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例え世界が変わっても  作者: パピヨン
第一章 国家転移
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5話 バジル線

バハルス帝国皇帝ギルティアス バハルス帝国56代皇帝。豚みたいに肥えた腹。顔もよく言えばふっくらとしている。悪くいえば、豚だ。


「列強国は介入して来ないんだよな?」


「ええ。外務局の働きにより列強国の利権はそのままこちらが引き継ぐという形で承認しています。まったく、苦労しましたよ。あの国王め。どんだけ列強国から信頼を勝ち取ってんだよって話。賢王は伊達じゃないか。」


と愚痴をこぼすのは外務局局長 サルデーニャだ。

王国は列強諸国と上手く立ち回り、列強諸国相手に不可侵条約、中立条約を取り付けたのだ。本当に厄介すぎる


「で、現在の戦局と今後の侵攻予定を言ってもらおうか。」


バハルス帝国とリグルード王国との国境の地図を広げて


「現在、わが帝国軍は国境を越え、バジル線攻略に取り掛かっています。バジル線とは、先代の国王が作った要塞線で全長206㌔にも及ぶものです。この要塞線は騎兵や普通の騎士での突破はほぼ不可能です。その為、列強から購入した大砲で要塞を破壊し、突破した後にいっきに流れ込むという作戦です。おそらく3週間で王国は降伏するでしょう。」


「あの広大な土地と果実が3週間後にはわが国のものとなるのか。」


「ただ、王国はニホンと相互保証条約を結んでおり参戦してくると思われますが」


「ニホン?あぁ最近来たとかいう国か。あんな国、王国滅ぼした後に潰してやる」


皇帝の頭の中は王国戦後の事しか考えていなかった。



リグルード王国 会議室は混乱していた。


「まさかこのタイミングでか?くそ。列強国に支援を要請しろ。」


「それが、中立を保つと」


「は?なぜだ?奴らこの果実が欲しくないのか?」


「それが、どうやらバハルス帝国が我々に変わって輸出するとか。」


「外交で敗れたのか。道理で最近冷たかったわけか。そうだ、ニホンはどうした?保証条約を結んでいるから駆けつけてくると思うが」


「ニホンからは、現在派遣軍を編成中、1週間待って欲しいとの事です」


「という事は最低でも3週間は待たないと行けないのか。編成に1週間、海上輸送と移動で2週間か。」


「いえ、前線到着まで1週間だそうです」


「は?1週間で到着って、おかしくないか?どれだけ我が国とニホン国と離れていると考えているんだ?」


「なんでも、空から攻撃するとのことでして。本隊到着はさらに1週間待って欲しいとの事ですが。」


「訳が分からない。一体どんな形で来るんだ?」


◇◇◇◇

バジル線

高さ15mの城壁が続く、万里の長城みたいなもの。

王国兵は壁の上から弓を構える。狙いは120m離れた帝国兵。しかし、矢は届かない。

兵士は嘆く。


「クソッ、旧式の弓じゃ届かない。」


「最新式は城門周辺に最優先で配備してたのが裏目二出たな。ま、問題ないだろ。どうせ帝国兵もハシゴを使わなければここまでこれないんだ。」


しかし、帝国側から突然轟音と、同時に激しい振動と音と煙が立ち込める。

何が起きたか分からず、混乱する兵士。


「敵兵が突っ込んでくるぞ!」


敵兵が騎馬で突っ込んでくる。早急に対応すべく弓兵が弓を構えたその時、先程と同じ衝撃が来る。

そして、城壁の一部が崩壊した。


「て、敵、大規模魔法を使用!」

「馬鹿野郎!この距離で放てる魔法があるか!これは大砲だ!この距離でこの威力を放て、さらに命中精度もいい大砲なんてなんで帝国が持っている!?」


予算削減のために軍事費を抑え、そして主要拠点ではない場所には練度の低い兵を配置していた王国。

王国の弱点を的確についた帝国軍は一気に壁内へなだれ込み、周辺の王国軍を蹴散らした。


そして、バジル線から5㌔内部にある都市ハーデンドールを陥落。実に開戦から6日であった。


王国も黙っておらず、航空戦では王国の圧勝だった。大規模に増やした航空魔道士により帝国側のワイバーン部隊に損害を出さずに勝利していた。航空魔道士は新しく出来たばかりの兵科であり、航空魔道士技術第3位の王国は槍や剣を使って敵ワイバーンもしくは騎手を潰して回る戦法に出たのだ。

速度と機動性、防御力はワイバーンを遥かに凌駕しており、帝国のワイバーン部隊が制空権を確保する事は出来なかった。


◇◇◇◇


日本 陸軍参謀本部


「で、バジルソース作戦は第1フェーズに取り掛かっているのだな?」


陸軍大将 細田 守。陸軍のエースである。

バジルソース作戦、第1フェーズ 突破されたバジル線上に空挺降下し穴を塞ぐ。第2フェーズ これにより突破してきた敵主力軍を殲滅する。要塞の特性を利用して潰すのだ。まだバジル線の城門は、孤立した王国軍が必死に死守しており、帝国の補給路は穴の空いた1箇所のみ。

細い補給線を断つのだ。


「ええ。空挺降下部隊は現在ハーデンドール近郊を通りもうすぐ作戦開始です。」


そう答えたのは守の相棒である田中 総一郎だ。陸軍兵站部門のトップだ。


「この世界初の作戦だ。上手く行けばいいんだが。」

今作戦に派遣された軍

空挺降下部隊

現代戦車部隊

駐屯部隊

機械化歩兵部隊

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