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リバース・ワールド・クリエーション  作者: 冷やしヒヤシンス
三章 天上に集まりし素数剣
46/89

3.素数戦線、開戦

 

 1


 七月一四日、午後八時頃。

 素数連合による素数剣所持者からの素数剣略奪作戦が始動する。

 素数剣の攻撃力に対しては数がいても無駄なので、メンバーを少数に分けられていた。

 信用もない海斗は、ミミーと騎士長で三人行動している。同行を了承してくれるメンバーはそれくらいしかいなかった。糸鳥は"極悪編隊"として活動するということで、ここに合流することはなかった。


 現在は真倉からもたらされた情報に照らし合わせて素数剣所持者の住居へ向かっているところ。


「――にしてもすごいですね、これ」


 染々呟く海斗の掌にはスマホのような形状をした直方体がある。

 暗号式連絡装置の魔道具――暗号を音声で入力することで起動し、同型魔道具と連絡を取ることができる。周辺から連絡が来ると振動するらしい。

 素数連合の中に魔道具を作成することのできる魔法使いがいる。十分な数の連絡装置が分配され、その恩恵を与った。

 また、"飛行ユニット"なる板も渡された。名前からしてホバーボードのようだが実際の程はまだわからない。


「一応必要最低限の道具は提供してるっぽいですが、実際どうなんでしょうね。足並み揃えてるようには見えませんが」


 裏帝国ホテルで行われた初の会議はそれなりに荘厳として、さらにそれなりの数の異能使いがいた。だが、先日の直前の会議に参加するのはその半分だったのだ。

 それだけならいいが、人数が減ることによって組織内におけるスタンドプレーが目立ってきた。露骨に、強者にすり寄って来る輩も見かけられた。

 海斗にとっても懸念事項である。真倉への借りを返すためなので失敗してはならない。


「平穏のために集まったと言っても、利害関係だからな。参加してるほとんどはあわよくば素数剣を手中に入れようとしてるだろう」騎士長はやれやれ、と言った風に肩を竦める。「まあ、誰が手に入れたかわかるだけマシではあるが」


