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【書籍化】高卒、無職、ボッチの俺が、現代ダンジョンで億を稼げたワケ〜会社が倒産して無職になったので、今日から秘密のダンジョンに潜って稼いでいこうと思います〜  作者: 砂糖 多労
第一章 ボッチ男と家出少女

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第17話 私立探偵 金田ハジメ②

(くそ! キョウコさえ生きてればこんなことにはならなかったのに)


 竜也のいた倉庫から出てケンタとケンゴは近くの公園で今後の話し合いをしていた。


 キョウコはもしもの時の保険としてパーティメンバーに入れていた。

 こんなふうに、上納金が足りなかった時に竜也に差し出すためだ。

 大好きなおばあちゃんが関東に住んでいるというケンゴを連れてきたが、やはり、男ではそれほどの効果はなかった。


 キョウコは思いの外身持ちが固く、おどしのネタになる情報は手に入らなかった。

 本名すら教えてもらえなかったくらいだ。

 わかっている情報といえば、高校くらいだ。

 キョウコはいつも制服をきているので、都内の女子校に通っていることはわかっている。

 だが、それだけのネタではどうしようもない。

 親しい友達や家族がわかればよかったのだが、キョウコはこの一週間、一度も学校にもいかず、家にも帰らなかった。


 脅すネタがない以上、生きていたとしてもついてきてくれなかったかもしれない。

 だが、拒否するようならケンゴと一緒に力づくで連れてくることも考えていた。

 そのためにあいつは力が強くならない『見習い僧侶』にしていたのだから。


「ど、どうするんだよ! ケンタ! お前のせいだぞ!」

「何度も言わなくてもわかってる! だから今考えてるんだろ!」

「くそ! くそ! あの時あの金を使わなければ……」


 ケンタもケンゴもこの一週間で十万円以上は稼げていた。

 だが、二人とも稼いだそばから使っていたので、手元にはそこまで多くの金が残っていなかった。

 それでも、今日稼げれば上納金には足りるはずだったのだ。


 そんな生活だったので、一週間前も同じような状況になっていた。

 一週間前はギリギリ足りたが、その時のゴタゴタで、『見習い盗賊』と『見習い拳士』の二人はケンタとケンゴの下を去っていった。

 あの二人はどちらもフリーターだったので、おそらく東京を出てどこかで探索者をやっているのだろう。

 ケンゴだけは聞いてもいないのにペラペラと情報を喋ってくれていたので、その情報を使って脅されて逃げられなかったというべきか。


「どうする! またキョウコみたいな適合者を探してダンジョンに潜るか?」

「一日で九十万も稼げるわけないだろ!」

「じゃあどうするんだよ!」

「お困りのようだね」

「「!!」」


 夜の公園に誰かの声が響く。

 ケンタとケンゴが声の方を見ると、そこには一人の男が立っていた。

 その男はオールバックに髪をしっかりとセットしており、紺のスーツに身を包んでいる。

 こんな倉庫街よりオフィス街の方が似合いそうな出立ちだ。


「だ、誰だよ」

「おっと名乗るのが遅れたね。私は金田という。君たちが困っていたようなので声を掛けたんだよ」


 金田と名乗る怪しげな男はゆっくりとケンタとケンゴの方に近づいてくる。


 場違いな場所にいる場違いな男。

 普通なら、警戒して当然だが、なぜか二人は警戒心を抱けなかった。

 それは二人がパニック状態だったからか、それとも金田のおかしな気配のせいか。


「これが僕の名刺だ。僕は私立探偵をしているんだ」

「探、偵?」


 金田はケンタとケンゴに名刺を差し出す。

 名前と住所、電話番号だけ書かれたシンプルな名刺だ。


 そこには『私立探偵 金田 ハジメ』と書かれていた。


 ケンタもケンゴも探偵という職業は知っていた。

 アニメやドラマでは殺人事件を颯爽と解決していくが、実際は浮気調査なんかをする仕事のはずだ。


 はっきり言って怪しい職業だ。


 それでも、ケンタ達は金田に警戒心を抱くことができない。

 むしろ、話せば話すほど、親近感を覚えてしまっていた。


「実は、お金に困っている君たちにぴったりの仕事があってね。よかったらやってみないかい?」

「ほ、本当か?」

「あぁ。うまくいけば一日で百万円だって夢じゃない。もしダメでも、僕が君たちに百万円を貸してあげよう」

「やった! やる! やります!」「やらせてください!」


 ケンタとケンゴは二つ返事で了承する。

 その時、何かが金田と二人の間で繋がった。

 金田は成果にニヤリと笑ったが、ケンタとケンゴの二人は気づかない。


「うまく行ったみたいだな。まあ、竜也さんが追い詰めたやつを奴隷にするのを失敗したことはないんだが」


 金田は先ほどまでの慇懃無礼な態度をやめていきなりぞんざいな態度になる。

 だが、ケンタとケンゴの二人は反応しない。

 二人は完全に金田の()()()にかかっていた。


 金田は竜也の部下の一人だった。

 竜也が追い詰めた人間をスキルを使ってこうして使い勝手のいいコマにするのが金田の仕事だった。


「そうだな。まずお前らにやってもらいたいことは()()()()だ」


 パラパラと手帳をめくりながら、予定を確認する。


「母親には許可をもらってるのに本人がなかなか見つからなくてな。お前らにはその女を捜すのを手伝ってもらう。写真もないから大変かもしれないが、まあ、ダンジョンに潜るわけじゃないんだ。死にはしないからいいだろ」


 金田は二人を馬鹿にしたように笑う。


 だが、ケンタとケンゴは抵抗できない。

 その瞳には知性の輝きが消え去っていた。


「一度倉庫に戻って久保田に指示を仰げ」


 予定通り手に入れた手駒に金田は指示を与えた。

 二人はふらふらとした足取りで金田の下を去っていく。


「さて、そろそろ見つかってくれればいいんだが。やっぱり男より女を落とす方が楽しいからな。待っててくれよ。京子ちゃん♪」


 その手帳には次のターゲットとして矢内京子の名前が記されていた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 気分の悪くなる犯罪者の話が多いなあ
[一言] こんな金○一やだ。
[一言] ん〜、、、 こういうどうでも良い胸糞な話はサクッと数話で 終わらないと萎えるだけのような、、、
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