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虚空の楽園  作者: 黒鴉
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プロローグ

2012年.夏.ハワイのとある森

「おい、そっちには居ねぇのか?」、「居ねぇよー、クソが、どこに逃げやがったんだ!」、深夜12時頃、黒スーツを着た大男2人が森の中で何かを探し回っている。突如その後方から「お前らは早くせんか!そのサンプルの重要さをわかっているのか!これが敵対国に落ちたら、戦局が一気に変わるんだぞ!」、金髪で白いコートを身につけている40代ぐらいの男が2人の大男に怒鳴りつけた。それを聞き、大男の1人が金髪の男に対し「もし訳ございません、ジェームズ殿、彼奴がこの森に隠れている限り探すのは少々難しいと思い…」、と話の途中で、大男と話していた金髪の男が彼の顔を殴り、さらに怒鳴りつけた「てめぇらの言い訳などいらねぇ!ここでサンプルを無くしたら、俺のこれからの科学者としての人生がお終いだ!お前らもタダで済むと思うんじねぇぞ、だいたいよ………」金髪の男が怒号を散らす中、約200m離れたの木の上に、ナイトビジョンゴーグルを付けた20代ぐらいの青年がそれらを静かに注視していた、「全く、サーカス団のピエロみたいな奴だな、実に滑稽だ、それにしてもこんな小さな瓶がそこまで重要とはな…」、と青年が左手で瓶を揺さぶりながら語った、その瓶にはSBM250と書いてあった、「さてと、これで任務完了っと、オッサンの所に行くとするか」、そう語りながら、平然と木々を乗り移る青年の姿、それは幾つかの修羅場を乗り越えてきた何よりもの証拠だった。

2012年.夏.地点:ハワイのとあるキャンプ場

「おーい、オッサン、報酬を受け取りに来たよー」青年がキャンプ場の外に着いてナイトビジョンゴーグルを外し、大きな声で叫んだ。と、キャンプ場内から軍服を着た短髪な男性と、左右に1人ずつアサルトライフルを所持している同じような軍服を着ている兵士らしき人物と共に青年の方へ近づき、「よくやったな、夜叉、ご苦労、また目の下のクマが増えたな、しっかり休みな。」と、真ん中にいる男性が夜叉と呼ばれる青年に対し親切そうに語った、夜叉はそれを聞き、クスッと笑い「俺達の仲なんだから、そんなお世辞はいいですよ、マイク大佐。」と夜叉が返事を返した。そこでマイク大佐が自分の右手を夜叉の前に差し出し、何かを暗示している、夜叉もそれを理解し、服のポケットから小さな瓶を取り出し、マイクの差し出した右手に乗せてから夜叉は「さてと、そいつで合ってるか確かめた後に、報酬をくださいね、もうお腹がめちゃくちゃ鳴ってるからー」と報酬の話に持ち込んだ。マイク大佐はその瓶の中身を確かめた後、笑顔が浮かんだが、その笑顔はあまりにも作り笑顔だった。恐らく仕事上の関係で疲れているしれない、そう考えた夜叉はそこまで気に留めなかった。マイク大佐は夜叉の仕事着を脱ぎ、兵士達に渡した後に、夜叉が大好きな砂糖入りミルクコーヒーを持ってきて、キャンプ場内のとある古木で出来ている小屋に連れ込み、そこで報酬の受け取りを待ってくれと伝えた。夜叉も古木の匂いを鼻にし、まろやかに匂いで落ち着いてきた夜叉は少し休もうと考えて、ミルクコーヒーを飲み、部屋のベットに寝転がった「今回の任務で手を洗おう、もう必要な金は十分溜まったし、後でオッサンにも伝えるか、その前に仮眠を少し……」と考えながら、夜叉は深い眠りに着いた。マイク大佐は日本での任務帰りに東京のとある孤児院を経過する時に当時6歳だった夜叉が高さ3mのある大人でも登れそうに無いぼとの壁を登って脱走を図ろうとする所を目撃した、結局1m登った所でスタミナが切れて壁から落ち、ギャン泣きすることになって院長達に部屋を連れ戻されたけど、マイク大佐はその6歳の子供に興味を湧き、翌日の朝、孤児院に対し1000ドルの扶養費と引き換えに夜叉を連れていく事にした、当時はマイク大佐の周りの人は孤児院から子供を連れてくる事を皆が反対がしていたが、マイク大佐はそれを押し切り、夜叉を養子として迎え入れた。夜叉は幼くして父と母を殺し屋に殺害され、それが夜叉のトラウマだったが、マイク大佐は夜叉の心を慰め、そのトラウマから乗り越えさせた、だから夜叉はマイク大佐を心の底から尊敬し、信じていた。

夜叉は久々に夢を見た、家族と共に遊園地へ遊びに行くごく普通な日常生活な夢、両親の顔など覚えてもいないのに、何故か分からないが父だけはマイク大佐の顔つきだった。スパイ活動をしてから何年ぶりだろうか……それもそのはず、スパイという職業は死と隣り合わせで、何時でも命を狙われている状況に陥ている、だから睡眠という非常に危険な時でも、すぐに対応ができるように、常に浅い睡眠を保ってきた、そして気づいたら深い睡眠が出来なくなり、夢も見えなくなった…