「先行きが不安だ……何度も言いましたが、素数剣はマジでヤバイ、ってことが伝わった気がしない……」

「でも、正面からは戦いはしないでしょ。通常作戦は強奪なんだし」

「あっちから攻撃してくるかもしれない……」

「ネガティブだなぁ、結城君は」


 ミミーの言うことももっともではあったが、海斗の記憶にこびりついた素数剣の記憶が不安を呼び起こしていた。

 幸運だった、と今でも思っている。だからこそ過剰に慎重になっていた。

 金属再生じゃ、何回甦ったとしても正面から破ることはできないのだから。


「マジで素数結界にだけは入るなよミミー」

「耳にタコができるくらい聞いたから」

「隠れてやり過ごすんだぞ」

「わかってるって。一応私もあの事件に巻き込まれてたから」

「君達は仲が良いな」


 海斗とミミーの掛け合いを見て騎士長はくっくっ、と笑った。若干恥ずかしくなったので海斗は口を閉じる。ミミーは気にしてないようで単に微笑むだけ。


「さて、鬼が出るか蛇が出るか――そんでもって、生き残れることを祈ろうか」


 騎士長は手に持っていた通信の魔道具を手の中でくるっ、と回して、ポケットにしまった。



 2


 都内某所、真っ暗な五階建てのビルから出てきたのは二人の男だった。

 片方は顔を隠すようにフードを被り、一メートルを越える剣を背負っている――すなわち素数剣。もう片方は三白眼で、白いポロシャツに黒のズボンとラフな格好。

 ビルの入口で立ち止まり、道路の対面にある路地を凝視した。


「どうやらもう来たようだな素数連合」


 剣を背負う男が確信を持って呟いた。

 下手に隠れて素数剣を使われたら堪ったものではないので、海斗は素直に路地裏から姿を現す。眼鏡をかけて、前髪はピンで留めている。


「まだ二人いるよな?」


 もう一人の白黒ファッションの男は容易く看破した。音を立てずにミミーと騎士長は海斗の横に並ぶように出る。

 青月の照らす道路にて、二対三の構図が生まれた。

 素数連合と、組織『酷薄道』。

 数瞬、実力を測るような睨み合いが続く。


「私は先に行く、ここは任せたぞ『スピッター』」

「あいよ、ボス」


 素数剣を背負う男は踵を返して、ゆっくりとこの場を離れようとしていた。

 追おうとするが、立ち塞がるスピッター。歴然の猛者である騎士長も立ち止まらざる負えない。実力行使で押し通る、という方法がスピッターに関してはできない理由があった。

 素数剣を除き、敵異能使いの中でもっとも警戒されていた相手の一人――。

 素数剣所持者とスピッターの二人というのは鬼門であった。幸運なことに片方は戦うつもりはないらしいが、それでも厄介極まりない。騎士長とも互角に渡り合うであろう強さのスピッターを短時間打破するには――。

 海斗は一歩前に出て言った。


「ここは俺に任せて行ってください――運が悪い中では、良い方です。俺なら戦えます」

「大丈夫なの?」

「……――わかった、頼んだ」

「いいんですか騎士長!?」

「素数剣所持者を見失う訳にはいかない。素数剣所持者同士の戦いが起きる前に何とかしなければならないんだ」


 土壇場で冷静な判断ができるかが、良いリーダーかそうでないかの瀬戸際。その点では騎士長は優秀であった。

 海斗の提案を察しながら、立ち塞がっていたスピッターは横を通る騎士長とミミーを無視した。

 思わず海斗は問い掛ける。


「いいのか?」

「後で追いつけばいいだけの話だ」

「そうかい。できるものならやってみろスピッター?」

「言ってろ劣悪金属ラスト・メタル

「…………」


 二つ名に関してはもはや諦めている。素数連合に参加して嫌と言うほどラストメタルと呼ばれたので抵抗する気力もなかった。

 戦闘の態勢に入る海斗、対してスピッターは構えすらとらない。だが、空気すら脅迫する殺気を放ち精神の方を穿とうとする。


「……っ、やっば……辛い」

「そのまま何もできずに朽ち果てろ」


 スピッターは道路を滑るようにして海斗に突撃してくる。動きは単調であり、避けることもカウンターを決めることも可能だ。

 どうしてこんなに安直なんだ、という疑問も片隅にあったが反射的にガードして攻撃に転じる態勢に入っていた。


 振り上げられる右の拳に対して、左手で下から掬い上げるようにして逸らせる――はずだった。


「なっ!?」


 だが、鋏で切ったかのように左肘から先が切断され、あらぬ方向に投げ出された。よって、スピッターの拳の勢いを止めることができていない。

 拳は呆気なく胴体に突き込まれた。


「一〇秒……お前は終わりだ」

「な、あああぁぁぁ!?――」


 悲鳴をあげる時間もないく、頭から股まで、ばっくり縦に一刀両断。人間にどれほどの血液が巡っているのか、わかりやすく表れていた。半身と半身から尋常じゃない量の血が吹き出している。


