7話 海戦
日本軍主力の大規模攻勢が始まった。戦車が人を轢き殺しながら砲台を潰し、後ろから機械化歩兵で掃討。帝国の防衛陣地はわずか30分で無力化された。帝国軍に戦車を止める方法はなく、蹂躙していった。その後一気に都市まで駆け抜けて行った。
敵は無線ではなく馬を使って情報を送っていたのだ。馬より早い速度で進撃する我々は各所で戦闘が起きても圧勝。
戦車と装甲兵員輸送車のフル活用により平均時速60㌔で進軍しているのだ。まさしく電撃戦。唯一の問題は補給路だが、王国の騎兵部隊が頑張って確保していた。
反撃戦が始まって1時間たった頃にはポツダム近郊に来た。
「よし、ここから先は戦車を使わないぞ。街中で戦車ぶっぱなすのは危険だ。非戦闘員には決して発砲するなよ。」
彼は第3師団の師団長 前田 利通だ。
「車(装甲兵員輸送車)で街に突っ込み司令部を潰すぞ。では、現時刻をもってポツダム攻略戦を開始する!」
ポツダム 帝都に近く、王国に1番近い都市という事もあり駐屯兵が最も多い。帝国軍の4割が開戦前にいる為帝国軍を養うために発展した都市だ。だが王国との戦争が始まったため、ここにいる兵はわずかであり、都市の収入源だった兵が減ったため、いくつかの店はここから出ていった。
そんな都市に、緑色の変わった人が来たのを街の住人は見た。
そいつらは街の中心にある王国方面軍司令部のある建物に入っていった
建物の1階に突入した前田は、部下が先に倒していた敵の死体4体を見ていた。
他のやつよりいい服を来ているためやはりここが敵の司令部だろう。だが、やはり、無線が無い。無線が存在しないという事はそんな程度の軍事力か。
「団長、2階、3階の制圧完了しました!まず指揮官5名の身柄を確保。なお機密書類は既に破棄され、ここも放棄するつもりだったようです。」
「敵はどこに向かうつもりなのか」
「どうやら、王都近郊の海上都市 テラグリジアみたいです」
海上都市 テラグリジア
王都にも近く、各国の貿易船がくる物流の要所でもあるこの都市は王都と同じくらい栄えている。更にここが落ちるとこの前線の補給路が絶たれると言ってもいいくらいの重要地点だ。
「直ぐに本国に送れ!」
「どうやら既に敵艦隊を補足し撃退に出ていると」
王国北部の海域、台湾から南へ約300㌔先に来ていたバハルス帝国海軍 その総数306隻 全てが帆船だが帝国海軍ほぼ全てであった。
「今回の作戦は気に入らん」
そう言ったのは帝国海軍の海軍大将、ホルティー ポツダム
かつての海軍国家 ロスト王国との戦争で海戦を勝利に導いた。
「何故ですか?」
「今回の作戦は都市を制圧する事しか考えてない。補給を無視した作戦なんぞ失敗するに決まっている。」
実際、帝国海軍は帝国沿岸地域しか制海権を取れていない。王国海軍の最強艦1隻に手こずっているのが現状。
そんな中で上陸作戦は成功しても補給は出来ない。その事を軍上層部は考えていなかった。
その時、
「敵艦隊を発見!距離は20㌔先です。いや、で、デカい。なんだこのサイズは?」
王国北部の海域に来ていた日本海軍。あかぎ、かが、ひりゅうの3隻の空母とミサイル艦数隻、駆逐艦数隻の日本海軍第二艦隊だ。
「敵艦総数306 空母なし、敵航空戦力なし、脅威となりうるものなし、これより実弾演習を開始する。弾薬制限なしだ。帰りの海路は第四艦隊が確保している。安心して撃てー」
対艦ミサイルが雨のように敵艦隊に降り注ぐ。ミサイル1発につき1隻沈んでいった。
「実弾演習とはよくいったものだな。」
その頃帝国艦隊ではパニックが起きていた。
「四番艦沈没!奴らのよくわからない物で沈められていきます。あれ1発で1隻が沈んでいる。」
「なんていう命中率だ、どうなってやがる?」
「ダメだ。射程距離まであと20㌔あるんだぞ?辿り着く前に沈む。」
あちこちから絶望的な声が聞こえてくるこの状況を何とかしないと。そう考えたホルティーは
「全艦隊に告ぐ、今回の作戦は失敗、すぐに撤退しろ。広範囲陣形でだ。」
その時、対艦ミサイルがホルティーのいる船に直撃した。
それから数時間後、空軍の活躍もあり帝国海軍は200隻以上を失い、帝国海軍は壊滅した。この海戦での捕虜は2000人に及びその中にはホルティーも含まれていた