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例え世界が変わっても  作者: パピヨン
第二章 皇国編
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28話 泥沼化していく戦争

気がついたら6月になっていた。

ソ連とハーゲル王国国境

ハーゲル王国はドニラス帝国の南東に位置する、ドニラス帝国と接している国だ


ドニラス帝国と非常に仲のいい国な為、現在ソ連と戦争中。

だが、


日本の参考資料を元に作った塹壕陣地はかなり強力だ。

緻密に計算された塹壕は何万もの敵の攻撃にも耐える。

そう、この国はいち早く日本の技術を取り入れたのた。

旧式の機関銃が何百丁もあり、さらに対戦車壕、少し後ろには野戦病院、対空砲陣地。そのさらに後ろには工業地帯があった。

この工業地帯で弾を作りすぐに前線に補給される。この工業地帯がある限り弾は無限。

だからこそ敵の攻撃に耐えられたのだ。


「ニホンの銃は凄いな。ハーデンフェルとかの銃より扱いやすく威力もあり連射もできる。これが旧式とか信じられねぇ。おまけに火薬。硝石が手に入りにくいから弾はあまり作れない。その常識を壊しやがった。」


日本の最新兵器は輸出禁止だが旧式兵器を輸出してはいけないという法律は存在しない。

そこをついた日本政府は、処理に困ってた旧式武器をこの際ハーゲル王国に売ってしまおうと考え実行した。

兵器は作るのは簡単だが処理に困る。処理に金がかかるからだ。

むやみに棄てると、中東のテロリスト共に渡る可能があったからだ。実際、ドイツやイタリアなどで旧式兵器を適当な処理業者に買い取って貰ったが、その兵器は中東のテロリスト共に密売されその兵器がドイツ、イタリア軍を苦しめるという状態に陥っていた。1番いいのは実践で使用してしまうことだが転移前は特に戦争が無かったのだ。治安維持に使うくらいだから旧式兵器が増えていくだけだ。


「ハーバーブッシュ法だっけ?」


「ハーバーボッシュ法だ。なんでも空気から火薬を作るとか信じられるか?」


ハーバーボッシュ法

詳しく書くと長くなるため省略する。

水と石炭と空気からパンを作るとも言われている。

その理由はこの方法で肥料を作ることが出来るからだ。この方法により食糧事情がだいぶ改善された。そして、

火薬の原料となる硝石は普通、あまり採れない。

動物の糞から作ってたりもした。

だが、この方法を使えば硝石が大量生産できる。

これにより史実では第1次世界大戦のドイツの火薬の国内調達が可能となり戦争が長引いたのである。

悲しかな。ハーバーボッシュ法により食糧が増え、人が増え、戦争の泥沼化が始まってしまった。


鉄も火薬も十分にある。だがハーゲル王国にはうってでる程の戦力はない。その為こうして徹底した防衛戦をしているのだ。

この防衛戦を突破するためにソ連空軍が工業地帯の爆撃を開始しようとしたが分厚い王国の対空砲陣地を突破する事が出来ず今に至る。


地形も砲撃により変わっており草木も枯れる状態だった。



まるで第一次世界大戦の西部戦線のようだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


硫黄島での戦闘は決着がついた。ソ連上陸部隊の半壊から撤退を開始。追撃戦の結果、

ソ連軍死者数 35万人

日本軍、中国軍死者数 460人

と日本、中国の大勝利となった訳だがこれは陽動だった。

これが陽動とかもう笑えてくる。第二次世界大戦の日本なら間違いなくこの陽動に引っかかったどころか硫黄島は確実に落ちていただろう。


敵の本命は、ハーデンフェル皇国の沿岸都市、リーザ

中くらいの都市だが、元皇国海軍主力艦隊の停泊地だった為しっかりとした軍港がある。

そこに奴らは上陸した。


皇国海軍は壊滅した(日本が壊滅させた)

皇国には日本軍の駐屯部隊がいる。



「現在、我が軍の北方方面軍が皇国に移動している。それまでの遅滞戦闘がこの駐屯部隊だ。」


と簡単に言う細田守。


「この駐屯部隊って2千人ほどでしょ?敵は推定50万。敵の武器は槍や弓、剣ではなく銃。モシン・ナガンに似た銃なんだろ?」


と反論する荻田中将


「荻田中将の言う通り、普通じゃ不可能だ。だが彼女ならできる。彼女は、浅田 かおる は、化け物だ。」


浅田 かおる

年齢は28歳と若いが、色々な伝説を作った。

曰く、殿(しんが)りは敵陣に突っ込むべし

曰く、特戦隊や空挺部隊、特殊部隊よりも過酷な訓練をやる

曰く、敵にしたら恐怖でしかない

曰く、ライフルでジェット機を撃ち落とす事が出来る部隊を作った。


と。

そんな彼女が作ったこの駐屯部隊。治安維持が主な任務のはずだが、空挺から上陸、戦車、ヘリなどの操縦に遅滞戦闘、冬季行軍、寒中水泳などなんでも出来る部隊だ。

なお訓練内容はあまりにも過酷な為、受ける前に遺書を書くというのが定番だ。何故か?

死亡する場合が稀にあるからだ。

そんな部隊だ。遅滞どころか、逆に勝つだろうと考えてしまうほどの人物だ

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