今朝会ったカラスの話
朝っぱらから
カラスがちょこちょこ
僕の後ろを着いて歩いてきて
特に何かを狙っている素振りもなければ
威嚇されるわけでもなく
すぐにどこかへ
飛び去ってしまったけれど
一日の始まりから
縁起が悪いなって
そうじゃなくても重い足取りが
更に重くなって
少し歩いた後
なんとなく悪いことをした気分になって
頭を左右に振った
あのカラスだって
好きで真っ黒に生まれついた訳じゃないだろうし
そもそも
縁起が悪いだの 不吉だのって
長い歴史の中で
勝手に人間が押し付けたイメージだから
彼らにとっては迷惑な話で
まあだからって
積極的に好きにはなれないけれど
嫌な思い出が甦る
呼ばれて行ったら
マジで来たよ、誰だよコイツ呼んだの
みたいな空気を作ってしまった
いつかの集まりを
隅っこで
大人しく気配を殺して
すぐ帰るくらいしかできなかったな
あれ以来その手の集まりには
二度と行かなくなった
それがお互いの望みだったみたいだし
そういえば
あのカラスも
一匹でいた
だけだったな
あいつも
はぐれだったのかな
こうして一日を終えてみると
普段と変わりなかったから
やっぱり僕は悪いことをしたみたいだ
少しの道中を共にしたぐらいで
鼻つまみ者みたいに扱って
勝手に気分を悪くして
明日もし会えたら
謝っておかないとかな
もし明日
同じ場所で会えたとしても
そのカラスが
あいつかどうかすら
僕にはわからないんだけれど