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例え世界が変わっても  作者: パピヨン
第二章 皇国編
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52話 ソビエト社会主義共和国連合国国防人民委員令第227号

4月24日。この日連合軍総勢18万人がソ連本土の南方オルテニアへ上陸し、ソ連南部の大都市を攻略。さらに1週間で5つの都市が陥落。

この事態にソ連は、「ソビエト社会主義共和国連邦国防人民委員令第227号」を発令。内容は、1歩も下がるな。物量で推し潰せ。無停止攻撃をせよ。

この命令が出て連合軍は悪夢を見た。


ソ連南部 連合軍占領地域ザルバ市

「隊長、新手が。」

「は?またか。これで何個師団目だ?」

「16個師団目かと。」

「くそ、なんて数だ。やつら、人をなんだと思っているんだ?3日連続、休む暇もなく防衛任務って、日本一のブラック企業だな軍隊は。」

「ですね。」

『こちら司令部。第258航空偵察部隊が先程そちらへ向かう歩兵師団3個師団、機甲師団4個師団を発見。さらに敵戦闘機、爆撃機多数、航空魔導士も発見。』

「くそ、どうなってやがるんだこれは!」


という事があちこちで発生。人的や物資の消耗を度外視した戦術はもはや恐怖でしかない。おまけに各地でソ連列車砲の脅威で連合軍は1部の戦線で撤退を開始。この時にはソ連軍の死者が3000万人を突破し連合軍の死者数は15万人。

だが補給路の完全確保と援軍がきた連合軍は反撃に出る。始めの大量の砲撃と戦闘機大量投入による制空権の確保。これはあらかじめ飛行場を建設していたため大量投入することができた。

そして大量の装甲車、戦車、自走砲による敵戦線の吹き飛ばしはかなり効果的で後退することの出来ないソ連軍はこの攻撃で死者数推定250万人。そのうち7割が砲弾やそれに関係した死因。残りが戦車や銃弾などだった。

これによりソ連軍前線は崩壊。これを受けてソ連後方地域や他のソ連大陸領では反乱がぼっ発。ソ連を交渉のテーブルに引きずり込むのも時間の問題と思われていた。

だがソ連首都近郊の都市が9月24日に陥落しソ連首都間近まで迫ったが交渉のテーブルにさえつかないソ連。このことに連合軍は焦りを感じ始めた。何しろこれ以上軍を進めるワケにはいかない。

何しろもう補給路がかなり伸びきっているのだ。これ以上進めば補給が出来なくなるし何より冬がやばい。最高でもクリスマスまでには終わらそう。


冬の戦闘は地獄そのものだ。雪で車両は使えない。寒いから鉄道から数キロ程度しか補給出来ない。航空機なんて吹雪でも吹いたら使えない。さらに冬季戦に慣れていないものが多い。

だが奴らは冬季戦には慣れているし補給問題もない。ならば首都が陥落もしくは包囲すれば講和できる可能性にかけるしかないと日本は考えている。だがソ連はこの戦争を共産主義か資本主義どちらが生き残るかという絶滅戦争と認識していた。この考え方の違いが後に響くことになるとは誰も予想しなかった。

ナウペディア百科事典

ソビエト社会主義共和国連合国国防人民委員令第227号


本土に上陸された当時のソ連政府はこれ以上の撤退は許容できなかったために出されたもの。

国防人民委員会から出されたものであり軍が出したものでは無い。そもそもソ連に軍人というものは無く、武装した労働者という認識の方が正しく、国防人民委員会も中身は共産党員である。

この内容は簡潔にすると「1歩も下がるな。ひたすら進め。下がれば射殺する」という無茶苦茶な命令であり命令違反者を取り締まるために督戦隊まで導入したといわれている。

この作戦によりソ連は甚大な損害が出たにも関わらず11月まで続けた。

この時に連合国は撤退したこともあることから(アガシンカ撤退)評価するものもいるが、その損害を考えれば失策だったという者もいる。


アガシンカ撤退

5月10日、中国軍がソ連南東の都市、アガシンカを攻略し飛行場を制圧。ソ連南部の制空権の完全確保に成功したが翌日、ソ連軍の大規模反抗により3万人が死亡。さらに補給のための鉄道線が破壊され物資も無くなったため中国軍はアガシンカから撤退した。

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