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68.桜花国記(爆弾発言)


 桜花国歴14年2月


 フォートルが亡くなり五十日霊祭も終わり、年を越した2月

 日々変わる事無く、今日も我が家は、朝から賑やかだった。


 「あーっ! あーっ!」


 赤ん坊の盛大な泣き声が、朝から木霊こだましていた。


 「ほ~れほれ、マサキおむつは、替えたのじゃな?」

 「ああ、さっき変えたばかりだよ」

 「ん~、それじゃ、お腹がすいたのじゃな。 どれ、今なら母乳が出るから朝食の前にあげるのじゃ」


 ユキクニを抱き上げあやすアルフィーナは、ソファーに腰を掛けると服をめくって我が子の口元に誘導する。

 すると、今まで泣いていたのが、嘘の様に少しグズリながらも勢い良く母乳を飲みだした。


 母乳が出にくい女性もいるが、アルフィーナは出にくくも無く、出易いと言うわけでもない。

 出せるが量が決まっていて、赤ん坊の一日のミルク摂取量に少々足らない位の母乳が出ている。

 少々足らないので変わりはどうするのかと言うと、この桜花国には、すでに粉ミルクが缶詰で保管販売されているのでそれにお湯を入れて飲ませていた。

 他にもオムツや哺乳瓶、ベビーカーに赤ん坊の服と、数々の物が日本側地球の物を研究・開発されて販売に至っていた。

 こうして子供をもって見ないと気が付かなかったが、俺が優先して開発していなかった物も必要としている人が、先んじて開発し購入出来る様にしてくれて正直ホッとしている。


 いやほら、必要としなければ全く見ることも無い物も有るから……もしかすると、ほかにも多くの物が必要とする所で開発・製造されているかもしれない。

 この世界の、いや、桜花の文明が2000年代の日本側地球に追いついている事に心より感謝するばかりだ。


 「ん? なんじゃ? もうお腹一杯か?」

 「プハッ! アーウ」


 ユキクニは、満足したとばかりに返事を返す。

 そんな我が子にアルフィーナもそうかそうか! と微笑み抱きしめていた。


 ん? 父親はなにやってんだ?って!

 お父さんは、オムツ交換とお風呂担当です!

 家には、女性陣が多いからこれくらいやらないと、全て他の人達がやってしまうので父親の楽しみとして、この2つは俺の担当になっていた。

 さすがに政務中のオムツ交換は無理だから他に任せる時もあるけど、お風呂は一緒に入っている。

 赤ん坊は、頭が重いので頭の部分を持ってやるだけで自然と浮いているので楽なもんだ。


 「マスター、朝ご飯の準備整いました」

 「ああ、ありがとうミナ。 それじゃ皆、席について食べよう!」


 全員が食卓に着いた所で、いただきます! の後でワイワイと賑やかな朝ご飯が始まった。

 他は知らないが、ウチの家では会話も食事を美味しくさせると思っているので会話有りの食事だ。


 「このお煮しめ美味しいー、ミナお姉ちゃん、後で作り方教えて下さい!」

 「はい、良いですよ。 他にも何かお教えしましょ」

 「ありがとう御座いますっ!」


 チャコが、小鉢に盛られた椎茸やニンジン、里芋などのお煮しめを手に取りミナにお願いすると、ミナはすぐに快諾してくれたのでチャコの尻尾が背もたれで勢い良く振られている。

 最近のチャコは、色々と積極的に家事をこなしている。

 もちろん勉学や身体作りも休む事無く励んでいた。


 「チャコは、頑張り屋さんだなー」

 「はい、お父様! チャコお姉ちゃんだから、色々と頑張ります!」


 その嬉しそうな満面の笑みのチャコを見ると、頭を撫でてやりたくなるが、ここは我慢する。


 「うむ、チャコは、もう13歳になったし、シッカリ者だな!」

 「ありがとう御座います。 アルお母様」


 俺と同じく、アルフィーナもチャコの笑みに自然に顔がほころばせる。


 「ふむ……、と言う事は、チャコは2年後に学校卒業なのじゃな」

 「はい……そうです」


 何年も過ごして来た学校の卒業と言う言葉にチャコは、少し寂しそうになった。


 「チャコは、卒業後そうするのじゃ?」

 「卒業後……ですか?」

 「うむ、まだ先じゃが、準備するに越した事は無い」


 俺自身考えもしなかったが、チャコは15歳になれば学校を卒業しその後の進路を決めねばならない。

 はてさていったいチャコは、どんな道に行きたいんだろう?


