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例え世界が変わっても  作者: パピヨン
第一章 国家転移
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3話 2つの国

リグルード王国


王宮はパーティーのように騒がしくなっていた。それも


「国王陛下ーオストランド半島にて外国の船が来たした!なんでも国交を結びたいとの事ですが。」


「して、どこの国だ?どんな船だ?」


「は。アジア連邦ニホン国という国みたいです。船は、帆が付いていない鉄の船で、全長100mを超えており、非常にデカいです。」


前代未聞。

王国にある海軍は全て帆船。大きいやつでも全長50m程度だ。

帆のない船。帆が無くても動く船という事は、ニホンという国は少なくとも我が国より遥かに技術が進んでいるという事だ。

なにを動力にしているのか気になる。


「そのニホンは国交を結びたいと言っているのだな?」


「ええ。」


「なら、私が行こう。この目でその船を見たいからな。ワイバーンを用意しろ」


「えっと、国王陛下がワイバーンに乗るのは危ない」


「大丈夫だ!わしはな、昔ワイバーン部隊にいたのだぞ?」



場所は変わりオストランド半島にある港町、オーズウェル。

ここは調査団やユグドラ共和国(?)との貿易で栄えているらしい。先遣隊の話によるとだが。

街並みは中世ヨーロッパ みたいだ。日本にあれば間違いなく世界遺産に登録されるだろう。フランスのどっかの街並みに似ているからね。ここに派遣されたのはこの私、中嶋 流子(26)。今の感想は、とりあえず、


吐きたい。船酔いした。いや、船酔いしない方がどうかしてる。

今乗っているこの船。たしか海上保安庁の旧式駆逐艦秋風を最新のジェットエンジンぶち込んで見たら速度むっちゃ早くなったぜ。ただし船が揺れまくるっていう、失敗船だ。どこぞのミサイル艇より揺れる揺れる。それにアホみたいに燃料を食う。海軍技術局はたまにぶっ飛んだものを発想しそれを実現する。こうして珍兵器が造られていくのだ。


なぜこの船で行くことになったのかと言うと、例え沈没しても廃棄しても良い船なため損失が少ない。さらに今動かせる、小型の軍艦のなかで1番速く、武装も対してないため(改造の時にかなりの武装を外したという)威圧もしにくいというわけだ。


まぁ確かに、未知の海域だから何が起こるかわからないわけだし。うん。そう考えていたら上空になにか飛行物体が来ていたた。話に聞くワイバーンというやつだろう。鳥の亜種なのか?それとも龍の亜種?まぁそういう方面は私はあまり知らないので深く考えないようにしよう。


そういう事は、生物学者が考える事だ。


オーズウェル上空にきた国王は港にある船をみて驚いた。予想より大きく、さらに本当に鉄で出来ているということ。

さらに、この船1隻で王国海軍は壊滅すると。

王国海軍には列強がもつ大砲なんて無く、弓矢で戦うという原始的な手段しかない。そのため

王国海軍はあってないようなもの。そう周辺国も認めるくらいのものである。王国は陸軍国家。海賊の脅威はあれど、海に対してそこまで乗り気では無い。精々大型帆船 ムスタがあるくらいだ。ここまで差があると実感したことは無かった。その為、


「今すぐに国交樹立をすべきだ」


と呟いた。


オーズウェル会館2階会議室

ここに日本の大使と艦長、護衛が3人。それに対して王国側は国王と側近1人と護衛3人だ。

最初に口を開いたのは国王だった。


「遠路遥々とご苦労さま。私はこの国、リードハルト王国の国王、リグルード・フォン・リードハルトだ。リグルードで結構だ」


国王自ら呼び捨てでいい。と言った。それは自分の国より相手の国の方が強いとハッキリと認めたという意味だ。これに対し日本は礼儀正しくお辞儀をする。


「私はアジア連邦日本国の外交官 中嶋 流子と申します。貴国と国交を結びたいのと貿易をしたいのです。リグルード国王殿。」


「すまんがわしはあまりニホンを知らないのだ。ニホンがどういう国なのか説明して貰えるかな?」


リグルード国王はニホンを知らない。だからこそどんな国で、脅威度はどれくらいなのか?列強国並なのか以下なのか以上なのか?それを知る必要があった。

その為この質問をしたわけだ。するとその大使は分かりましたといい、カバンからなにか2つの鉄の箱を取り出した。正確に言えば鉄では無いみたいなのだが。彼女はこれらをパーソナルコンピュータ、片方を折りたたみ式モニターと言っていた。


そのモニターから景色が見えた。列強国にはモノクロビデオという特殊映像があるという話を聞いたことがあるがどうやらそれのカラー版みたいだ。その映像ではニホンの歴史や土地、気候や特産物などが流れた。その中で驚いたことに第1次世界大戦で出てきた兵器は、王国技術を遥かに凌駕するものであり、最低でも準列強国以上軍事力がある事がわかった。さらに第1次世界大戦とは、世界中を巻き込んだ戦争という。そんな戦争をわが国は経験した事が無い。人が人的資源となるような世界にある国。こんな敵に回してはいけない国。そう認識した。さらにニホンは自国を転移国家と言った。


「日本の紹介は以上です。なにか質問はありますか?」


国王は、


「ニホンの事はよく分かった。貴国と国交を樹立しよう。だが、国交樹立にはここのルールがある。そちらの王、天皇陛下と挨拶をしたい。」


「あの、それはいいのですが、我々は転移国家なのですよ?そこ驚かないんですか?」


「そうか。貴方はこの世界のおとぎ話を知らないのですな。」


国王は護衛にこの世界の成り立ち、伝説を話させた。

昔々、知的生命体を有する星を管理している神々は、ある時強さ比べをしようといいだした。だがどうやって比べるのか分からない中、1人の神様は、星の中で1番強い国を1つの星にまとめようと提案した。その結果、大量の国がこの星へ転移した。別の惑星なのに言葉が通じるのは神が「言葉が通じるように」と異種言語会話陣を作った為だとされる。だが言葉は通じても文字は通じないため書籍の翻訳はいる。

さらにこの星の中でも技術レベルが高く、軍事力も高い国は列強国として括られているという。それ以外の国は発展国と呼ばれ普通なら列強国と貿易することすら叶わないものだと。列強国間には独自の国際会議があり、この場で発展国の占領権や分割等を決めることが出来る。

この会議には、列強国に認められた発展国を準列強国と呼び、その国は参加する事ができる。

さらに発展国は列強国にいつ併合されてもおかしくないと言う。


この話を聞いた中嶋は、直ぐに日本にこの事を知らせないといけないと思った。

バハルス帝国

首都 ドロモス 人口3000万人 うらで列強国であるカイザースラウテルン帝国から技術提供を受けている。

リグルード王国を滅ぼすために各国と交渉中。

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