2話 リグルード王国
リグルード王国 マウストラ大陸で3番目にでかい国。賢王であるリグルード・フォン・リードハルト 通称リードハルト王。
国王に即位して以来、飢餓に陥いり、さらに経済崩壊寸前だった状態を、食料大改革により食料自給率を10年で250%まであげ、さらに経済を建て直した。さらにリンゴに似た果物であるポールの品種改良に成功。暑く、痩せた土地でも育ち、標高が高くても育つ。さらにその果実はみずみずしく、甘く美味い為、各列強国も輸入しており大儲け。さらにこの植物の最大の弱点は最低気温21度を超えなければ育たない上に、根は水脈まで深く伸びる。根が深ければ深いほど甘くて美味しい果実になる。
根は最長100mを超え、ここでしか育たないのだ。その為他国で栽培されることは無い。金の成る果実と言えよう。
これらによりリグルード王国は大繁栄を築き上げたのだ。
王国会議室 国王と外交官、軍務官、農林大臣、水産大臣、労働管理官が集まった。
国王が号令をかける
「いつもの定例会議を始める。まず外交官から外交状況の説明を」
「は。現在1番危ない隣国のバハルス帝国との外交はまた失敗しました。やはり国交樹立は不可能でしょう。」
隣国の帝国 バハルス帝国は裏で列強国と繋がっており、列強の力を借りて周辺国家を飲み込んでいた。このマウストラ大陸の統一を宣言しており、残った国は我が国だけ。その為いつ攻めてくるかわからない。その為前王は国防のために軍事力を優先し食料生産地を次々と武器の製造場に変えていった。
その為飢饉が起きてしまったのだ。だが現在、ポールの輸出により他の列強国との繋がりを持ち、なんとか外交で他国が我が国に手を出すことが出来ぬようにした事で、現在のようにバハルス帝国は侵攻できないでいた。
「それと南方の島国、ユグドラ共和国と貿易協定を結ぶことに成功。これによりゴムが安定して輸入できます。以上。」
馬車の車輪にゴムを付けると、振動が軽減されさらに道が悪くても車輪が壊れる心配が無くなることが昨年判明。だがゴムが足りない。その為ゴムの生産地であるユグドラ共和国とは仲良くなりたかったのであった。
「次は軍事力について説明します。現在装備の更新はほとんど進んでおらずほとんどの部隊は旧式装備です。食料生産に注力しすぎた事が原因だと思われます。現在の軍事力では、帝国と戦争すれば3週間しか耐えれません。」
「そうか。ではそろそろ本格的に再軍備するとするか。ただし、前王と同じ轍は踏むなよ。」
「もちろんです!」
その後、農林大臣や水産大臣の報告が続いた。そこはとくに変わったところもなくいつも通りであった。
会議が終わる直前に軍務官が口を開く。
「実は先日、我が国のオストランド半島のスズネ岬にて鉄の鳥が浮いていたという情報がきました。目撃者は12期調査団24名と付近で訓練していた第8ワイバーン部隊です。鉄の鳥はスズネ岬周辺をしばらく飛んだ後、南東へ行きました。」
オストランド半島、王国南部にある熱帯林がある地域だ。調査が全く進んでいないため、たまに調査団を派遣したりしているのだ。そこに鉄の塊が飛んできた?この王国内にある航空部隊はワイバーンと航空魔道部隊だ。前者は数はあるものの、後者は数が少ない。2個部隊しかいないのだ。
賢王は鉄の塊に心当たりがあった。
「たしか、ユグドラ共和国に鉄の塊みたいなのがあったぞ。以前文化交流で見たことがある。それではないのか?例え違っても我々にはあんなものを作る技術はない。そいつらがもし上陸してきたら決して殺すなよ。丁重にもてなせ。」
「は!」
賢王は心の中で呟く
「さて、その鉄の鳥はユグドラ共和国か列強国か。どちらにせよ、対応を間違えればこの国は滅びる。列強国との技術レベルの差がありすぎる。小国というものは辛いものだ」
◇◇◇◇
日本
謎の地震から既に1週間が経過していた。この1週間で分かったことは、衛星写真からここは地球ではないこと。
さらに名古屋を中心におよそ半径2000±300㌔の範囲の土地が転移したという事。さらになぜ転移したのか?転移した方法、帰る方法全てが分からなかった。さらに様々な問題が発生。食料問題に資源問題。漁業は既に壊滅。魚の高騰も起き始めている。食糧不足もまもなく起きる。
資源面ではとくにゴムやアルミなどが足りない。備蓄はあるが持って1年である。石油は幸いな事に満州にある油田やメタンハイドレート等があるためなんとかなる。
そんななか、嬉しい1つのニュースがきた。
南西2000㌔先に陸地あり。さらに人がいる模様と。
早速我々は調査団と国があるなら国交を結ぶために外交官を派遣することにした。
国家データ
リグルード王国 面積はフランスの2倍。4分の1を占める砂漠と4分の1を占める山岳地帯がある。人口は1080万人。
首都 ワルシャ
王家は1120年続く
現在農業国家。
ユグドラ共和国
南方にある島国。国交を結んでいる国は近隣国であるリグルード王国のみ。その為ほとんど全てが謎に包まれている。飛行機があるという噂もある。なおゴム資源が豊富。