 異能『両断スプリット』――触れたものを真っ二つにする力。素数剣の次に警戒されている異能。

 スピッターは冷たい瞳で持って見下ろした。


「俺には触れることも許されないんだよ」


 肉の弾ける生々しい音を立てて結城海斗の塊が潰れた。


 スピッターVS劣悪金属、開戦。



 3


 海斗の足止めを背にして、素数剣所持者を追うように静閑なビル群の下を走る騎士長とミミー。


「結城君っ」

「大丈夫だ。彼は不死なんだろ? 心臓とか脳を真っ二つにされなければ問題ないはずだ」

「頼りになるように見えてならないんですよ」


 ミミーはほんの少し前のことを思い出していた。

 全て自分でやろうとする姿が印象に残っている。結局何とかしてしまう――そんな気になるが、彼への負荷は計り知れない。


「(それは"鮎"も気にしていたことだけど……)」


 死なないからって無茶苦茶している、と。

 無限にリトライできるのなら、いつかはできてしまう。それに頼ってしまうのが恐ろしいと感じていた。


「それに、こっちも彼を気にしていられる余裕はなさそうだ……流石に気づいたようだ」

「正面から行けないのに、攻撃系異能使いしかいませんからね。魔道具でどこまでカバーできるか」


『酷薄道』のボス。真っ黒なフードで顔を隠している。背中にはきらびやかな長剣。

 足を止め、振り返ると彼は舌打ちをした。


「スピッターめ、遊びやがって。まあ、いいか試し切りがしたかったんだ」


 ニヤリ、と邪悪な風に頬を緩ますと柄に手を伸ばす。徐々に、背中に隠れていた素数剣が姿を現される。


 その瞬間――騎士長は音を置き去りにした動きで、魔道具『レーザーブレード』を発動する。

 サインペンのような柄にボタンが一つあり、そこを押すと先端から青白いレーザーが射出されるもの。射程は最大一五メートルである。

 喉元に向けて伸びたレーザーブレードに男は驚きの呻き声をあげた。「うおっ!?」ビシッ、という非人間的な音が一帯に響き、仰け反った。

 ブルブル、と震えながら体勢を整える。


「――死んだかと思った……『騎士長ロードナイト』に当たるとは運がないな。だが、素数剣を試すには丁度良いか?」

「今、一体何を。その素数剣の力か……」


 残ったのは、何かをしてレーザーブレードを無効化したという結果だけ。

 騎士長は歯軋りする。素数剣とまともに戦うことができない以上、策を弄して打破する必要があった。

 それが、油断している時に不意討ちをするというもの。


「自身の異能で防いだと考えた方がいいか……」

「どうしますか騎士長……」


 一歩下がってミミーと並び立つ。

 不意討ちが失敗した以上、当初から決めていた作戦に移行しなければならない。

 だが、前提条件は"相手に気づかれていない"状態。

 バレてしまった状態で始めるのなら、撒かなければならない。当然そんな余裕はないのだ。


「知略と戦略、そんでもって運で勝負するしかないだろ」

「命懸けですか」


 ミミーは静かにため息を吐いて、正面の暗雲を見据えた。どうしても緊張は拭えない、けれど恐怖は感じない。

 油断なく、敵から目を離さずに、腰に巻いたベルトからガントレットを取り出して装着した。

 ミミー専用の魔道具『氷型維持装置スノー・フェアリー』。


「――出でよ『聖剣インテグラル』!」


 発声と共に騎士長が構えると、手の中に黄色に輝く聖剣か現れる。剣の腹から溢れ出た粒子が騎士長の体を包んで神々しいほど煌めいた。


 それでも不敵に笑う男――『酷薄ウィーク・ミスト』は素数剣を空へ掲げた。

 剣の色は――緑。黄緑や黄色をフレームの色とした素数剣だ。


「さぁ、力を示せ! No.17風滅剣アイアロス!!!」


 コンクリートの塊すら揺さぶる暴風が剣芯から放たれる。もはや、それは壁と化した。

 全身を叩く横殴りが二人を襲う。

 ゴミやガラクタが舞って視界が著しく遮断された。


「はっはっはっ、振るだけでこの威力!? これが素数剣か! 何だこの全能感は!」


 酷薄ウィーク・ミストは剣を月光に反射させながら、恍惚という風に叫んだ。

