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弱くて愛しい騎士殿よ  作者: おときち
第1章 24時間戦争
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16時間後

 炎の波が調査隊を襲った後に、最奥の部屋へ再び戻ってこなかったメンバはイゼアとヴィルオーフだった。

 俺がリリベルを抱えて最奥へ一心不乱に進んだ時に、イゼアの悲鳴が特にひどく聞こえたこと、ヴィルオーフを背中に担いでいたジェトルがここへやって来てから、彼に対して懺悔の言葉を紡ぎ続けていることから、恐らく2人は無事ではないのだろう。


 ジェトルとダナの悲鳴も聞こえていたが、ジェトルもダナも足に火傷を負っていた。ジェトルは担いでいたヴィルオーフが、ダナは背負っていた荷物が盾になって上半身は守られて命までは落とさずに済んだのだと推測できる。


 ディギタルとシェンナは防御壁の魔法を詠唱していたおかげで、目に見える傷はないように見える。


「ダナ、大丈夫か!」


 シェンナがダナの足を心配して駆け寄っていた所を、リリベルが回復魔法で手当てする。

 同じような火傷を負っているジェトルとダナだが、なぜかシェンナはダナにだけ執着しているように見えた。明らかにシェンナは動揺している。


「シェンナさん……落ち着いて」


 リリベルの治療を受けながらダナがシェンナを(なだ)めている。

 俺は既にリリベルからの回復魔法で治療は完了し、再び黒鎧に身を包み細い通路へと進む。走って逃げたおかげで燃える死者(ケイオネクロ)と呼ばれる怪物は、まだ遥か向こうに赤いもやとなって見えるのみだ。

 しかし、時間の問題だ。やがては大熱を伴ってここは灼熱地獄と化し、皆はただの焼けた肉となってしまう。


 黒鎧を纏っているのにも関わらず、大きく呼吸をしただけで肺が焼けたことからも、俺では太刀打ちできないことが分かる。

 最後の頼みの綱はリリベルの魔力だけだ。


 だが、この後思い知らされることになる。

 この魔法トラップの第3段階はリリベルでさえ太刀打ちできないということを。

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