第73話 恩人
掃除を終えて布団に横たわってから気付いた。いくら自分が寝泊まりする部屋とはいえここにいるのはたったの3日だけ。ここまでする必要はなかったかもな……。
そういえば鳳凰はどこで寝ているのだろうか?掃除用具を取りに行く際にこの建物を探索したが、どの部屋もこの部屋同様埃まみれだった。いくら鳳凰と言えど睡眠は必要だと思うが……
「暇だし外出るか……」
掃除疲れもそうだが、もしかしたら外に鳥の姿で寝ている鳳凰が居るかもしれないと思ったからだ。当然、下心は無い。
外に出て少し歩くと案の定鳥の姿で寝ている鳳凰がいた。起こすと悪いので音を立てないように隣に座る。
「……寝…否…?……」(寝ていなかったの?)
鳳凰は首を少し動かしてこちらを見て言う。どうやら起きていたようだ。
「ああ、今掃除し終わった所だ」
「……早…埃…多…難……」(早いね。埃だらけで大変だったでしょ)
「ああ、そういえば鳳凰はいつも外にいるのか?」
「……肯…住…居…中…私…狭……」(そう、私にはあの建物は小さい)
「人間の姿になればいいんじゃないのか?あの少女の姿。」
「……。」
謎の沈黙が訪れる。
「……幼…女…姿…保…寝…否……」(あの姿を保ったまま寝る事ができない)
……そういえば葛葉が言っていたが妖は人の姿に化けるのにも妖力を使うらしい。確かに寝てる途中に元の姿に戻ってしまうと部屋や建物が壊れてしまうのか……。
「そうなのか……。」
「……闇…力…増……」("闇"の力がどんどん増えている……)
鳳凰は夜空に静かに佇む月を見つめながら呟く。鳳凰の瞳はどこか悲しそうで弱々しく輝いている。
この目だ……。
俺は初めに鳳凰を見た時から誰かに似ていると思っていた。
この目だ……。
悲しそうで今にも消えそうな程弱々しく、その中心には優しさを感じる。
「オルセア様……。」
「……誰…?……」(誰?)
鳳凰に言われて自分が声に出してしまっていたことに気付く。元最高神でミリシア様の父で俺の元主。オルセア様も常にこんな目をしていた。
「昔の恩人だ……」
俺は鳳凰の隣を立ち上がり部屋があるあの建物へと歩を進める。
俺は天使だ。ミリシア様の直属護衛、第二位階天使・レベリオ。
俺の役目はミリシア様と俺達を陥れた犯人を見つけ出し復讐すること。
忘れては……ならない。
レベリオ
種族⋮天使
レベル⋮第2位階(智天使)
年齢⋮???
属性⋮聖
能力⋮反逆者
スキル⋮聖光・狙貫、連弾、裂爆(x)、飛行(x)、聖盾(x)、




