同じじゃなかった
「ん…」
「よっ。やっと起きたみたいだな。」
って変態------!!
バシッ
「痛ってー。なんでビンタすんだよ。俺の顔にキズができたら、晴翔がやられたって言って、騒ぎになるからやめろよ。せめてさ、引っ張るくらいにしてくれる?」
「いけないのはそっちでしょ?なんで起こしてくれなかったの!?しかもベッドの中に入ってるし。
とんだ変態だろ!」
寝ている間に、布団もぐりこんでくるなんて!!そっちが悪いです!!
あ…スイッチがOFFになっちゃった。まぁいいか。
「こっわww」
「ぶっ叩くけどいいの?」
「あー。はいはい、すみませんでした」
私は思い切ってあの話題を切り出した。
「「あのさ。」」
2人同時に言った。
「わ、わりぃ。お前から言えよ。」
「え、?あぁうん。」
私は深呼吸をしてから…
「晴翔。ほんとはヤンキーなの?」
晴翔はうつむいて少ししてから…
「…まぁ。お前と似てるけど、俺、友達がなかなかいなくて、すっげーいじめられてたんだ。
そんときに今つるんでるやつたちに、助けられたんだよ。それを見たとき思った。俺も強くなりたいって。だからあいつらといるの。」
「あのさ、」
「ごめん。」
晴翔の言葉を遮って私は言った。
「なんで向日葵が謝るの?謝ることなんてないじゃん。」
「そんなことない。私、晴翔とおなじかと思ってた。でも違う。全然違うんだね。
ちゃんと理由があるなんていいね。私は最低なの。このキャラを楽しんでるの…」
「泣きなよ。ぜんぶ出したほうがすっきりするんじゃない?」
「えっ?」
私は泣いていた。知らないうちに。でもなんだか止まらないみたい。
「ふ、ふぇ~~。」
「おまえどんだけ我慢してたんだよ…」
それから1時間は記憶が飛んでいて気が付くと、私は家に居た。
どうやら晴翔がはこんでくれたらしい。
メールでもしておこう。
でもその前に、決意する。じぶんのあのキャラは捨てよう。
ちゃんと自分の顔でいよう。晴翔といるときもちゃんと自分のキャラでいる。
もちろん。あのヤンキーみたいなキャラじゃないけど。
「晴翔へ
今日はほんとにありがとう。家に送ってくれて助かった。
それでね私今のキャラをやめる。普通でいる。いろいろありがとう。これからもよろしく。」
すぐ返信が来た。
「普通のキャラでいるのもいいけどさ。俺にはあのキャラでいてほしいんだ。
俺だけね、俺だけ。否定する権利はないから。
俺といるときは、あのOFFの顔ね。 じゃ、おやすみ 今日は早く寝ろよ」
「…何よ晴翔のくせに… とりあえず明日からは普通でいく。」
そう心に誓って眠りについた。