突如、百足にでも噛まれたような激痛が夜叉の全身に伝わり、夜叉はその痛みにより眠りから覚め、目を開き意識を少し取り戻した、そこで夜叉が目にしたのは自分が入っていた小屋では無く、少し不気味を感じるぐらいの純白の壁が四面に広がりだ、さらに周りを見ると左側の天井に監視カメラとスピーカーが付いていた、さらに自分は何故か椅子に縛り付けられている、まるでモルモットにされている気分だ、夜叉は瞬時に自分が誰かに捕まえられた事に悟った。此処は恐らくどこかの研究室……そう考えている内に、スピーカーからピーピーという音と同時に「おっはよーさん!夜叉君!いや、これから君の名前はNo.84だったな!」と大きくていかにも元気そうな中年男性の声がして来た、夜叉はその大きなどこかで聞いた事あるような声に、ここは何処だという疑問を抑え「マイク大佐は無事か」と聞き返した所、スピーカーからは嘲笑いのの声と同時に衝撃的な言葉を耳にした「はぁ?本当に気づいていないのか?お前がここに居ると言う事を!あの軍服野郎があのサンプルを条件に俺たちから都市を一つ譲って欲しいと交易して来た!けどそれだけじゃ俺は満足しないっと試しに言ったらよう!あの野郎はそれを盗み出した奴も共にやろうと言う条件を付け出して来やがったんだ!だから俺も実験体が欲しかった所だったからよ!都市の一つぐらいはくれてやろうって言ったんだよ、本当はあのサンプルだけで都市何個の価値もあるけど!それを俺の手から盗んだお前さんはどうしてもムカつくんだよな!」それを聞いた夜叉は耳疑った、自分が聞き間違えていない事に、すると夜叉は「ふざけてんじゃない、マイク大佐はそのような人じゃない、お前は彼の何がわかるんだ!後で絶対に助けに来るから、その時は覚悟しとけよ!ジェームズ!」と怒鳴りつけた、そうやって大声を出さないとマイク大佐は夜叉の心の中の像が倒れるような気がしてならない。スピーカーのジェームズはさらに夜叉を嘲笑い「残念だったな!自分の上司に裏切られるとはな!ハッハッハ!実ににいい気分だ!そろそろお喋りの時間は終わりだ、しっかりと長生きしてくれよ……あーあ、そうだ、今の君はまるでサーカス団のピエロみたいに滑稽だな!!」スピーカーのピーピー共に音声は切れた。そして何もなかった壁が突如上がり、そこから三人ぐらいの科学者らしき人物が注射器やベンチなどを持って歩いてきた。その中の一人が「SBM250の臨床試験を開始する、睡眠薬を投入……」それを聞いた後意識がだんだん遠くなって行き、夜叉はそれからは何も覚えていない。

数日が立ったが、夜叉は独房の中で一人で何かのつぶやっていた「まさかマイク大佐が……いや!ありえない事を考えるな、マイク大佐はきっと何かの策略を考えているのだ、絶対にすぐに助けに来るよ…」夜叉はそうやって自分に言い聞かせ続けていた……

2013年.春.地点:日本某研究所の敷地内

日本の桜がそろそろ咲く季節となり、日本中が桜見ブームに陥ていた。その中研究員達が休みの間に桜の話をしながら歩いていると、とある被検体と肩をぶつかり、その肩をぶつかられた研究員の一人が「てめぇー、肩ぶつかったら謝れよ!うわっ、汚ぇ、いくら被検体は安全だからって歩き回させるのは勘弁してくれよ!」と怒鳴りつけた。一緒に歩いていた仲間の一人が「よせよせ、いくら言っても仕方ないやろ、あいつはもう薬の副作用で失明している、それにもうすぐ処分するから…さぁさぁ、行こう。」こうして仲介が入り、大した事は起こらなかった。肩を研究員にぶつけた被検体は小声だが「マ……ク……さん」と何かをつぶやきながら歩き続けていた、一体何処へ向かっているんだろうか……

2013年.冬.地点:日本某樹林

「今日もいい写真を撮ろうか!」とこの樹海にやってきた一人のカメラマン、暇つぶしの為に所持してきたのはカメラ以外にラジオと失踪防止のための携帯電話、ラジオの内容は戦争から都市を奪い返した一人の英雄の話だった。カメラマンが樹海を歩き、写真を取り続けていると奇妙な光景を目の当たりにした、全身にオレンジの服を着て、髪の毛が無く、恐らく七十歳を超えているであろうお爺さんがただ一人で歩き続けている、裸足で樹海を歩いているため彼の経過している場所はみんな血痕を残している、それでも彼は歩き続けていた。一体何が彼を支えているのだろうか……突然、老人が木の根っこに引っ掛けられ倒れた。それを見てカメラマンはすぐに救助しに行った。「大丈夫ですか?」そう話しても老人からは返事をしない、老人は何かを言いたそうだが、カメラマンには聞き取れない、それもそうだ、老人は既に歯が一つもないからだ。老人を安静させ、カメラマンは携帯電話で救助を呼ぼうとしていたその時、老人は急にカメラマンのラジオを取ろうとした、一体何が老人をここまで感情の起伏を激しくさせたのだろうか、そのラジオからは途切れ途切れだが、微かに聴こえる「昇進おめ……ござ……す、マイク上……佐」それは老人にとって重要な人だったのだろうか、カメラマンはそう思い、電波を治した「ありが……ござい……す、全ては兵士…頑張ってくれたお陰です、けど秘密部隊の一人が裏切り、他国から奪った重要な生物サンプルをなんと利益で交易したのです、さもなければ、我国は既に戦争に勝っているのですから」「そうですか?それは実に残念ですね」とラジオ内でアナウンサーとマイク上級大佐が話し合っていた。倒れている老人はそれらの会話をを聞き、大きなため息をし、静かに息を引き取っ……

「皆さん、ようuこそ、楽園nへ」

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