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残念シスコン王子様  作者: ちゃんくろ
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プロローグ


初めまして、ちゃんくろです。


これはちょっぴり残念なシスコンとその妹の物語です。


それでは、どうぞ!


 あの子は俺の太陽だ


 自分に居場所なんてない、誰も俺のことなんて見ていない、誰も俺のことなんて必要としていない。そう思い込み、心を閉ざしていた俺の中に射し込んできた優しくて暖かい一筋の光


 俺に生きる理由を与えてくれた光。この光にどれほど救われただろうか…きっと言葉だけでは言い表せないのだと思う。


 その光を与えてくれたあの子に報いようと思った。


 そのために強くなった、あの子を守るために。勉学に励んだ、あの子に必要な知識を教えてあげられるように。


 今の俺はどれだけあの子に報いることができただろうか?……きっとまだ、与えられたものに比べると、ちっぽけなほどなのだろう。


 俺はまだあの子に恩をまったく返せていない…だから、もう少しだけこのままでいさせて欲しい、あの子が自分のもとから離れていくその時まで……



 /



 太陽は残酷だ。


 その光に魅せられて近づけば、暖かい光はやがて自分を拒絶しているかのような灼熱の光に変わってしまう。その熱に耐えて近づこうとしても、届くことはない。それほどまでに遠い存在…あの子はどれだけ近くにいても、決して触れることのできない遠い存在なのだ。


 どうせ触れることができないなら、遠くに行ってしまいたいと何度も思ったが、あの子の光が俺を魅了して、逃げることを許してくれない。


 そして、いつかあの子が他の誰かのところへ行ってしまう時……再び俺の心に暗い夜が訪れる時、俺は笑顔でその日を迎えることができるのだろうか?…その先の自分はどうなるのだろうか?


 きっと、その答えはその時になるまで分からないだろう。



---



 あの人は私の憧れの人だ。


 頭が良くて、いつも私の知らないことを教えてくれる。強くて、いつも私を守ってくれる。とても優しくて、いつも私のことを気遣ってくれる。


 あの人は私にいろいろなことを与えてくれる。だけど、私は貰うばかりで何も返せていない。


 何もかもがあの人に劣る私ができることなんて何もないし、きっとあの人が私にして欲しいことなんて何も無いだろう。それがとても悔しくて悲しくて、胸が張り裂けそうになる。


 こんなに苦しいのも、恐らく私があの人に恋をしてしまったからだ。今思えば、もの心ついた時から私はずっとあの人のことばかり見ていた。


 だけど、これは絶対に叶うことはない、許されない想い。そっと胸の奥にしまっておかなければならない。


 そして、この想いを胸にしまったまま、いずれ私はあの人のもとから離れなくてはならない時がくるだろう。


 だけど、その時が来るまではどうか、貴方を想うことだけは許してください……




プロローグは心の中の話になってしまいましたが、次は普通にただのシスコンです。

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