連続レベルアップ
2匹目のデカ虫を倒した後、さらに3匹の虫を倒しすとあの謎の声がレベルアップを知らせてきた。
『レベルが上がりました。』
ステータス
名前 カタヤマ ヨシオ
レベル2
種族 ハーフオーク
スキル
拳打 レベル1
怪力 レベル2
物理耐性 レベル1
治癒力上昇 レベル1
「やった!レベルが上がったぞ。それにスキルも増えて、怪力のレベルも上がった。デカ虫の倒し方も分かったからこのまま虫退治でレベルを上げよう。人里に着くまでにレベル10くらいまで上げたい。」
デカ虫退治にも慣れたので二、三匹が一緒に現れても問題なく対処できるようになっていた。
レベルが3に上がり、拳打スキルがレベル2にあがったころ立て札のたった分かれ道にたどり着いた。
「昨日通った山道もこんな分かれ道があったな。確か片方がキャンプ場でもう片方が高速道路にだったよな。異世界には関係ない情報だけど。」
異世界の文字が読めるとは思わないが人里へのヒントがあるかもと立て札を調べることにした。
不思議な蔦をハーフオークの怪力に任せてブチブチと千切る。
「え~っと、こっちが総地インターチェンジであっちが鬼山キャンプ場・・・って何で日本語なんだ?あれ?もしかしてここは異世界じゃないのか?でもここに生えている植物は明らかに昨日まで見ていた日本の植物じゃないし、デカ虫も日本にはいなかった。ましてやステータスなんかない。・・・・・分からん。取りあえずキャンプ場に行ってみるか。」
看板は漢字とカタカナで書かれている。
異世界転生特典で異世界の文字が読めるようになっているわけではない。
可能性としては異世界の文字も日本語が使われてる。
転生系ラノベでよくある設定だから十分あり得る。
もう一つはここは地形や文化が同じでステータスがありデカ虫が存在する地球のパラレルワールドという可能性だ。
「また、デカ虫か。でも種類が違うな。」
今まで戦ったのはカナブンのような見た目のデカ虫だったが今回はダンゴムシのような見た目だ。
もちろんデカ虫なのでサイズは虫とは言えない大きさだ。
カナブンデカ虫より一回り大きい。
ダンゴムシだから空が飛べないから攻撃は当てやすい。
このサイズを素手で叩いて倒せるとは思えないのでハンマーを手に持って構えた。
お分かりと思いますがハーフオークと言う種は力は強いが俊敏性はからっきしなのだ。
全力で走れば人間だったときの俺より遥かに早く走れるがその巨体から地面が揺れて相手に気づかれる。
結局気づかれないことを願ってゆっくりと近づくしかないのだ。
「丸まった?」
デカダンゴ虫はその名の通りダンゴ状に丸まると高速回転をして土埃を巻き上げるとそのまま一直線に俺に向かってきた。
「そんな見え見えの攻撃に当たるか!」
ハーフオーク種になった俺が鈍重と言え予備動作が大掛かりな攻撃には当たらない。
デカダンゴ虫が突っ込んできると同時に反復横飛びのように横へ飛んで避ける。
俺の横を通り過ぎたデカダンゴ虫は再び高速回転をはじめて攻撃態勢に入る。
「直線にしか来ない見え見えの攻撃、カウンターをしてくれって言っているようなものだ。」
俺はハンマーを構えるとデカダンゴ虫の体当たりに合わせてカウンターを叩きこんだ。
ハンマーで弾き飛ばされたデカダンゴ虫は森の木に当たると弾け飛んだ。
『レベルが上がりました』
「よし。」
ステータス
名前 カタヤマ ヨシオ
レベル3
種族 ハーフオーク
スキル
拳打 レベル1
鈍器 レベル1
怪力 レベル2
物理耐性 レベル1
治癒力上昇 レベル1
ハンマーを使っていたからだろう鈍器スキルを取得できた。
(ブ~ン、ブ~ン)
「この音は・・・。」
俺の嫌いなあの音が聞こえたのでゆっくりと後ろを振り返った。
そこにはヤツがいた。
そうハチが。
もちろんただのハチではなくデカイハチだ。
俺はゆっくりと後ずさるとハチに背を向けて全力で逃げだした。