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リバース・ワールド・クリエーション  作者: 冷やしヒヤシンス
一章 裏と表のプロローグ
1/89

①彼岸の夢想 / prologue

 

 ◎


 彼女はビルから落ちて死んだ。

 高さ二〇〇メートルから真っ逆さまに没し、

 俺の預かり知らぬ場所で、いつの間にか息絶えた。


 暗黒よりも黒い夜空のビル街、無音の境地の中。


 落下の衝撃によりバラバラになった遺体に花を手向ける。血よりも赤い可憐な花だ。

 鮮やかなまでの赤黒色の池に足を踏み込んで思う。



 何故、彼女がこんな目に遭わなければならないのか――と。



 幼馴染だというのに、肝心なところで俺は隣にいることができなかった。

 彼女のためなら命を捨てても良いと思っていたのに、いつの間にかすべてが終わっていた。


 彼女が悟らせないように行動したとしても、俺だけは気づかなければならなかったのだ。

 そのことに失ってから気づいた。今頃悟っても何の意味もないというのに。


 彼女のことを理解して、近づきたかった。

 だが、それは今でも遅くない。

 既に息途絶えたが――意志途絶えたが、遅くはない訳がある。


 故にここは墓標だ。

 血に濡れた無惨な墓場。

 俺の知らない思念の残り香。

 彼女の最後の想いの残滓。


 俺は、真の意味を理解しなければならない。

 表だけではなく、裏の裏まで見据えることでようやく手を合わせることができる。

 

 ここじゃない遠いようで近い世界で。


 それが彼女のためだと思うから――。


 だから、地獄の深淵まで踏み込まなければならない。それがどんなに遠くでも俺は進むしかないのだから。


どこまでモチベーションが続くかわかりませんが、何とか頑張りたいです。

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