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例え世界が変わっても  作者: パピヨン
第二章 皇国編
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番外編 リグルード王国の姫

しばらく番外編が続きます。

「みんな聞いてくれ。もし魔法を料理に使えば画期的な調理ができるに違いない。それを実現したものを作ったぞ!」


とまた大声でいう西園寺。どうやらまた変なものを作ったらしい。

何故か制服を脱いで私服になっているという疑問は置いといて、

その西園寺の力作 「持ち運びできるお手軽自動調理器具」だ。


空間収納魔法を付与した特殊なケース、スマホ程度の大きさなのだがこの中に自動調理器具が入っている。この自動調理器具の大きさはだいたい登山用のカバン程度だ。

その調理器具は一見穴の空いたただの箱だが、この中に食材と側面にあるボタンで料理を設定したらその料理を自動で作ってくれるのだ。

火力は魔法で補うため燃料は不要。

魔力増幅回路を使用しているため一般人でもぎり使える代物だ。


「でもこの魔力増幅回路って高くなかったっけ?最近発明されたばかりだし」

「副部長、十文字家のコネがあればこんなもん調達出来ますよ!」


十文字 隼人は大企業の社長の息子であり金とコネで調達したと。

さすがボンボンは違うな。


「ここまでなんでも揃う部なんて私たちの所だけだろうなぁ。社長の息子に学内1の天才(天災)。それに比べたら私は普通の女の子だね。」


「副部長、何言ってるんですか?副部長は学内ではこう呼ばれてますよ。 「変人とよくいる人。変人の女神。残念美女。誰もが認める残念ヒロイン」って。」

「それ全部悪口じゃん!」

「いやいやいや、美女ってちゃんと褒めているんだよ」

「残念美女が褒め言葉とか初めて知った!」


不満が溜まる彩子。その時誰かがドアをノックした。


「どうぞ」


綺麗なドアを開け入ってきたのは1人の美少女だった。

青髪で肌は白く、瞳は赤色。さらに顔は非常によく整っており言葉が出なくなるくらいの美女だ。身長も低くもなく高くもないといういい感じの大きさ。


「あの、ここが魔法学部、ですよね?」


「ええ、そうよ。あなたは?」


「あの私、ここに入りたくて来ました。1年のリグルード フォン ターニャです。ええっと、リグルード王国第1王女です。」


うーんとたしか、リグルード王国の名前は名字が最初に来るって言う、日本と同じ感じで、フォンというのはたしかリグルード王国国立の学校をトップ10で合格したものに与えられる名だったはず。

で、リグルード王国国王の名前はリグルード フォン リードハルト。あ、これ本物じゃん。


「副部長、本物の王女ですよ!お姫様ですよ!すげぇ!」


王女としるや急にテンションをあげた隼人。


「たしか今年の留学生にリグルード王国からきた人がいるってのは聞いてたけど王女とは。って敬語で話さな失礼じゃん。すみません王女様」


相手が王女だからしっかりとした立場を考えて行動しなければと気づく彩子。


「いいですよ普通に話していただいて。私は今は普通の女学生なのですから。どうぞ、ターニャって呼んでください」

と軽くお辞儀するターニャ。


「なぁなんでターニャはここに入りたいんだ?言っとくがこの学部、人気が一切ないし新聞部のネタにされるという損しかない学部だぞ。あと学部って名前がかっこいいからこう呼んでるし名乗ってるが実際はただの部活、いや同好会だぞ。それに魔法なんて言ってるが実際は魔法2割科学8割だぞ。魔法なんてほとんど学べないぞ」


部長、西園寺は、部長なのにこの部活を全否定する。

その言葉に他の部員は、誰も言わなかったことを言いやがったと心に呟いた。


「私はあまり科学を知らないんです。私たちの国と日本とは生活スタイルも技術も何もかもが違って分からないんです。不安しかないんですよ。だけど、、

魔法という身近なものがここにはあると知って安心したんです。それと同時にここなら友達が作れるかなって。」

「友達いないの?」

ストレートにきく西園寺。ブレない直球は相変わらずだ。

「ええ。王国内でも私が次期女王ってのもありみんな地位が欲しいが為に近寄ってくるんですよ。ここでは王女という肩書きとこの髪が原因でみんな遠慮してしまい友達が居ないんです。」


「たしかに青髪って地球にはいないよなぁ。黒髪、茶髪、金髪、赤髪くらいしかいないと思うぞ。まぁ髪を青く染めるやつもいるからそこは問題ないと思う。」


髪をレインボーに染めたやつがいたなぁ。髪を染めるとその分ハゲになりやすいから私は嫌いである。


「部長、入部いいんじゃないですか?悪い子では無いですし。それにこの部、この前人が抜けてしまってたったの3人しかいないんですよ。」

「よしターニャさん、ようこそ我ら魔法学部へ。魔法は使える?」


「使えますよ。」

「よし、なら試しにこの作品の欠点を教えてくれ!」

と西園寺が指を指したのは、高速回転式洗濯機 パンジャンドラム4号だ。

まだ作るの諦めてなかったぞこの男。どんだけ気に入ってるんだ?


「これですか。うーん。浮遊魔法がかかっている所を見ると浮きはするがすぐに落ちるという仕掛けですかね?」

「なんと。見ただけですぐに落ちてしまうのが分かるのか。これをずっと浮かせる方法は知ってる?」

「浮遊魔法が弱いですね。これくらい重くなると浮力が足りないのでもうちょい強い魔法をかけないと。」

「なるほど。強い魔法か。たしかにこの西園寺でもこれ以上強い魔法は使えない...くそ、諦めるしか無いのか?」

「いえ、私ならこれよりつよ」

「ちょーっとターニャちゃんこっち来て。」


と会話を無理やり遮ってターニャを引っ張り出しターニャに囁く。

「ターニャちゃん。あの兵器を完成させないで。」

「なんでですか?」

「あれはね。兵器なの。それもやばいやつ。教室、校長室を破壊した恐るべき兵器よ」

「おい彩子聞こえてるぞ。なーんでみんなあのキュッとした可愛いパンジャンドラムに対して悪口を言うのか。」


「パンジャンドラムの狂信者という属性が新たにつきましたね部長。」

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