 そんな中、荘厳に屹立する騎士長もミミー。双方頬には切り傷が浮かんでいた。だが、闘志は飽和している。


「――さぁ、始めようか、酷薄さんよ」


「脊髄反射まで凍らせてやる」


「やれるものなら?」


 酷薄ウィーク・ミストVS騎士長(ロードナイト)&ミミー、開戦。



 4


 素数連合に結城海斗からもたらされた情報にこのようなものがある。


 各々の素数剣がとある座標を示し、そこに向かっている――と。


 その情報を下に、素数連合の方針が決まった。複数人でグループを作り多方向から中心地へ向かうことになっている。

 その座標である23区にどんな意味があるのかはわからない。だからこそ素数剣所持者よりも早くそこへ向かう必要がある。安全面を考慮して、先に確認しなければならないのだ。


 その際に所持者と出くわした場合は適宜に対応する、ということになっていた。

 素数剣所持者二二人同士が鉢合わせする可能性も考えられる。素数連合以外の異能使いが横槍を入れてくるかもしれなかった。


 そのような危機を想定しながら素数連合の実質的リーダーである巨人ジャイアントは目的地へ向かっていた。彼に付き従うのは二〇人の異能使いだ。

 この作戦におけるグループ人数の中でもっとも多い。それは巨人の周りなら安全、という盲目的な思考のせいだ。


 二二人というのは少ないようで多い。中心地へ向かえば向かうほどエンカウント率は上がっていく。

 通信の魔道具により多数から交戦開始の連絡が送られてきていた。そろそろ頃合いだろう、と判断するには十分な数だ。

 連絡を受けた"嵐"が巨人に報告する。


「団長、東北東交戦開始しました」

「西南西は?」

「あれから連絡ありません」

「そうか……無傷でここまで来れたのは運が良かったのかもしれないな」

「そうですね」


 暗雲立ち込める裏首都を安全に進み続けられた団長らの強運もここまでだった。


 十字路にて――右手に剣を握る男と鉢合わせる。


 眼鏡をかけた二十歳ほどの青年が、団長達が足を止めると同時に動きを止めた。

 彼はニヤリ、と口角を上げると大袈裟に手を広げる。


「おやおや、素数連合の方々ですか……おっと『威風巨人ライズ・ジャイアント』ですか。大物が釣れたみたいですね」

「釣れただと?」

「ええ、使いたくて使いたくて堪らないんですよこの素数剣を。あなたならば、まあそれなりに試せるでしょうからね」


 右腕を前に突き出し、月光に照らされた素数剣が淡青に輝いた。

 素数連合には全二五種の素数剣の特性は伝わっている。各々の持つカラーも大体はわかっていた。


 巨人の下にいる異能使いも臨戦態勢に入る。それは、その場から三歩下がるという行動。適切な距離に移動する必要があるのだ。

 一人、正面に残った巨人はただ立ち尽くすのみ。


 だが、放たれるオーラは指数関数のように増加していた。紫色の煙を至るところから放ちながら輪郭が大きくなる。伴って髪は逆立ち、目は真っ赤に光った。

 以前、結城海斗と戦った時よりさらに筋肉が突き出ている。

 あっという間に一〇メートル以上の巨体に変化し、青年を上から睨み付けた。


「――何を試すって?」

「……巨人……まさに巨人ですね。恐ろしいですが、そういう次元じゃないですから素数剣は」

「(そういえば劣悪金属も言っていたな……"次元が違う"と)」


 あの怯えように懸念を感じつつも、正面から堂々と聳立していた。その後方に"嵐"を始めたとした異能使いが支援の待機する。


「僕は情報屋"骸烏丸"。そして、この素数剣はNo.47彗星剣ペガサスロイド。素数剣所持者と戦う前に性能をチェックしなければね」


 最前線にて、戦いの火蓋が切って落とされる。


 骸烏丸VS威風巨人(ライズ・ジャイアント)&一九人の異能使い、開戦。



 5


「――で、君は何をするつもりなんだい?」

「その前に何故あなたが着いてくるのかを教えてください真倉黒也さん」


 素数連合とは別口で23区に向かっているのはこの度の"依頼者"である少女。真倉黒也から素数剣所持者の情報を得た後、単独で中心地へ向かおうと試みていたのだが黒くて怪しい男が付いてきているのだった。

