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例え世界が変わっても  作者: パピヨン
第二章 皇国編
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34話 大同盟

なんか、長くなった。

モスコ空爆作戦が成功しソ連の勢いが弱まった。それもそのはず。現在ソ連は各都市の空域防御のために軍の再編成をしているのだ。いくら兵が錬金術によって湧いたとしても限界があるという。そのため1部の戦域では戦闘の無い日が続いている。

このタイミングで日本は、今大戦の共同参戦国に対して大同盟の設立を呼びかけ、日本の京都、二条城で各国大使を呼びかけ会議が始まろうとしていた。


日本代表はこの私、流子。右から順に座ってるのが

中国代表 集 金平

ドニラス帝国代表 ドン バルク

ハーゲル王国 チャネル ピーネ

アトランティアス連邦帝国 ガルパン ガドラ

など計35カ国が参加した。


ドン「同盟を組む、というのはいいが具体的にはどうするつもりか?ハーゲルとかアトランティアスやニホンは奴らを撃退した実績があるからいいとしてそれ以外の国は役に立つのか?そもそもこの戦争が始まって既に15の小国が奴らに飲み込まれている」


開戦してから既に9週間が経過している。軍事力の低い小国は次々と地図上から消えていった。だが、消えた国はドニラス帝国の予想の範囲内であった。

ドニラス帝国にとって、開戦数ヶ月でどれだけの国が残るか。そこを重視しているのだ。

ドン氏は続けて、


「周知の通り我が国は今3正面作戦を強いられさらに敵軍の主力と激しい戦闘になっている。それは東部戦線だ。特に制空戦の死者率は異常だ。」


東部制空戦。ここでは新兵が1週間生き残ればベテラン兵になれる。

それは、生存率が絶望的に低いからである。

何しろ空中戦艦が落とされまくっているのだ。


ハーゲル戦線


鉄と鉛が支配する世界。日本の指導の元に完成した塹壕陣地はソ連の大軍に耐え続けており、砲兵が耕し歩兵が狩るという戦術のもと、泥沼の戦争をしているのだ。


そして海洋帝国 アトランティアス連邦帝国周辺の海域を巡る海戦もまた激化している。

アトランティアスは豊富な資源、肥沃な大地、気候は温暖という最高な条件が整っているのだ。それ故に他国と貿易する事はあっても軍事同盟を組むという事はしないのだが、今大戦は、突然ソ連からの

「従属か戦争か?」

という最後通牒を受け、戦争に突入したのだ。アトランティアスは海洋国家。海軍力は高く、多くの艦艇を隠していたという事が発覚したものだ。

そのおかげで戦力を見誤ったソ連は海戦で連戦連敗している。

さらにこの国には近接信管も存在しており魔道士や航空機にとってはもう、悪夢が出来ている。

おまけに戦艦や巡洋艦は対空装備マシマシ。

航空機も技術が予想以上に高く、さらにそれをこれまでずっと隠し続けた事に驚いていた。

何しろ、アトランティアス連邦帝国がこの世界に来て既に760年。1回も()()()()()()()()()()()()()なのだから。


まぁアトランティアスが第二次世界大戦アメリカレベルの技術を持っていることを最初っから知ってる日本からすれば1番注意しなければならないのが核兵器を持っているかだが、人工衛星からは核施設らしきものを発見していないため恐らくないだろうと判断している。


これらの国々をまとめねば。

この会議が世界の運命をわける。流子は、腹をくくった。


「まず、敵の情報も必要ですがまず味方を知るべきでは無いでしょうか?なのでまず、我が国の技術力、軍事力、生活や歴史を紹介します。まず歴史ですがこのパネルを見てください」


パネルには日本の歴史がスライドショーとしてまとめられていた。


日本誕生、天皇制の仕組み。そして武家政権の誕生に世界最強のモンゴル帝国の来襲。そして応仁の乱、10年にも及ぶ内戦の後始まった戦国時代。それを平定し200年にも及ぶ平和な時代を築いた江戸幕府。

黒船の来航からの動乱の時代、江戸幕府の崩壊と新政府の誕生。

アジア最大の国清との戦争。そして列強国であるロシアとの戦争。清とは比べ物にならないくらいの犠牲者をだしたが勝利し、その後ヨーロッパのバルカン半島と呼ばれるところで起きた1発の銃弾がきっかけとなった、世界を巻き込んだ第1次世界大戦。

戦後の不況から日本は満州に進出。軍部の力が強まり日本は軍事政権となる。

盧溝橋事件からの日中戦争の泥沼化。ヨーロッパで2度目の大戦が勃発しその戦争に介入。アメリカという超大国との戦争は激しく

珊瑚海海戦、ミッドウェー海戦と、まるでソ連の艦隊みたいな敵と戦い、勝利を収めアメリカと単独講和し、その後ヨーロッパの植民地を次々と解放、属国化しイギリスとの度重なる海戦の末、勝利を収めた。

その後軍事政権は東京革命によって崩壊、日本は民主化し技術発展とともに属国だったアジア各国は、日本主導の元のアジア連邦に組み込まれた。


「ニホンが血塗られた歴史を歩んだのは分かった。そして敵であるソ連がお主らの世界のアメリカみたいな国でありニホンはそれを倒したというのも分かった。だがな、ワシらドニラス帝国も血塗られた歴史を歩んでいる。それも他の国もそうだ。ドニラス帝国の歴史もこの際語ってやる」


ドニラス帝国はここに来る前の世界では、惑星最強国家であった。

ドニラス帝国はドワーフの国だがドニラス帝国ができる前、それは小さな国々があった。

隣国の大国、パルテニアンによる略奪戦争がしょっちゅうありそれに対抗すべくドワーフ人は団結、統一国家の形成を唱えた。

だが誰が主導するのかでもめ、30年にも及ぶ戦争が勃発。荒廃した大地で最後まで立っていたのがドニラス王国だ。

ドニラス王国はその後10年で周辺諸国、計30の国を吸収し最後まで残った国、バーチ王国ととある条約を結んだ。それは、ドニラス王国がパルテニアンを倒した時にバーチ王国はドニラス王国の1部になると。

そしてパルテニアンとの戦争で勝利したドニラス王国はバーチ王国、パルテニアンを併合しドニラス帝国が誕生。ドニラス王国という工業国家とパルテニアンという農業国家がくっついたドニラス帝国は最強であった。

だがこの世界に飛ばされ、突然神聖レミリア帝国というエルフの国に攻められ、その後幾度もレミリア帝国と戦争した。

大きい戦争は6回。国境紛争は65回、国境付近での殺人事件は星の数ほどだ。


さらに油断すれば神聖レミリア帝国が攻めてくるため常に警戒しなくてはならず、この戦争でも100%神聖レミリア帝国が攻めてくると踏んでいた。さらに、


「実はな神聖レミリア帝国にはいくつものカナリア、スパイを送っておるのじゃが、そのスパイから先日、奴らに動きがあると報告を受けたのじゃ」


ドニラス帝国は神聖レミリア帝国との国境付近にカナリアと呼ばれるスパイを送っていた。

カナリアの目的は、普段は一切スパイ活動をせず正体を隠し続け、レミリア帝国が軍事侵攻の兆しがある場合のみ報告させているのだ。

先日、そのカナリアが一斉に鳴いたのだ。間違いなく奴らは数日後には攻めてくるだろうと。


「さすがに今のドニラスには奴らと戦うほどの余裕はない。だからニホンの案には賛成じゃ。アトランティアスはどうじゃ?」


アトランティアス代表ガドラ


「ニホンの案はいいが、その同盟、我が国は参加しません」

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