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例え世界が変わっても  作者: パピヨン
第二章 皇国編
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53話 冬将軍

現代知識で農業チートとかあるけど、現代技術でも自然には勝てないわけなので、自然って偉大ですね。人間の常識をあっさりと越えるのが自然。

厳しかったり時には優しかったり。(この前の天皇即位の礼に起きた虹とか。)

11月25日、日本軍は80日にも及ぶ包囲戦の結果、ソ連首都 モスコを陥落させた。この時点ですでにソ連側の死者数は4000万人を突破し連合国側も50万人を突破した。

だがソ連は首都が陥落しても徹底抗戦を表明しソ連最北部の街、ノッザに臨時首都を置いた。

ノッザを攻め落とさなければならないがモスコからノッザまでの距離は360kmだが、鉄道線はひとつしかなくその鉄道線も途中で途切れておりおまけに舗装された道は1本しかない。それ以外は全て森か山か湖だ。おまけにもうすぐ本格的な冬がくる。モスコの現在の気温が8度。冬になればここが何度になるか想像したくもない。

そもそも日本はモスコが陥落した時点でソ連が講話に応じると考えていた。だがソ連は元の世界のアメリカやイギリスなどの民主主義国家でもない。一党独裁であり指導者が絶対的な権力を持つ国だ。国民が戦争をやめたいなんて言っても無視する国だ。一般的な常識が通用するような国ではない。その事を分からなかった日本、連合軍は泥沼戦争へと突き進む。冬が来るからと止まることも後退することも出来ない。なぜならソ連はすでに追い詰めたに等しい。あともうちょいでソ連は降伏するという考えと、ソ連の冬を普通の冬と考えているものが多いのと、インフラを考えてないものもいるからである。

こうして連合国は準備を整えた後、12月13日に冬季大攻勢を開始。

だが氷点下20度を下回る日中、視界5mもあるかすら分からないほどの吹雪。そして行く手を遮る積雪量に待ち構えているソ連軍。

航空支援もなく戦車も動かせない。おまけに古い銃は凍って使えなくなる。

いくら科学技術が進歩しようとも人間は自然に対して無力だと実感してしまう。おまけにここにいるだけで凍傷になるものが続出し吹雪による遭難も相次ぎ、3日間で12人が死亡、195人が凍傷、65人が行方不明という結果だ。

「これは、作戦失敗だな。すぐに撤退すべきだろう」


コーヒーを飲みながらこの戦況をみた鵜方少将。

鵜方少将はこの作戦に最後まで反対していた。というのもこの作戦には突破力の第一機甲軍団、航空兵力が最初っから無い。おまけに車両は地面の問題で使えない。鉄道線は1本しかなくおまけに真冬に攻めるとか自殺行為と考えていた。

「ふん。司令部もこれでわかっただろ?こんな寒い土地なんてモンゴルかフィンランドくらいじゃなきゃ戦闘出来ない。」


フィンランドはもちろん冬戦闘にはなれており、モンゴルの冬はロシアより寒いから余裕で勝てたわけであって、日本軍は冬戦闘に慣れているわけでも、ロシアより寒い訳でもない。

だからこそトドメの攻撃は春からだと鵜方少将は進言した。だがソ連軍は既に虫の息。ここで攻撃をやめればソ連に体勢を立て直す時間を与えてしまうと危惧した司令部は冬季攻勢を強行。

その結果がこのザマである。

おまけに他国軍がいるのも悪い。日本の銃はこの吹雪でも使えるようになっているが他国の銃はこの環境じゃ使えないものがほとんどだ。

中には鉄パイプと称して使ってるやつもいるが例外として扱おう。

ソ連軍はどうなのかと言うとあの国、人の命を弾丸として扱っている。どうやらもう銃を作る余裕が無いみたいで銃は10人に一丁とかいう割合だ。ほかの9人はシャベルやナイフ、中には素手や石で襲いかかってくるものもいる。武器は敵からぶんどれである。おまけにこいつらは常に攻撃し続けている。吹雪の日でも夜でも24時間無停止攻撃のせいでこっちの士気はボロボロだ。

このまま前線が崩壊する前に撤退する。

「よし、全軍に通達せよ。作戦は失敗、モスコまで撤退せよ!」


ここから無事にモスコまで撤退できるか、そこが問題だ。

ナウペディア百科辞典

冬将軍

厳しい寒さを擬人化したもの。現実世界で例えるならロシア(旧ソ連)を指すことが一般的。

北から将軍が寒さを届けに来る訳だが、某北の国の将軍では無い。かつては同じ共産圏だった訳だがあの将軍の事を指しているわけではない。確かにあの国は鉄の筒を飛ばしてるがそれは冬将軍では無いです。

まぁ、あの国が気候をあやつる事なんて不kー検閲により削除されましたー

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