 そんなチャコの進路が気になり、皆の視線がチャコに集まる。


 「私は……」


 チャコは少しだけ考え込む。

 しかし、すぐに顔を上げると、全員に聞こえる声でハッキリと答えを返した。


 「私は、アルお母様と同じ、医療の分野に進みたいです!」

 「へー、アルと同じ医療か……」

 「ふむ、ウチに来るか……」

 「ダメ……ですか?」


 不安そうな顔で俺とアルフィーナの顔を見るチャコ


 「良いんじゃないか? なあ?」

 「うむ! チャコの事は、任せるのじゃ!」


 アルフィーナに確認すると、アルフィーナも隣で力強く頷いて応えた。


 「わぁー、嬉しいです!」


 嬉しいあまりチャコは、椅子から立ち上がって喜ぶと、後ろで尻尾が大変な事になっていた。


 「ええーーーーーーっ!」


 今まで黙っていた夜空が、突然大声を上げる。

 どうやら、チャコの言葉が理解出来ずに思考停止に陥っていたんだろう。


 「な、何で! 教育関係じゃないんだ? 一緒に子供達に教えたり、教える事を研究したりしようチャコ」


 夜空は椅子から立ち上がり、その勢いのままチャコに詰め寄る。

 こらっ! お行儀悪いですよ!


 「ううん、夜空お姉様、私、アルお母様のお手伝いがしたいの」


 夜空の見るチャコの目には、シッカリとした決意が満ちていた。

 その目を見た瞬間夜空は、それ以上何も言えずに席に戻り「一緒に働きたかったのに」などとブツブツと言いながら自分の席に戻って行く。


 チャコの揺るがない医療の道へ行く決意は、もしかしたら昨年のフォートルの死に起因するものかもしれない。

 ユキクニの誕生に喜んでいたチャコは、フォートルの死に落ち込みしばらく元気が無かった。

 人の死と言うモノを目の当たりにしたチャコは、それをどうにかしたいと考えたのかもしれない。


 なんにせよチャコが、選んだ道だ。

 俺は賛成だし、他に目指したいものが、今後出てくるかもしれない。

 その時は、今日みたいに突発的な話し合いでなく、キチンと向き合って相談にのりたいな……。


 そんな事を思っていた俺を他所に夜空は、ユキクニに向かって何か言っていた。


 「うー、小さい頃から一緒だったのに……ユキクニなら分かるよな?」

 「スー、スー……」


 現在絶賛爆睡中のユキクニは、夜空の問いかけに応える事は無い。

 と言うか、赤ん坊に何言ってんだ?


