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例え世界が変わっても  作者: パピヨン
第二章 皇国編
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39話 国内の問題

令和初投稿。令和平和な年だといいですねぇ(中東は見ない)

日本経済は現在好景気だった。政府の改革により転移の混乱から立ち直りに成功し異世界の魔法技術が入った事による産業革命期以来の大革命期に入ったのだ。魔法と科学の融合、魔科革命。これは常識から何もかも全てを書き換えるような革命であり、梅田事件による影響もあったが、反発もあるが、段々大衆へ受け入れられつつある。

皇国との戦争は終わっていないが、国内経済や国民の意識は確実に前より良くなっていている。

だがそんな日本にまた2つ大きな問題が起きていた。


北条は悩んでいた。1つ目は軍事費だった。


転移する前は軍事費は約5兆円だったが今や20兆円と約4倍に膨れ上がった。原因は簡単だ。度重なる戦争、日本国土の防衛網の再構築、硫黄島や南方の要塞化、軍港の増築や鉄道整備などのインフラ整備。戦車や銃、ミサイル兵器の量産。

それともう1つの問題が、数年前からどんどん酷くなる少子高齢化問題。失業率は国家事業をどんどん増やした事による低下により、かなり改善された。しかし、またいつ会社が突然倒産するかわからないという不安により結婚率が減りつつある。

さらに高齢化による社会福祉問題、これまた大問題だった。

このままいけば政府は赤字からの借金を抱えてしまう。

それだけは避けなくては。


「どうすればいい?」


「消費税を上げればいいのでは?」

「これ以上の増税は国民の不満を考えれば無理だ。既に上げているのだ。税収が増えても支出がそれよりも多ければ意味が無い。」


「軍事費をもっと抑えるべきだ」

「最低限の軍事費がこれだ。そもそも外交に成功していればこんなに軍事費が増えることは無い!」


「外務省のパーティー代を減らせばいいんじゃないか?」

「外交官を招く必要最低限のパーティーしかしてない」


「収入を増やすべきでは?」

「どうやって増やせと?」


会議は踊るされど進まずだ。既にこの会議を6回はやっている。現在陸軍と海軍は食費を削るということをした為飯がだいぶ不味くなっているという。とくに陸軍は食えたもんじゃないとか。陸軍将校曰く、「雀でも食べない米。猫でも嫌がる魚が出てくる日本最底辺を争える食事」だとか。海軍はカレーが出てるだけマシだとか。


「仕方ない。輸出量を増やしつつ、国内への観光旅行がしやすいよう制度を整えよう。」

観光収入を増やしていくほかないだろう。


さらにもう1つの問題があった。それは

国内における外国人問題だった。観光客や、就労として来ている外国人たち。

本土がある中国人や韓国人は帰れるが、フィリピン人やインド人、ドイツ人、イタリア人やアメリカ人などは帰る国がない為に帰国することは出来ない。

旅費が無くなれば働くしかないが、戸籍がない、就労ビザもない。働く事が出来ないためによる、違法就労が相次いでいる。更に、祖国を失った事による悲しみも合間り、自暴自棄になる人達が続出。

彼らが最近暴動を起こしているのだ。強盗、放火、組織的な詐欺犯罪。それの対処だ。


「こうなったら各国大使館の臨時政府案を受け入れるしか無いな」


これまで各国の臨時政府案を却下し続けたのは資源問題と食料、土地問題だったからだ。限られた食料と土地を、日本人よりも優先的に外国人に渡すのはどうなのかという問題に加え、制度上がそれを許さない。

そのため、仮の戸籍として外国人を登録し、日本人と同等に働ける機会の獲得。日本語学校の増設と受講費及び衣食住の最低限の提供を実施した。最近では外国人のみならず、異世界人達も通ってきている。


資源と食料問題だが、現在は資源と食料は解決している。石油、鉄、アルミなどの多くは満州や中国にある。また日領となったオストランド半島の岬ではかなりの量のボーキサイトが見つかった。問題はゴムだがこれもゴムが豊富な国、ユグドラ共和国との貿易が出来ているため解決している。

次の問題は土地だ。近いうちに王国からオストランド半島全域を購入する手続きが進んでいる。この世界なら、我が国なら余裕で戦争で他国から土地を奪う事はできるだろう。しかし、他国から奪うという事はしない。なぜなら購入と違い奪う場合は維持費が高すぎるからだ。何しろその土地の住民の扱いが難しい。独立運動とかやられるとその対処にお金を使うからだ。それに言語の問題もある。

オストランド半島はその点、日本に比較的近い上に地元民もおらず、未開の地だった為にかなり都合が良かったのだ。


会議終了した後、各国大使館の臨時政府案を承諾し各大使館は臨時政府を立ち上げた。

外国人コミュニティの公認と及び支援により、暴動は減少していった。


日本に平和が訪れた...

そうみなが感じていた頃、1つの知らせが内閣に届けられた。


「皇国旗を掲げた正体不明の航空機が小笠原諸島を通過!敵の進路予想から目的地は、東京です!」


◇◇◇◇


その頃

ソビエト社会主義共和国連合


「レッド計画の開始だ」


そう、笑う髭面の男は手を叩き放った。

その合図と共にソビエトは南方にある23の小国に宣戦布告、侵攻していった。

次回、東京決戦!どうやって小笠原諸島まで皇国が来たのか?

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