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例え世界が変わっても  作者: パピヨン
第二章 皇国編
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43話 クーデター3

8時30分


ウェスタニアニュース


「現在、皇国軍は、国家反逆罪及び国家転覆罪の疑いでセントラルニュースへ強制捜査を開始しました!皇国史上初の、軍による民間企業への強制捜査という異例の事態。これに対し、1部の市民が反発しており〜」

「1部地域では、軍と反発した市民が対立していると」

「見てください!この明らかな軍による弾圧に対し抗議した市民へ軍は銃口を向けっ、な、何をするんですか!撮影をやめろ?生放送ですよ!私たちはこれを、や、やめ」


全国放送された軍のこの行為は、国への不満が爆発する事となる


◇◇◇◇

9時 マクラーレン卿は次々と上がる報告に恐怖していた。


共産党の支部への潜入及び、摘発の準備は整えていた。だが、本部は発見できず。

以前から目星を付けていた左派勢力の危険分子も概ね摘発する。


軍のセントラルニュースへの強制捜査は、各新聞社への脅しとしても有効として判断していた


多少、反発勢力が出てくる事は予想していた上に、むしろそれらをあぶり出し、共産党本部の摘発まで狙っていた。


それがどういう事だ?共産党支部や数多の政党、市民団体が抗議活動を開始。各新聞社は軍への批判報道を始めた。

更にそれを抑えようと暴力行動を起こす軍。


軍が完全に悪者として扱われている。


こうなるはずではなかった!マクラーレン卿の筋書きから完全に外れている。


「八咫烏は今すぐに各新聞社へ行き、この報道を止めるように伝えろ。止めなければ、不正をばらすともな」


マクラーレン卿子飼いの諜報機関、八咫烏は、各新聞社社長の不正行為や不倫等の情報を掴んでいた。故に、これを使うことでこれまで各新聞社への情報統制ができていたのだ。

表は皇国軍と憲兵が。裏は八咫烏が支配する。


だからこそ、自由に国を動かす事が出来、だからこそ国が発展してきたのだ。


だが、マクラーレン卿の指示は、部下の報告によって予想外のことへ繋がる



「各、新聞社社長は既に...」


◇◇◇◇

ウェスタニアニュース 皇国中央から西部へ幅広く新鮮な情報を届ける事を社訓にしているこの会社は、皇国4大報道機関の1つとして君臨していた。


「絶対にこのネタは手放すんじゃねぇぞ!死ぬ気で報道しろ!」


ビター()()()は、大声で発言した。


「前社長の不正行為を暴き、追放して直ぐに舞い込んだこの特ダネだけは絶対に手放すな!」


ビター新社長は、3日前にとある軍人からもたらされた前社長の不正行為における各種証拠を手渡され、それを使って社長を追放したのだ。

会社の不正は、本日の朝刊にトップとして報道。3日前に追放したとはいえ、今日が正式な社長の就任。会社の信頼は地の底に落ち、ビター新社長と共に経営の改善に務め、徐々に信頼回復へ繋げていく予定だった。


だがここで突然降って湧いた、軍によるセントラルニュースへの強制捜査。

セントラルニュースはあまり大きな会社では無く、社会的影響度は低い。


だが、このあまりにも横暴すぎる強制捜査はニュースになると判断し、大々的に一番に報道した。生放送で。


するとどうなったことか。軍の横暴な行為が生放送として中央部、西部へ伝えられ、各新聞社も追従し軍の非道な行いが次々取り上げられる。

それこそ、朝刊にあげられた我社の不正行為の話題が消え去るくらいには。


更に驚くことに、他の大手新聞社も次々社内の不正の告発と、前社長の交代を宣言していたのだ。


「全く、偶然とは恐ろしいものだな。いや、これはあの軍人の差し金か? 考えたくないものだな」


チラつくのは、先日、とある女性軍人が訪れたことからだ。


....


「ここに社長の不正行為の数々の証拠がある。数日後にこれらは世に出回ることになる。不正を揉み消す事は不可能だが、君たち報道記者として、会社としてどう対処すべきか。わかるわよね?」と、その女性軍人は、証拠の入った紙袋を手渡した。


あれが誰であろうと今はいい。

間違いなく今日は、歴史が大きく動く日だ。そう感じたからこそ、この日に経ちえた事。真実を報道するという記者としての本来の立場に戻れた事に感謝し、絶対にこの事件を報道しきると心に決めた。


◇◇◇◇

マクラーレン卿は、部下の報告書を壁に投げつけた


「なんなんだ!これは!」


マクラーレン卿は、顔を真っ赤にしていた

これまで思い通りに動いていた物が、突然思い通りにならなくなる。

国内メディア全ての社長の不正が暴露され、みな新社長へと交代していた。しかも、こちらの指示に従わないもの達が会社を牛耳っている。とても今から支配下に置くのは不可能。完全に誰かにやられた。


「何者かが、裏で動いている!誰だ!?」


◇◇◇◇

9時20分


セントラルニュース本社


軍は本社にいる人の身柄を全員拘束。90人全てを会議室へ詰め込んだ


見張りとして軍人が数人配置され、それ以外はあらゆる記事の検閲及び、机の引き出しからゴミ箱まで漁り証拠を探し始めた。


「皇国軍、海戦にて敗北!」「日本の攻撃によりローゼンベルク工場が破壊!」


検閲対象の記事が、写真付きで大量に出てくる。


「偉大なる皇国軍が負けるはずがない!この敗北主義者が!」「確定だな!共産主義者の手先だな!」


検閲対象の記事がここまで大量に出てくるのだ。言い逃れは不可能。


「9時20分、セントラルニュースを国家反逆罪及び国家転覆罪の容疑で営業停止処分とする!証拠品は押収の上、基地へ運べ」


軍は、書類を木箱に詰め込み、次々と車両へ詰め込む。

そして出発した。


◇◇◇◇

セントラルニュース本社近く 市民のデモ集団と軍は対立していた

50人規模のデモ集団は、1時間で3000人に膨れ上がり続けている

更に、デモ集団はだんだん過激化し、石を投げ始める者まで出始めた。


「弾圧をやめろ!」「軍は帰れ!」


軍は銃口を市民に向けながら「今すぐに解散せよ!」「解散しなければ、反逆罪及び治安維持法違反で逮捕するぞ」と、拡声器で唱える。


一触即発の状態。


その緊張状態は、たった一つのきっかけで爆発する。


市民の1人が、軍の警告を無視して近付いたのだ

近くにいた報道陣は、望遠レンズでそれを生放送。


軍の1人が発砲し、その市民が撃たれた。

弾は右太腿に命中した


この1発の銃声により、市民と軍が本格的に衝突した

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