 ただ眠り続けるユキクニを嬉しそうに見つめる夜空

 子供が大好きな夜空には、何も答えを返されなくても構わないみたいだ。


 そして今思うと、これも1つのキッカケだったのかもしれない。

 あの夜空のとんでもない発言の……。




 そんな日より数日が経過した日曜日

 休みと言う事もあり家でのんびりと過ごしていると、久しぶりアオイがユキクニの顔を見にウチに遊びに来ていた。


 「あらー、すっかり大きくなって」

 「あぅー」


 アオイに抱かれるユキクニを中心にアルフィーナにチャコ、夜空に真白が囲んで座っていた。


 しかし、アルフィーナはともかく、4人の聖獣に囲まれてユキクニは幸せ者だ。

 チャコは半分聖獣だけど……。

 聖獣が4人か……んっ? そういえば……。


 「ねえ、アオイさん」

 「なあに? マサキ殿、アルは子供産んだばかりだからって、私と子作りしたいの?」


 急に何言い出すんだこの人は……。


 「いや、そうじゃなくて、聖獣って他にいないんですか?」


 そう、俺がフと疑問に思ったのは、聖獣が他にもいるかだ。

 もしここ桜花の地に聖獣がいるのであるなら、少なくとも挨拶ぐらいはしておかなければ失礼になるかもしれない。


 「ああ、私達以外って事!?」

 「おい、そろそろ交代しろ! 私もユキクニ抱きたいぞ」


 前にも言ったが、ウチは女性陣が多いのでユキクニの世話も分担している。

 ただし、母親であるアルフィーナは、ユキクニと接している時間を多くしているので1人当たりの時間は思いのほか少ない。

 そのためか夜空は、事ある毎にユキクニの相手をしたがっていた。


 「はいはい、もう、大きいんだから少しは落ち着きなさい」

 「うっさい! バB……」


 抱いていたユキクニを夜空に渡しながら、そんな夜空をたしなめるアオイに自分の子供っぽさを注意され反抗的な態度を取った夜空だが、アオイの顔が微笑みながら凍てつく波動を出すと、その言葉を続ける事をせずにそっぽを向いてユキクニをあやしていた。


 「……えっと、それでどうなんです?」

 「ああっ! ええっと、そうねえ……私が知る限りだと、他に1人だけね。 そうよね真白?」

 「えっ!? ああ! そうですね……私も1人しか知りませんね」


 ユキクニを抱く夜空を羨ましそうに眺めていた真白にアオイが話を振ると、一瞬虚をつかれた様に驚いた真白もすぐに我に返りアオイの答えに同調する。


 「ん? それって黄龍爺こうりゅうじいの事か?」

 「そうなの……と言う事は、夜空も黄龍老こうりゅうろう以外知らないのね」


 夜空もアオイや真白と同じく1人しか知らないみたいだ。

 しかし、黄龍爺? 黄龍老ってどんな人だろう?


 「へー、それじゃ、その黄龍老ってどこにいるんですか?」

 「そうね……昔は、この近くに住んでいたんだけど、結構前に別の土地に引っ越したわね」


 ひとさし指をアゴに当て、思い出す様にアオイは話し出す。


 結構前っていつの事なんだろう? 数100年? 数1000年? まあ、俺が来るまで太陽暦も無かったから無理だろうけど……。


 「引っ越した? 何か有ったんですか?」

 「ええ、この2人がねぇ……」


 アオイは、夜空と真白に目を向けると、真白は耳をペタンと伏してばつが悪そうにし、夜空は無視する様にユキクニのあやしを再開する。


 「はぁー、黄龍老って、私よりずうっと先に誕生した聖獣なの」

 「はあ」

 「でね、私の後にこの子達2人が生まれたんだけど……ある程度大きくなった時にこの子達って、しょっちゅう喧嘩していてね」


 まあ、確かに初めて夜空と会った時も戦いがどうのって言っていたな……。


 「もう毎日、ドッカンドッカンやっててね。 何度黄龍老が2人を注意しても止めないから、黄龍老も疲れちゃってね。 ある日、もう知らん!って何処どこかに飛んで行っちゃったの」


 なんと言うか……いたずらっ子に手を焼いているお爺ちゃんって感じかな?

