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例え世界が変わっても  作者: パピヨン
第二章 皇国編
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45話 敵に鉄槌を

12月24日の23時59分

海軍の海上封鎖作戦開始から既に12時間が経過し予定通りアトランティアスの機雷により最前線とソ連本土との補給路は完全に絶たれた。

これにより事実上、東部戦線のソ連軍は孤立した。


東部戦線中央 最前線近くに大量の、日本の10式戦車が並んでいる。それだけでは無い。無数の自走砲や、ロケット砲、装甲兵員輸送車やトラック、給油車まである。

これは日本陸軍の機甲軍団だ。

日本陸軍の主力であり日本陸軍の切り札、第1機甲軍団 別名

毘沙門天。主な目的は敵戦線の突破、敵野戦司令部撃滅の斬首戦術だ。機甲軍団と言ってるものの、歩兵もいるため制圧任務も可能である。この機甲軍団の今回の任務は敵戦線を正面から突破し一気に敵後方の港の制圧だ。


いくら機雷をばらまいても、やがてソ連は大量の輸送船を使い突破するだろう。

だからこそ、敵を逃がさないために港を抑える必要がある。それがこの機甲軍団だ。


この軍団はかなり特殊だ。


「諸君、今日はクリスマスイブだ。共産主義者どもに素敵なプレゼントを送ろうじゃないか。さぁプレゼント配布の時間だ!」

と無線から軍団長の長門 広中将 の声が聞こえる。


「進めー!」


日本の機甲軍団がソ連軍陣地に襲いかかる。

あまたの照明弾を打ち上げ、先頭を突っ切る戦車の前方を自走榴弾砲が耕し、敵重戦車は10式戦車で狩っている。ソ連軍は夜襲とたったの数分で最初の塹壕が突破されたこともあり混乱している。そのため重戦車や対戦車砲の動きはバラバラで機甲軍団からしてみれば格好の的だ。

「進め進め!あんまり時間は無いんだ!一気に敵防衛線を突破するぞ!」


電子機器による命中率はほぼ100%を誇る最新の10式戦車は1両、また1両と敵重戦車をスクラップに変えてゆく。

敵の反撃もあるが避けるか弾を弾くだけで損害はほぼ皆無だ。

進軍開始からすでに5時間が経過した頃、日本軍は前線から60㌔ほど先にあるンダカネル村を占領し小休憩をしている。

最終目標地点、リゼット市まで残り250㌔ある。

途中までに12の村と4つの都市を制圧しなければならない。

先は遠い。

なおこの村に人影はなく既に避難済みみたいだ。


この村の中央にある()()()()()()()()()()()の近くにある屋根のない建物の中で作戦会議をしている。

ここで座っているのはイカつい顔の軍団長 長門 広 副軍団長 奥田 優太佳と各師団団長が6人、各国の増援部隊の指揮官が6人の計14人がいる。


「さて、現在の状況の確認をする。説明は奥田に任せる」

「は!」


と椅子から立ち、手に持っている書類を読んでいく。

「現在我が軍は敵前線を突破しここンダカネルを占領したが、問題はこの次だ。次の目標地点はジャルタ要塞。高さ20mのコンクリート製の城塞だ。さらにこの要塞の前に流れる2つの川。ここの突破にどれくらいの損害が出るのか。」


ジャルタ要塞は元々ジャミー公国という国の首都でありドニラスの援助でつくられた要塞だ。

一応制空権は空軍が確保しさらに装甲ヘリや対地攻撃機といった支援機も出すという。

だが予想される敵兵力は歩兵師団が12個、中戦車機甲師団が4個の計16個師団だ。この都市にはリゼットまでの直通列車があるからだろう。街に合わない過剰兵力だ。

さらに敵航空機も300機以上、航空魔道士も多数おり早期攻略はななり厳しい。

そこで田宮は1つの案を考えた。


「現在ジャルタ要塞の敵兵力は合計で16個師団あり今後増えるだろう。だが今のジャルタ要塞は完全に防衛体制が出来ていると思うか?俺は出来ているとは思えない。今なら防衛体制が整う前に落とせる可能性がある。」


確かに敵の防衛体制が整っていなければ勝てるだろう。だがその場合こっちは休む暇もなく兵を酷使する事になる。この後の行軍に影響がでかねない。だがこちらの準備が整ってからでは遅い。

どちらを選ぶべきか?


悩んだ末出した結果は....


「少し無理をしてでも落とそう。あそこには敵の航空基地もある。無理をしてでも落とす価値はある。」


その時、突然無傷だった公民館らしき建物が吹き飛んだ。


「何が起きた?」


無線から連絡が入る。

『野戦司令部、応答してください』


「こちら第1機甲軍団 軍団長 長門である。何があった?どうぞ」


『は。ご無事で何よりです。先程ジャルタ要塞にある列車砲の攻撃による攻撃です。どうぞ』


「やはりか。なんであの建物だけ綺麗に残っていたのか不思議だったんだ。やはり奴ら、あそこに司令部を置くと考えたのだろう。よし、総司令部に伝えてくれ。これより第1機甲軍団はジャルタ要塞を攻略するとな。どうぞ」


『了解しました。ご武運を』


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