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史上初めてハーフオークになった男  作者: kage3
ハーフオーク下山する
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ブタが生えている

「プギィ!?」


「え!?」


俺の腹から半透明の豚の顔が生えている。

意味が分からないだって?

俺も意味が分からん。


豚の顔も戸惑った顔をしているのでこいつも分かっていないのだろう。


空が紫色になったことに驚いていると悪寒が全身を駆け巡ったらこうなっていたんだよ。


『次元ルール修正エラーが発生しました。イレギュラー対応します。』


「次元ルール?エラー?イレギュラー?」

謎の声が頭の中で響いて意味不明なことを告げてきた。


『最適解模索中・・・・・、ユニーク種への変態で対応します。安全のため対象の意識を遮断します。』


「ユニーク種?に変態?」

変態ってあれか見かけたら警察に通報しないといけない生き物のことか?


それとも虫の変態だろうか?

あれって蛹になって身体をドロドロに溶かして再構成するんだっけ?違ったかな?


それに対象って誰よ。

安全対策が意識を遮断って不信感しかないぞ。


『これよりイレギュラー対応を実行します。』


「嫌な予感しかしないぞ。ちょっと待。」

俺の嫌な予感を無視して謎の声が実行を宣言すると俺は意識を失った。

一人キャンプなんて似合わないことをしたのがいけなかったのか?



「フゥ~、フィ~、フゥ~。」


なぜ俺はせっかくの週末に一人キャンプをしているんだ?

文句を垂れながらも俺は体重三桁が目の前に迫った重たい身体を必死に両足で支えながら山道を歩く。


「フィ~、それも、これも、サバイバル、研修、なんて、バカ、げた、研修の、せいだぁ~。」


無人島でサバイバルというバカな研修を会社がやる。

極限の状態でこそ人間の本当の能力が高められるとかなんとか。


IT系の会社なんだから知識をつける研修のほうが実りある時間を過ごせると思う。

ITにサバイバル技術も精神もいらないと考えるのも俺だけじゃないはずだ。


ただ、聞いた話ではサバイバル研修はただの研修ではなくクビ切り候補を選別するための隠れ蓑だとか。

俺もクビにはなりたくないので事前準備?予行演習として一人キャンプをすることにしたわけですよ。


それにしても俺ってこんなに体力なかったっけ?

これでも学生の頃はもっとスマートでドチボール、サッカー、バスケットといろいろなスポーツをやっていたんだぞ。


・・・すいません、見栄を張って大げさに言いました。

ポッチャリ系の体格で、スポーツも才能がないと分けると見切りをつけて次々別のことを始めただけです。


「これ、でも、小学校、の、ころには、家族で、何度も、山登りを、したんだ。」


山登りはホントにやったよ。

登山道は整備されていたから登山じゃなくてハイキングに近いかもしれないけど。


今はこんな体型だけど小学校のころは運動が得意だったんだぞ。

将来スポーツ選手になるような人ほどではないけど、体育のサッカーやバスケでは活躍していたし、運動能力テストは学内で十指に入る成績だった。

運動会のリレーのアンカーだってやったことあるんだ。


「ハァ、ハァ、ハァ。やっと着いた。」

疲労で重たくなった足を気力で動かして目的地にたどり着いた。

「ちょ、ちょっと、休憩。」

無人島で休憩している暇はないかもしれないが今は予行演習・リハーサルだ。

予行演習で身体を壊しては意味がない。うん、意味がなくなるから仕方ないんだ。


これは決して甘えではない。

というかここまで息を切らしても足を止めずに歩いて来たんだ。

むしろ頑張り過ぎだろう。

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」というどこかの偉い人の言葉があるくらいだからこの判断は正しいのだ。


休憩したのち、テントを準備、ガスコンロで湯を沸かしてインスタント食品で夕食をすます。

特にすることもないので暗くなったらテントに入って寝袋に入った。


「これってサバイバルの予行演習になってないよな?ただのお手軽キャンプだ。」


サバイバルにテントもガスコンロもインスタント食品があるはずがない。

準備が許されるとも数日分の水とナイフだけなんじゃ。いや流石ももう少し何か道具を持たさられるかもしれない。持たされるよね?


「いや、今日は外で寝泊まりする予行演習なんだ。いきなりサバイバルの実地リハーサルなんてできない。これは正しい選択、正しい選択だ。」


この理論だと、あと3回以上は演習の必要が出てきそうだ。

取りあえずそのことは棚上げしておこう。

考えても気分が沈むだけだからな。


眠くなってきたので本格的に寝ようと寝袋を用意しようとすると急に寒気を感じた。


「もう夏が来るのに何だ?・・・え?」


テントと入り口を閉めようと外を見て俺は言葉を失った。

空一面に赤銅色のひび割れがはしっていたのだ。

分けが分からなよな?実際に見ている俺もさっぱり分からんのよ。


「何だ?何が起こっているんだ?」

俺のつぶやきは冷たい風によってかき消されるた

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