 どれほど前になるか知らないけど、夜空も真白も若かったんだろうな……。


 「この子達も落ち着いたみたいだし、久しぶりに会いたいわねぇ」

 「黄龍老は今でもご健在で?」

 「ええ、もちろん! 特有の魔力を感じるから」


 俺の魔力に気付いた様にアオイや夜空、それに真白達聖獣は、細かな魔力は感じないけど大きな魔力は感じ取れるらしい。

 そして、今でも黄龍老の魔力を感じ取っているようだ。


 「方向からして……そうね、大エルフ皇国の首都の方向かしら」


 アオイは魔力が感じられる方向と、衛星で取得した世界地図を思い出しながら大体の黄龍老の場所に当たりを付けた。

 どうやら黄龍老は、桜花よりかなり離れた土地に移ったようだ。


 機会があれば今度会いに行って見るのも良いかもな……。


 「みぎゃっ!」


 そんな事を考えていると、夜空が妙な声を上げた。


 「ん? どうした……って! 何やってんだお前っ!」


 夜空と抱きしめるユキクニを覗き込む様に見ると、夜空がユキクニにおっぱいをあげていた。

 もちろん夜空じゃ母乳が出るわけでもなく、先端部から伸びる様にだらしなくなっているのが見える。


 「おっと! 見てる場合じゃなかった。 アル!」

 「ほいほい! どーれ、ユキクニ、ミルク欲しいのか?……んー、違うのじゃ、口が寂しいのじゃな」


 アルフィーナが、殺菌したオシャブリをユキクニの口に入れると、ユキクニはオシャブリをすいながらご機嫌に動いている。


 「夜空、出ないんだからオッパイ吸わせちゃダメだろう。 何でそんな事をしたんだ?」

 「んー、何て言うか……乳を飲ませているアルを見ていたら、自分もやってみたい思ったんだ?」


 服を戻した夜空は、さっき取った自分の行動に考えながら答える。

 少し疑問系で答えているのは、自分の行動に答えがシックリと合わないからだろう。


 「だからって……」

 「あげたいんだ!」

 「でも出ないだろう」

 「出したい!」

 「子供出来ないと、母乳は出ないぞ」

 「じゃあ子供作る!」


 何と言う禅問答……頭が痛くなる。


 「いや……な、作るって1人じゃ無理だろう?」

 「ん? マサキと作るんだが?」

 「「「はぁ?」」」


 俺を含めアオイと真白が、名に言ってんだとばかりの声が出る。


 「喜べマサキ! 夫婦になってやるぞ!」

 「ヨル何言ってんですか! 主様あるじさまと夫婦! どうしてあなたがっ!」


 大声で噛み付つかんばかりに夜空に詰め寄る真白

 その声は、家中に響き家事をしていたミナをメイド達が、慌てて駆けつけてきた。


 「どうかされましたか? マスター」

 「ああ、夜空が変な事を言い出したんだ! なあ?アル」

 「ふむ……」


 夜空を睨みつける真白に聞いてもダメだろうから近くにいたアルフィーナにも話を振るが、アルフィーナは何か考えている様に曖昧に答える。

 どうもその様子がおかしいので、もう一度アルフィーナに問いかけた。


 「アルそうした?」

 「うむ、私は、マサキと夜空が夫婦になるのは、悪い事じゃないと思っておるのじゃ」

 「なっ!!!」


 アルフィーナの予想してなかった言葉に口を開けて唖然とする。


 「え、あ……何言ってんの? アル……」

 「うむ……のうマサキ、お主は今の桜花の種族ごとの人口を知っておるじゃろ」

 「へ? ああ……もちろん……」


 突然の話題に考えが追いついて来ないが、言っている事は分かっているので当然頷いて答える。


 「じゃあ、今一番人口が多い種族は何じゃ?」

 「……獣人族だよ」


 以前報告も上がっていたし、考えるまでも無い話だ。


 「うむ、その次が人族じゃが、その数は他と変わらない位じゃろ?」

 「ああ」

 「私は、年齢以外は人族じゃろ? マサキも」

 「そうだね、色々と違う所もあるけど、おおまかに人族とくくれるね」

 「うむ、じゃが、この国の人口で多い獣人族なのに人族が王と王妃じゃ、いささか問題があるじゃろう」

 「……」


 考えると確かに今の所は、人族の俺がこの国の王様で問題は無かった。

 しかし、この国の人口分布の多くは、種は多少違うとも獣人族だ。

 後々の世代で不平不満が出る可能性もある。


 「じゃから、聖獣である夜空と一緒になるのは良いことじゃ、むしろ喜ばしい!」

 「そんな! ……政略婚みたいな事……」

 「ん? 私は良いぞ、マサキなら悪い気もしないからな!」


 夜空は喜んで応える。

 もしかして、俺が間違っているのだろうか?


