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10. 青アメーバ狩りまくり

 防衛圏ギルドの前で、俺キャラとミチルが向かい合っている。


「あ、あの、これでスラムの案内は終わりです」


「助かった」


「い、いえいえ……」


 ……。


 ミチルが何やらそわそわしている。


「あ、青アメーバ狩り、頑張って下さいね!」


「おう」


「カッタさんなら、絶対に戦士になれますよ!」


「うむ」


「もし、まだ何か分からないことがあれば、遠慮なく聞いて下さいね! 同じ防衛圏ギルド仲間ですから、顔を合わせることも多いと思いますし」


「ああ、その時は頼むわ」 


「……そ、それじゃあ!」


 ミチルはぎこちない微笑みを浮かべながら、その場から立ち去っていった。


 ……。


 ――ちょ、待てよ!


 とか、言えないよ。


 さすがに、恥ずかしいよ。


 というか、ゲームクリエイターさん。


 そんな、こっ恥ずかしいイベントを、本気でプレイヤーに「声を出させて」やらせるつもりなのかよ。


 ……勘弁してくれよ。


 俺はストレス発散で遊びたいだけで、ゲーム内で女性キャラと本気で乳繰り合いたいわけじゃないんだよ。


 とはいえ、俺はモニター画面に映るミチルの後ろ姿を呆然と眺めていた。


 あー……、貴重なおっぱいキャラが去っていく。


 巻き戻しロードでやり直すか?


 いやいや、ロードしたとして、何と呼び止めるんだよ。


 ゲームの女キャラに向かって、告白じみたことをするのか?


 俺の仲間になれよミチル!


 ミチルは俺が守る!


 俺に付いてこいミチル!


 ぐわー、顔から火が出るわ。


 というか、そもそも出会って間もない女性キャラに「俺のパーティーに入れよ」とか言い辛い。


 いや、確かに俺はやりたい放題プレイを楽しんではいるのだが、バカっぽい事はやりやすくても、真面目な事は逆にハードルが高いというか、こんなゲームに本気になっちゃってどうするの的な恥ずかしさがあってだね……。


 ……とりあえず、同じギルド仲間だから、また出会えるとミチルは言っていたことだし、その時にまた考えてみるか。


 今は、青アメーバを楽しく狩りまくって、魔石とやらを稼ぐべや。


 俺は先程、モヒカン筋肉男から巻き上げた装備品を装備する。



 ============================

 ◆名前 カッタ

 ◆職業 無職

 ----------------------------

 ■レベル1

 ----------------------------

 ■体力 8

 ■魔力 0


 ■攻撃 7(↑4)

 ■守備 5(↑3)

 ■魔攻 0

 ■魔防 0

 ■速さ 0

 ■運  0

 ----------------------------

 ◆装備品

 剣

 布の服

 革の胸当て

 ----------------------------

 ◆スキル


 ============================



 別に俺は裸族原理主義者では無いからな。


 良い装備があるなら装備して、魔物狩りを俺TUEE!しながら楽しむ柔軟性も持っている。


 もちろん、時には裸族で狩るかもしれないが。


 しかし、あのモヒカン筋肉男の奴、良い装備を身につけていたみたいだな。


 おかげで、俺キャラが無職ながらも、見た目だけは一人前の戦士になれたわ。


 あと、無駄な出費もせずにすんだ。


 ありがとうモヒカン筋肉男。


 よーし、青アメーバ狩りを始めるか。


 あいつ、薬草を落としてくれるから、回復アイテムを準備する必要も無いな。


 いくべいくべ!


 俺キャラはスラム街を走り抜けると、出口から荒野へと飛び出していった。




 青アメーバどーん!


 俺キャラが剣を振ると一撃で青アメーバが切断されて、景気よく爆散する。


 いいぞー、この剣、特別にスライムスレイヤーと名付けてやろう。


 しかし、モヒカン筋肉男をぶっ飛ばしておいて正解だったわ。


 青アメーバ狩りが、とても楽になったもんな。


 素手だと5発ぐらいは殴らないとダメだったが、今は一撃必殺、じつに爽快。


 スパスパスパ!


 荒野の上で無秩序にうろついている青アメーバにダッシュで駆け寄っては、斬り捨て御免で倒していく。


 ちなみに、青アメーバを倒すたびに、近場ですぐに再出現リポップしてくれるので、攻撃力さえ十分ならば、かなりストレスフリーな稼ぎ方ができるようである。


 無駄にプレイ時間を稼ぐようにはしていないわけか、こういうところは優しいなクリエイター。


 俺キャラはドロップアイテムも回収しつつ、荒野をあっちに走り、こっちに戻りしつつ、青アメーバを狩り尽くしそうな勢いで狩りまくるのだった。




 ……30分後。


 終わりっと。


 俺キャラが最後の200匹目の青アメーバを斬り捨てて、小魔石を拾った。


 よし、これで小魔石200個以上は貯まったな。


 もともと、都市通貨5万Pほどは持っていたんだが、戦士のジョブクリスタルを買った後に0Pになるのが嫌なので、あえてきちんと青アメーバを200匹分狩って、小魔石を200個集めたのだ。


 ゲームを遊ぶ時の昔からの癖みたいなものだな。


 お金が無くなるのが妙に心細いのだ。


 素材なんかも、イベントで要求されるかもと心配になって、全部売らずに手元にいくつか置いておく癖もある。


 実際、この癖のおかげで、余計なお使いイベントを回避できたことがたくさんあるので、ある意味でゲームあるあるなのかもしれない。


 薬草は13個ほどで、青いぬるぬるは6個ほど集まった。


 ……ん?


 えらく渋い数だな。


 オープニング前の荒野にいた青アメーバは、あっさりと薬草を落としていたはずなんだが。


 あー……、もしかして、ゲームを開始したばかりの初心者用に、体力回復アイテムを多めに落とす設定にしてくれていたのかもしれないな。


 プレイヤーが開始直後にコントローラーを投げ出さない為の救済策というやつだ。


 そして、今の渋い感じが普通のドロップ確率なのかもしれない。


 それなら、もっと狩っておけば良かったか……、いや、どうせただの薬草だしな。

 足らない分は買えばいいだろう。


 さて、アイテムドロップ確率に関しては納得したのだが、もう一つ気になることというか、もはや大問題ともいうべきことが判明してしまった。


 なんと、青アメーバを200匹もぶち殺したのに、俺キャラのレベルが1つも上がらなかったのだ。


 敵を倒す→経験値ゲット→レベルアップ。


 という基本システムでは無いということなのだろう。


 ああ、説明書を読むのが面倒くさい。


 ミチルが居たら聞けたのになー。


 居なくなって初めて分かるミチルの便利さだな。


 まー、とりあえず、小魔石が貯まったことだし、防衛圏ギルドで都市通貨に換金してから、戦士のジョブクリスタルを購入して、ギルドに加入させてもらうか。


 俺キャラがスラム街へと向かって、荒野の上を一直線に駆け戻って行くのだった。



※ここでの応援方法は、ブックマークと高評価(下に☆ボタンあります)を宜しくだぜ!


書籍化・コミカライズ依頼を頂くも、あまり興味がわかず受けてません。

こんな変な作者も存在するから、続きが読みたいなら応援はしておこうな!

失ってから大事なものに気がついても遅いんだからね!

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