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カエルが三匹

下らない話をしろ?

ふむ

ならば三本首のトカゲを追い散らした話でもしてやるか


随分と昔だがな

主人様とカエルをみていた時のことだ

何やら舞台劇の様なおどろおどろしい声が聞こえてな

「我は破壊」とか言っていたかな

まあそれが余りにもわざとらしくてな

どこのいたずら者だと思い辺りを見回すと、星の海の遥か向こうに汚い金色の三本首トカゲが見えてな

こちらは間に合っていると答えたのだったか

いや違うな

あっちもこっちも破壊だらけだから結構と言ったのかな

まあお引き取りを願ったと言うやつだ

何せ草木は岩をも割って育ち

虫はその葉を食い散らかし

鳥は虫をついばみ

獣は鳥を狩り殺し

土は獣を腐らせ飲み込み

草木は土から栄養を吸い上げる

この大森林は誇り高き破壊者には事欠かんだろう?


私の返答を聞いた三本首トカゲは一直線にこちらを目指してな

やれやれと言うところだ

こちらはいつカエルが飛ぶのかと

主人様と二人、実に興味深い時を過ごしているのだ

2、3度警告はしたぞ

それでもこちらへ向かうのをやめぬからな

ひと吼えしてやった

三本首トカゲは原子も分子も残さず消し飛んだよ


どうだ?

つまらんだろう?


何をしたかだと?

今言ったろう

吼えたのだ


ん?わからんか

うむ

やって見せてやりたいのは山々だがスズがうるさくてな

アレ曰く息子が真似をするからやめろと

アレは私の勇ましい遠吠えをゲロビームなどと言うのだ

やってやると息子は喜ぶのだがスズがな

汚いと言っては真似する息子共々頭をな


もういいか?

私は暇だが忙しい

そろそろ息子が昼寝から目を覚ます

ではな




実に興味深い話をサラリとされたワンワン様は、私の質問など受ける事なく何処かへと消える

実に惜しい

大森林の歴史の一端を垣間見れるところだったのに


まだ冷めぬ茶をすすり屋敷の庭を眺めているとワンワン様が幼子の手を引き庭に現れる

子供は何かを見つけたらしく、下を向いて指をさし、その何かを追いかける様にちょこちょこと飛び跳ねる

するとワンワン様も同じように飛び跳ね始めた

カエルが三匹だな、などと思いながらそれを眺めているとスズ様が茶の替えを持って来てくださった

今日はスズ様にもお話を伺う予定なのだ


スズ様と一言二言話し

しかし元気なお子様ですねと言うと、まるで台風ですと笑う

中々魅力的な方だ

ワンワン様に目を移すとカエルに続いて小池に飛び込もうとする子供を焦って抱き抱えていた

すると子供はワンワン様に何かをねだったようで、ワンワン様はそうか?そんなに見たいか?と嬉しそうに答え天に向かい口を開く

するとワンワン様の口がバチバチと音を立て真っ白に光り輝き

そして飛んできたティーカップにその口を塞がれた

「何度もやめてといってるでしょうに!」

怒鳴りつけるスズ様とうるさそうに口にハマったカップを外すワンワン様

子供は「かぁ」と言いながらよちよちとスズ様に駆け寄ると、ワンワン様を真似て口を開けて上を向いて見せる

スズ様はため息をつくとその口に茶菓子をひとつ放り込みその子を抱きかかえ

「とぉ」とワンワン様を呼ぶ我が子を見てまたため息をついた

「まったく、ワンワンも口から何を吐いているんだかわかったものじゃない」

そう吐き捨てるスズ様から、ほれほれ父の方が良かろうと嬉しそうに子供を奪い取るワンワン様


スズ様はワンワン様の毛で遊ぶ子供を横目に、くだらない話しが聞きたいのでしたねと私に声をかけた

私は笑ってもう十分ですよと答える


もうこれ以上は必要あるまい

何せこの上なくくだらないものを見せていただいたのだから

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