 「でも、法律が……」

 「失礼ですがマスター、ここ桜花では重婚を禁止しておりません。 ですから日本の様に一夫一婦制ではないのです」


 わお! 俺の国ってハーレムOKなんだ……知らなかった。


 「……はぁーっ……打算なんて言いたくないけど、夜空はそれで良いの?」

 「だ・か・ら! 良いといっているだろっ!」


 腰に手をあてて少し怒った表情を作る夜空に気持ちは決まっているようだ。


 俺の気持ち? 夜空と生活を共にして気を使ったことも無く、無寧楽しかった。

 言葉遣いは少々悪くもあるが、性格も悪くないし見た目だって良い。

 好きじゃないと言ったら嘘になる。


 「……分かった。 夜空一緒になろう」

 「お 「まっ、待ってください!」 ……う?」


 突然、慌てた真白が、夜空と俺の間に割って入ってきた。


 「あ、主様! でしたら夜空なんかより、わっ、私が変わります!」

 「え? 真白?」

 「ダメだぞシロ! 私とマサキが結婚するのが先だ! お前は、そうだな……その後だな」

 「「はあっ?」」


 俺と真白は共にそんな事を言い出した夜空に目を向ける。


 また、何言い出すのこの子!


 「うむ、真白も加われば王家は安泰あんたいじゃな!」

 「はっはっはー! だろう?」


 夜空とアルフィーナは、なぜか意気投合していた。


 「ちょっとアル!」

 「さっきも言った様に必要な事じゃ」

 「だけど……真白は良いの?」

 「はいっ! むしろ望む所です!」


 真白は鼻息荒く応えると後ろの方で尻尾は、もの凄い勢いで振られて風が巻き起こっていた。


 そんな姿を見たら俺の気持ちも決まっている。


 「……わかった……分かったよ。 2人とも一緒になろう」

 「おうっ!」

 「はいっ!」


 こうして俺は、さらに2人の奥さんを娶る事になった。


 「うん……でもアル、嫡男はユキクニだよ」

 「うむ、夜空と真白、いずれかが男を産んでも長男がおるしな」


 アルフェーナは、自分の胸でスヤスヤと眠るユキクニを優しい目で見て頷いた。


 「それと王位を継いだら、ユキクニにはコレをあげよう」


 無限収納から2本の真っ白な大小の刀を取り出す。

 それは、俺が王になった時に渡された2本の刀だ。


 「この刀……ん? そう言えばミナ、この刀の名前ってあるのかな?」

 「はい、そちらの刀は、名をハバキリと言います」



 無名かもしれないが、この刀を作ったミナに問いかけたが、ミナはすぐに名前を答えた。


 「ハバキリか……変わった名前だね。 じゃあ、その前に貰った黒い方は?」

 「そちらもハバキリですね」


 なんと、どちらも同じ名前なのか!

 少し驚いたが製作者が付けた名前だ、粗略に扱うわけには行かないな。


 「そうか、じゃあ、この白いハバキリをユキクニが王位を継いだ時に渡そう!」


 右手に大小を持ち、左手でアルフィーナの胸に抱かれる息子の頭を優しく撫でる。

 ユキクニは、そんな騒動が起こっていよう泣きもせず絶賛爆睡中だった。



 こうして、第2王妃に夜空、第3王妃に真白を迎えることになった。


 アルフィーナとの初めての結婚から嫡子の誕生、そして夜空と真白との結婚に国中のお祭り騒ぎは年を空けずに続いて行くのだった。


 結婚した翌年に夜空は、男の子を出産

 その次の年には、真白が男の子を産んだ。


 夜空の子には、夜喜よるき

 真白の子には、真琴まことと名付けた。

 2人とも兄であるユキクニの事を支えて行ってくれる兄弟になる。


 その後、国会によって黒龍家こくりゅうけと、白狼家はくろうけの2つの家が生まれる。

 この家はヨルキとマコトのために作られた、王家の分家にあたるモノだ。


 この2家に課せられた使命は、王家を支え本家に嫡子無い時は、各家の当主が代わって王位に着かねばならない。

 ヨルキもマコトも王など堅苦しいモノに着くのを嫌がっており、どちらかと言うと自由奔放な性格のため簒奪さんだつなど微塵にも思っていない。

 王を傍らで支え、隙さえあれば息子に当主を譲ろうと企むそんな性格

 そして、この性格は家系に脈々と受け継がれて行くのだった。


 その後の事だが、のちに誕生する分家の1家を加え3家が、素鵞そが王家のいしずえとなって歩んで行く。

 この3家を市井では、御三家と呼び敬愛して行くのだった。




 アオイ「あら~ん、と言う事は、次私かしらぁ?」


 アルフィーナ「無いのじゃ!」

 夜空「ああ、無い!」

 真白「ありえません!」


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