ハーフオークはブタだった
ブタのお兄ちゃんことカタヤマヨシオです。
美香ちゃんは無事に意識を取り戻して雑炊をお食べになっています。
さっきまで弱弱しい状態で意識を失っていたのがウソのように勢いよく食事をしている。
よほどお腹が空いていたのだろう。
ポーションを飲ませたのが良かったのか普通なら消化の良いものでもゆっくり食べないと弱った胃は急な刺激を与えると嘔吐してしまうものだがそんな様子は全くなくモリモリ食べていた。
「ご馳走様でした。ゲプ」
結局、美香ちゃんは土鍋一杯に作ったお雑炊をキレイに全部食べたみたい。
ごはんをこれだけ食べれるほど元気なら体調に問題はないだろう。
「お粗末様です。」
実は美香ちゃんが食べた残りを俺のゴハンにしようと思っていたけど、まぁカロ○ーメイトチーズ味の残りを代わりに食べれば良いので問題ない。
「真由子さんはお仕事かな?」
あの真由子さんが美香ちゃん一人を置いて逃げるとはとても考えられない。
何かがあったことは確実だ。
ただ美香ちゃんが一人で部屋に残されて寂しい思いをしたのは紛れもない事実であり、そのことが美香ちゃんに少なくない影響を与えているはずだ。
だから慎重に聞き出さないといけないのだろうけど、俺には精神科医のような知識も話術もない。
それに出来るだけ早く今後の方針を決めて美香ちゃんを安全な場所に連れて行かないといけない。
俺一人で美香ちゃんを守れると考えるほど己惚れてない。
「うんとね。ママはお買い物に行ったの。美香はお留守番なの。」
籠城に必要な物資を買いに出かけてから帰ってきてないようだ。
空が割れたから帰ってきてないのならすでに2週間以上立っている。
大事な美香ちゃんを置いてそんな長期間帰ってきてない。
最悪の事態も考えておかないといけない。
俺に出来ることは避難所を巡って真由子さんを探すことくらいだろうか。
「それじゃ、俺とママを探しに行くか。」
「でも、危ないから外に出ちゃダメってママが言ってたよ。」
真由子さんの言うことを良く聞くいい子だ。
ただ今は真由子さんの言葉を守ってここにいても事態は好転しない。
「美香ちゃんはママの言うことをキチンと守っていて偉いね。」
「うん!」
「俺が心配しているのはママが怪我をして美香ちゃんを迎えにこれないんじゃないかと。「う、うわぁー。」」
「「ママ、ママぁー!、ママが怪我しちゃイヤだぁ~!!!わぁ~ん。」
ずっと一人で不安なのを我慢して、寂しくても真由子さんの言いつけを守って外に出ずに部屋の中で待っていたんだ。
それなのに真由子さんが怪我をしたかもしれないって話を聞いたら感情が爆発して泣いてしまうに決まっている。
はぁ、俺ってやっぱダメだな。
「美香ちゃん、美香ちゃん、ママは怪我なんてしてないよ。だから安心して。」
「ママぁ~、ママぁ~。美香をどうして置いて行ったのぉ~。帰ってきてよぉ~。」
ダメだ。
悲しみが美香ちゃんの心からあふれ出して止まらくなっている。
こうなったら落ち着くまで待とお。
小さい子が感情を押し殺し過ぎるのも良くない・・・と思う。
ここで一度押し殺していた感情を吐き出すのは必要なことだ。
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ゴメンね美香ちゃん。
真由子さんが見つかるまでは出来る限り俺が守るよ。
絶対守るとは言えません。
ハーフオークになって多少強くなってもこのファンタジーな世界では俺より強い生き物もいるだろうからな。




