58話 講和交渉
1月26日
ソ連領 モスコ
この日、モスコは最低気温−70度を記録し電車も車も銃も使えず、両国は事実上の停戦になっていた...いや休戦か
どちらにせよ、ここ数日は1発の銃弾も無かったのだ。天候もまた悪すぎて航空機が飛ばせないくらいに
ブリザードのモスコ中心部の地下鉄 ここは戦火で廃墟ととなった中でも数少ない復旧した場所であり兼地下壕だ。ここでソ連と日本、ドニラス帝国、アトランティアスの主要国による講和交渉だ。
綺麗なテーブルとソ連の国旗。そして大きなシャンデリア。そして巨大な兎みたいな剥製。部屋のバランスがあっていない。
ソ連側は5人、うち2人が深い帽子を被り小銃を持った兵士で1人が政治将校の証であるバッチを付けた目のイカつい男
あと2人は陸軍将校と外交官だ。
日本側は外交官として流子。護衛として浅田かおるとその副官の3名。
ドニラス側は外交官のジェネット
アトランティスは純白の服を着た男がセントノエル、黒服の男ふたりがガネット兄弟。
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緊迫した中で交渉がはじまる。
私、流子がここに来た目的の1つは既に達成済み。この交渉は成功することはない。あくまでも春までの時間稼ぎである。
最初に口を開いたのはソ連の外交官だ。
「ようこそ、再奪還したモスコへ。この極寒の地へ来るのは大変でしたでしょう原住民」
いいパンチを初手から飛ばしてくるなぁ。
「ええ。しかしながら、我が国にはカイロ等の暖房器具のおかげで寒さはしのげました。」
「吾輩は魔法があるからな」
ドニラス外交官の見せた甲冑に書かれた模様 刻印魔法というもので魔力を熱に変えることができるのだとか。
「さて、講和交渉ですがそちらの要求は?」
「はい。まず占領地全ての解放と賠償金を」
「無賠償、無割譲、即時停戦だ。それ以外はない!」
交渉の余地なしか
「それでいいのですか?我ら連合軍にはソ連を倒せるだけの力がありますよ」
「それは我が祖国も同じだ。」
「なるほど。本当にいいのですね?」
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ソ連南方オルテニア 連合軍占領地
世界連合軍総司令部
世界連合軍 今回の大戦で各国が連携しやすいように作られた機関である。
お題目は、「世界の敵たるソ連に対して多種多民族が協力して倒そう」である。政治家が大好きな言葉である。非常に力強い味方ならいいが羊を率いて狼と戦うような事をしたくないのだが。
ドニラスやその他の国多数加盟しているがこれになんとアトランティアスが参加した。中立を掲げていたこの国だが豪華客船 「キャノンホルスト」がソ連潜水艦に沈められこれをきに、拡大派がアトランティアスを支配したとか。
日本としてはありがたい話である
世界連合軍総司令部 最高参謀長 アジア連邦日本国 参謀総長 細田元帥(昇格した)は敵にとどめを刺す一手を、作戦を知らせる
「さて、これから日輪作戦の説明をするー」




