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掌編小説集3 (101話~150話)

カップラーメン

作者: 蹴沢缶九郎

自分の子供が産まれた知らせと同時に父親はカップラーメンにお湯を注いだ。


産まれた子供はすくすくと育ち、幼稚園、小学校、中学、高校、大学と進学し、社会人となった。


大人になった青年は、やがて運命の女性と出逢い、恋に落ちて結婚をする。二人の間に子供が産まれ、男は家族の為に仕事に精を出す。


自分と同じように、子供が恋愛をして結婚、孫が出来て、孫と遊ぶ時間が楽しみになった歳に、男は会社を定年退職し、ゆっくりと余生を過ごす。


ある時、老人となった男はカップラーメンを食べた。それは、男が産まれた日に父がお湯を注いだカップラーメンだった。


食べながら、男は自分の人生を振り返る。思えばいろんな事があった。苦しい事は沢山あったが、家族や仲間達に恵まれた良い人生だった。


男の頬を一粒の涙が伝う。


「楽しかったなぁ…。」


カップラーメンを食べ終えた男は、80年の人生に幕を降ろした。


お湯を注いで42048000分で出来上がる『人生ラーメン』はあなたと共に…。

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― 新着の感想 ―
[一言] カップラーメンは人生とともにある。天国の安福さんもそう思っているでしょう。
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