第61話 奴
葛葉は地面に倒れた巨大な熊を見て呟く。
「この熊は恐らくここらの主じゃな……」
「主……、牙王みたいな感じか?」
「そうじゃ、じゃが少し様子がおかしいようじゃな……ここらの妖はどうにも気性が荒いようじゃ」
囲まれた……空にも何体かいる。野良の妖が結託したとは思えない。
「……こいつらもやるか」
「……そうじゃな」
俺と葛葉は夜通しで襲い掛かってくる妖を倒した。100近く倒した頃には朝になっていた。
「これで最後か?」
最後の一匹を聖光で倒そうとするとそいつが口を開いた。
「我らを倒しても終わらんぞ……」
「なんじゃ、理性がある妖もおるのじゃな」
「迷樹海の妖共以外は全て奴の手に堕ちた……」
奴?手に堕ちた?何か裏で起きているのか?
「……奴とは誰じゃ?」
「奴は……」
妖は急に口から血を吹いて倒れた。
「もう死んでおるな……呪いの類いじゃ。」
「だが、そいつの話だとまだまだ妖が襲い掛かってくるみたいだな……」
「土地の主までも操られておるようじゃしな……裏で手を引いておるのは相当な強者、あるいは天使や神かもしれんな。」
誰だろうと俺達が鳳凰の元に行くのを邪魔しているのには変わらない。つまりは敵だ。
「……早く行こう」
「うむ、」
その後も何度か妖達に襲われ、全て倒し、遂に迷樹海の前へ辿り着いた。
「ここが迷樹海か……」
上下左右に捻れた巨木が生え、地面は青く透き通った水が張っており、一歩前が見えない程濃い霧が視界を覆っている。
「ここにおる妖は全て主と同じ程の力を持っておる。用心して進むのじゃ。」
「……わかった」
確かに進んでいるはずなのに同じ場所を歩いている気がする進んでも進んでも目に写るのは巨木と透き通った水。
「迷樹海ってのは名前だけじゃないみたいだな……」
「それにしても全く妖がおらんのう……」
確かにすでに30分は経過しているのに一匹も見当たらない。こちらとしては都合が良いが……少し不気味だ。
「止まるのじゃ、」
下を向いていた俺はいきなり葛葉にそう言われ止まって前を見る。
「……鹿…なのか?」
霧がかかっているせいで良く見えないが、巨大な鹿の頭が浮いている。
カタカタカタカタ……カタカタ…
何の音だ…?明らかにあの鹿から聞こえてきている。しかもなんかこっちに来てないか?
カタカタ……カタカタカタカタ…
レベリオ
種族⋮天使
レベル⋮第2位階(智天使)
年齢⋮???
属性⋮聖
能力⋮反逆者
スキル⋮聖光・狙貫、連弾、裂爆(x)、飛行(x)、聖盾(x)、




