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弱くて愛しい騎士殿よ  作者: おときち
第8章 全てが2分の1になる!
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全てが2分の2になる!!!

「いい加減にしてください! あんたはいつも推測だけで他人を疑っているのですか!?」


 ホリーの言うことはもっともだ。

 彼はただただリリベルの一方的な言葉吐きだけで疑われているだけだ。


 俺はリリベルの言うことが正しいと信じているが、ホリーが犯人であるという確かな証明の印を彼女が持っているか分からない。

 何せ門の外に出るまで彼女はまともに喋ることができなかったのだから、俺が彼女の真意を掴み切れているか分からないのだ。


「君はこの町の門から外の先に進むこともできないし、町の中に入ることすらできない。試しに入ってみなよ」

「入ったからどうだっていうんですか! 入れなかったってだけで俺は犯人なんですか!?」

「いいや。どちらかというと入ることも出ることもできないことの方が問題なんだよ。半分になる効果を受けるためには1度でも魔法の効果範囲に入らないといけないのに、なぜか君は町の外にいる。これは一体どうしたことだろうね」


 リリベルが俺に体重をかけ始めた。

 鎧を身に纏っている俺に背を預けようとしているが、いくつもの突起が付いているのによく寄りかかることができるなと思う。


 そうやって寄りかかり辛い場所にわざわざ寄りかかったということの意味を考えた時に、新たなことに気付いた。いや、気付いたというよりかは思い出したと言った方が正しい。


「魔法を発動させるためには、例え今回のような(トラップ)魔法の(たぐい)だったとしても必ず詠唱が必要だ」


 リリベルは多分怯えているのだ。

 彼女が俺に寄りかかっているのは決して体勢が楽だからではない。俺の傍に寄って安心を得ているのだ。だから俺の傍にいる時だけ彼女は安心して相手を挑発する。


「君は魔法陣の外から手を入れて詠唱したんだ。手だけが魔法陣の内側に入っている中途半端な状態で詠唱したその瞬間に、君は()()になってしまった」

「……」

「魔法の詠唱者だけなんだよ。この魔法の影響を受けていてかつ、町の中に入ることができない者はね」


「良かったよ、君が魔法陣の内側で詠唱してなくて。もし内側で詠唱を行っていたら君も私たちと同じになってしまっていたはずだからね」

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