邂逅-後編-
彩月と彼女はホームセンターに訪れて、準備に必要な資材調達をした。買い物は1時間ほどで終わり、その間は会話も弾み意外にも楽しい時間を過ごした。
「養生テープ、白い布、黒いカーテン、あとは......」
彩月はホームセンターを出て、買ったものをチェックする寿柚寿を眺めていた。
彼女の明るい金髪が沈みかけた夕日に照らされている。彼女の整った容姿だから許される髪色だ。
「ん?どうしたの?」
「あ、いや髪の毛の色凄げーなーって」
彼女の容姿に見惚れていたなどとは言えず、不自然な笑みを浮かべてで誤魔化した
「あ、これ地毛だよ!!」
そういうと彼女は自分の長い髪を触って見せた
「おばあちゃんがスペイン人でクォーターなの!だから生まれた時からこの髪色なんだ」
「確かに色素も薄いし納得だ」
彩月は関心したように頷いた。
そして2人は学校への道を歩き始めた、9月夕暮れ時はとても涼しく、心地よい風が2人を包む。
「あのさ、綺堂くんっていつも一人でいるけど一人が好きだったりするの?だとしたら無理矢理ごめんね......」
「いや、別に一人が好きってわけじゃなくて、人とどう接すればいいのか分からない......俺は島育ちで子供は俺一人。島に住んでる人達は全員親みたいなもんだったから」
彩月は本音を彼女に語っていることに気がつき、少し驚くも話を続けた。
「だから、今日一緒に買い物にいって楽しかったよ。誘ってくれてありがとう。」
寿柚寿は笑顔で頷いた。
「こちらこそ、ありがとう。楽しかった、もし良かったら友達にならない?」
「よろしく」と声に出そうとしたその瞬間。遮るようにサイレンが鳴る。
大きなサイレンはまるで緩やかな時の流れを一瞬にして、世界の外側から破壊するかのような不気味さを感じさせた。
「このサイレンは国民緊急避難警報......なんで」
そう彼女が呟いた瞬間。2人の目の前に見たこともない大きな蜘蛛のような姿をした生物が現れた。
刹那、彩月は彼女を庇おうと反射的に手を伸ばすも間に合わず。狂気的な姿をした生物の脚が彼女の腹を貫く。
「えっ」
彼女は貫かれたことに理解が追いつかないまま、大量の血を流し気絶した。
「寿さん.......」
彩月は倒れてきた血塗れの彼女を支える。力が全く入ってない彼女の身体はとても細いはずなのにとても重く感じた。
禍々しい大蜘蛛は黒板に爪を立てたときのような聴くに耐えない高音で鳴いている。
大蜘蛛は次の攻撃のために脚を振り上げる。この攻撃を喰らえば寿柚寿も自分も死ぬと彩月は悟った。
同時に育ての親、シスターセイラとの約束の言葉が脳に直接語りかけるようにフラッシュバックする。
「大事な人をどうしても守らなきゃいけない時、その首飾りを外しなさい」
彩月は思い切り首飾りを引きちぎった。全身の血が沸騰するような感覚に襲われる。次の瞬間、瞳孔は収縮し、全身の筋肉激痛が走る。
血だらけの女の子を、初めてできた友達を救いたい。その一心で叫んだ。
-絶対にこいつを殺す-




