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史上初めてハーフオークになった男  作者: kage3
ハーフオークは街へ行く
9/19

ハーフオークは物資を探す

「う~ん、いかにも田舎のスーパーって感じの寂れぐあいなのか?」


5分ほど歩いてたどり着いたスーパーを見た感想だ。

30台くらい停められる駐車場のアスファルトにあるひび割れから雑草が生え、建物の柱はところどころが錆びてしまっている。


とにかく食料の調達である。

ガラスの割れた入り口から薄暗い中の様子を伺う。

電灯や自動販売機などの明かりは全て消えている。電気が来てないのだ。

ムシの楽園になったキャンプ場にも電気は来てなかったので不思議ではないが何年も放置された様子がないと言うことはこの状態になったのは最近のことだろう。

十中八九、空が割れた日だ。

だからどうしたって話ではあるな。


外ではゴブリンがウロウロしていたのでスーパーの中にもいるかもしれないので十分注意が必要だ。

ハンマーを握り直して中へと入る。

中は薄暗いがハーフオークになったからか暗がりでも良く見える。

夜のキャンプ場でも暗さが問題にならなかったのだから当然である。


空が割れた日から電気が来なくなったとしたらいろいろと覚悟しておいた方が良いかも。

通常なら入ってすぐの生鮮食品売り場には野菜や果物があるはずだが今は何もない。緑の小鬼が食べたのだろうか?

腐った食品が転がっていたら腐臭が漂っていただろうから俺としては良かった。


「さて、インスタント食品や缶詰あたりを探そうかな。」


案内板に従って売り場を歩き回るが何もない。

食べ物がないと言うわけではない本当に何もないのだ。

雑誌も文房具も生活必需品もビニール袋もレジまでないのだ。

よく見ると天井の電灯にも蛍光灯が付いていない。


「これはゴブリンが食べたわけないよな。」


食品が腐った匂いがスーパー内に立ち込めていないのは良いのだが一つもアイテムをゲットできないのには困った。


「これ以上探しても仕方ないから他の店に行って探そ。」


店舗内にもバックヤードにも何もないのでスーパーでの物資回収を諦めて他の店を探すことにした。

ちなみに店の外にあった自動販売機も鍵が壊されて中身は空っぽだった。

どこぞの国で起きた暴動よりも激しい略奪が起こっているようにしか思えない状況だ。

自分が人外になったことに比べれば些細なことかもしれないがモンスターだけじゃなく人間にも気をつけないといけないかもしれない。


「困った。食料が無いのはまだ分かるけど物資が全くないのはどうしてだ?」


始めのスーパーの後にコンビニ5軒、ホームセンター1軒、本屋1軒、ファストフード1軒、すし屋1軒と回った。

それで回収出来たのが床に落ちていた割りばし一つ、回転寿司用の皿1枚、コピー用紙5枚だけだ。

本当に何もないのだ。


道中に出会ったのはゴブリンだけで人影は全くない。

どこか避難所に避難しているのだろう。

死体を全く見ていないので世の中の人がみんな死んでしまったということは無いだろう。


「とりあえず、家に戻ってみるか。」


自分の家よりもスーパーやコンビニなどのほうが有用な物資を回収できる考えて後回しにしていた。

戸締りはキチンとしているのだがスーパーやコンビニの惨状をみるとどうなっているか分からない。

築50年は立っていそうなオンボロアパートだから以外と無事の可能性もある。


スーパーやコンビニなどの店舗から物資を回収するのを諦めた俺は家のある住宅街へ向けて歩き始めた。

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