 中学生ほどの脚力じゃ、それなりに鍛えている真倉を振り切ることはできない。


「一応、使いを送った以上は終わりは確認しないといけないんだよ。ついでに君の言う"約束"とやらも気になっている」

「……囮として使わせ貰います……」

「俺には囮になる価値すらないさ」

「生きる価値もないようですね」

「やれやれ……俺は裏世界を誕生当時からずっと見ている。魔神とも創造ともそれなりに縁がある。約束というのも何となく予想は付いているが――君、もしかしたら持っているんじゃないのか?」


 闇夜に紛れていた真倉の視線が鋭利なものになっていた。

 圧倒的な存在である魔神、創造のやることなすことはとんでもなものばかりだった。その経験から、"切り札"があると推測したのだ。

 そして、その推測があっているのならばそのパワーは素数剣を超えている。そうでなくてはならない。

 得体の知れない視線の圧力を断ち切って彼女は淡々と答えた。


「何か、と言われてもわかりません」

「そうかい。言いたくないならいいさ。とっとと蹴りが付くならどちらでもいい」


 はぐらかされれば真倉もけろっ、と答えた。知る時がくれば、知るというスタンス。

 どうにも離れてくれそうにないので、少女が無視して進もうと思った直後――爆音が轟いた。地面を縦に揺らす非日常の地震。

 二人は同じタイミングで音源に目を向ける。

 そこには、黒のドームが展開されていて――それはまさに"素数結界"であった。


「これは漆黒剣クラミツバ!? まさか、もう始まったの!」

「素数連合の通信を傍受したところ既に六か所で交戦が始まってるらしい」

「なっ、何でそれを早く言わないんですか!」

「そんなこと言われてもね、聞かれてたら答えたけど」

「何の素振り見せなかったと思いますが」

「――それは絶対秘密」


 絶対秘密なんて言われたらますます気になってしまうものだが、あいにく少女にはそんな余裕はなかった。被害を出さないためにも彼女は向かわなくてはならない。

 漆黒結界にある方角に向かおうとする少女に、真倉は問いかけた。


「今行っても間に合わないと思うけど?」

「可能性があるなら私が行きます。あれは放って置いたらいけないものなんです」

じきに戦闘は激化していく。また新しい場所で戦闘が発生したらどうするつもりだ? そこは行かないなんて言わないよね?」

「ええ、全て回ります」


 真倉の挑発を一刀両断して、宣言した。その意志は瞳を見るだけで伝わってくる。

反応が悪かったので、からかうのはやめた。


「それならいいさ、好きにすれば」

「あなたに言われるまでもありません」


 暗黒の結界に向かって少女は走り出し、真倉黒也はあくまでも、観測するために二三区の中心地へ向かう。

 真倉は歩きながら素数連合の使用する連絡用魔道具をを取り出して状況を確認した。

 測ったように丁度、連絡が飛んできた。


『こちら龍月朧……白い素数剣所持者からの襲撃、部隊の半数が殺られました……任務続行しますがヤバいかもしれません』


 朧の接敵の連絡を聞いて真倉は呟いた。


「早いところ中心に行かなければ。場所は――首都スカイタワーか……」


 首都スカイタワーとは、全長七〇〇メートルある世界最高の電波塔。素数戦線においては、激戦を乗り越えた選ばれし者が集結する終わりの地となる。

 この世界に多大な影響を与えるであろうこのイベントを逃す訳には行かなかった。

 飛行を可能にする魔道具――『飛行翼』によりふわり、と体が浮かび上がり一直線に空中を進んでいく。


「魔神が関係するのなら君は来るだろう?」


 楽し気に呟いた情報屋は、影のように闇夜に身を潜ませた。


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