たちが雑談に花を咲かせていると、ヨレヨレスーツの男性がイライラした様子で声をかけてくる。

 やっぱりこいつ、態度悪いな。


 社会人してた時は態度だけでかい顧客とか山ほどいたから、俺はそこまで気にはならないが、朱莉たちは結構気分を害してるみたいだ。

 今日は大槌島からずっと移動してるし、さっさと終わらせて休憩した方がいいな。


「猪俣班。討伐数132です」

(132か)


 結構倒したなという印象だ。

 グランドにはモンスターが大量にいるとはいえ、一撃で複数のモンスターを倒せる彼女たちだからこそできたものだと思う。


 美優たちの討伐数を聞いて、ヨレヨレスーツの男はニヤリと笑う。


「流石猪俣の人間だな。出来が違う。それで? 新入りのお前らは一体どれだけ倒したんだ?」

「……」


 どうやら、俺たちが不合格になるのがこの人は嬉しいらしい。

 まぁ、そんな気はしていたが。


「156です」

「なっ!」


 美優たちはすごかったが、俺たちだって別に負けてない。

 何より、このグラスランドフィールドと俺の忍者のジョブの相性が良かった。

 俺たちの身長以上の背丈の草が生い茂ったフィールドは視認性が極端に低いので、複数のモンスターが集まった群れでも問題なく『暗殺』スキルを決められる。

 朱莉の索敵があれば遠距離から攻撃できる雅にとっても有利な場所だ。

 Dランクのモンスターは基本的に遠距離攻撃持ってないし。


「そんなはずない! 不正だ! 不正に決まってる!」


 だが、このヨレヨレスーツの男にはそんな常識は通じなかったみたいだ。

 ヨレヨレスーツの男は急に大声で不正だと騒ぎ出した。

お読みいただき、ありがとうございます。


おかげさまで6月20日に一巻が発売されます。

挿絵(By みてみん)

続刊につながりますので、購入してくださるとうれしいです!


発売日の20日まで毎日3話投稿していきます!

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