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第2話 ディーク
特務隊に入ったのはディークというひょろチビだった。
書類の記入はできないわ、装備の手入れはおぼつかないわ、重い物もろくにもてやしない。
貴族のお坊ちゃまらしいけど、とても無能だった。
権力以外魅力が一切ない。
その権力も、公の行動をしない隊では役に立たないので、実際の魅力はほぼないに等しい。
だから、ディークは害にも有益にもならない、路傍の石ころ。
特務隊の者達が下したのはそんな評価だった。
能ある鷹は爪を隠す?
そんな事もない。
ディークは本番の仕事でもいつも通りの無能。
私たちの部隊になぜこんなものが配属されたのだろうか。
心の底から理解できなかった。