表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
例え世界が変わっても  作者: パピヨン
第二章 皇国編
26/91

23話 バハルス戦

開戦直前

皇国参謀本部


「ゼーレヴェ作戦概要を説明致します」


エドナー准将は作戦概要を話す


「まず、我が国とバハルス首都へ続く街道は主に3つ。西の山岳地帯麓を通り、バハルス首都後背を付けるバーニア街道。東の沿岸部を中心に通るラーニャ街道。そして、最短距離で続く中央のセントローレンス街道。

西のバーニア街道は道が険しく、補給に難あり。東のラーニャ街道は港が多いため補給はしやすいが、敵の防衛拠点や厄介な地形が多いため、攻略に手間がかかります」


海軍の艦砲射撃があれば、いくつかの敵拠点は吹き飛ばせるが、道路の復旧作業に時間がかかってしまう。

それに対し中央のセントローレンス街道は、国境付近に城が点在してるが、それさえ超えれば平野と、大きな川があるくらいだ。

川の河口を抑えれば、補給に使うことも出来る。


難しいことは無い。


「故に、進軍するならセントローレンス街道。最初の城さえ攻略すればすぐだ。」




皇国軍は、現地の抵抗を想定していない作戦を実行に移してしまった...


◇◇◇◇


(どうして!どうして戦争を選んだの!日本との衝突してしまう!)


アレクシアは、天子 父上の部屋へ駆け込む


「父上、どうしてバハルスと戦争をするのですか!?」


天子は部屋で本を読んでおり、急なアレクシアの訪問に驚き、本を閉じる。


「なんだ、貴様か」


天子は、アレクシアの幾度ものこの訴えに呆れ、半ば避けていた。それでもアレクシアは諦めずに来るのだ。


「何度も言ったであろう。我が国の、偉大なるハーデンフェルの栄光の為だ。戦略的にも、経済的にもあの国は必要だ」


軍事にお金をかけすぎているハーデンフェル。それは、確実に経済に悪影響を及ぼす。財務省からはそれを指摘され続けていたのだ。


「それに既に戦争は始まった。貴様も皇族だ。喜ばぬか?皇国のさらなる繁栄を」


「繁栄?衰退の始まりでは?」


天子の目が怒りに変わる


「次その言葉を申してみよ。貴様に国家反逆罪の疑いがかかるぞ」


激怒の目。

アレクシアは、萎縮してしまう。


「ああ、そうだ。貴様の結婚相手をそろそろ見つけねばならぬな。安心しろ。皇国にとって最も利益のあるような縁談にしてやる。光栄に思え」


皇国に女として生まれた以上避けられる政略結婚。逃げられないのは分かっていたが、ついにきてしまう。

「わかり...ました...」


アレクシアは、涙目になりながら部屋を出た。


◇◇◇◇

「アレクシア皇女殿下!」


アレクシアは、自室に帰る途中、男の軍人に声をかけられた。


「はい?」


アレクシアは振り返った。

声の主は、服装から陸軍の将校らしい。


「アレクシア皇女殿下。お初目にかかります。私の名前はエ・ナリ・パウロ大佐と申します。」


赤髪、皇国南方の戦闘民族マレーヌ族の特徴。

20代で大佐ということは、出世株か。

ただ、面識は無いはずだ。


「パウロ大佐ですか。私に何用で?」


「単刀直入に伺います。殿下はこの戦争をどう思いますか?」


これはどういう意味で質問しているのか?軍は天子を支持している。つまり、天子の考え通りに軍は動く。


「皇国の栄光この一戦にあり。ですわね」


間違ってはいない。この戦争の行く末は確実に皇国の荒廃に繋がる。それは確定だ。


「なるほど。殿下の考えはわかりました。ではわたしの考えを伝えます。」



「わたしはこの戦争負けると確信いたします」



アレクシアのあの演説は、無駄ではなかった。ひとつのきっかけを与えることへと繋がっていくのである


◇◇◇◇

密談室。アレクシアは、紅茶を飲みながら、大佐の話をまとめる。


大佐の主張はこうだ。


日本は間違いなく大国。その技術力は皇国を遥かに上回る。最低でもドニラスに匹敵する。

実際に大佐が碧天町でみた日本の力。

アレクシアが演説した日本の都市部の内容。

それは、大佐が伝え聞いた話だけでもその内容が事実であると確信するに至れたのだ。


アレクシアはニホンで変なプロパガンダを見せられた。と軍内では噂だったが、大佐はそれはプロパガンダではないと確信していた。だから一度アレクシア皇女殿下に会いたいと思っていた。


「なるほど。大佐も私と同じ考えという事ですわね...」


「はい。わたしは!アレクシア皇女殿下を支持します。あなたには先見の明がある。未来を見通す力がある。この国を引っ張るなら、あの三皇子より確実にいいのです。」


それはつまり


「私に天子になれと?」


「はい。私はあなた様、アレクシア皇女殿下に忠誠を誓います。」


皇国への反乱。間違いなくそれは皇国を内戦へ繋げるだろう。しかし、このままでは皇国は滅びる。選ぶとしたら前者...


決断する時だ。かおりだってきっとこういうだろう。


「そう...ですか。ではなりましょう。皇国史上初の天子に。」


その時、時代は動いた...



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