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63.桜花国記(王庫、予算、資産)


 桜花国歴13年5月


 昼と夜の歓談の差が落ち着き、そろそろ梅雨の足音が聞こえそうなこの日

 俺は、執務室でジェナートとミナから補正予算の内容を聞いていた。


 今回提示された補正が必要な予算とは、もちろん俺が提案した。


 ・海外への工作活動に掛かる外貨獲得

 ・工作機関の設置

 ・各国の人族以外の種族を桜花国へ移住に関する事


 と、おおまかにまとめると、この3点になる。


 これらを今年度から実施するために予算を付けて順次稼動させて行く。


 まあ、今回は特に1番目と2番目の項目が重要なのだが、なぜ3番目の項目も必要かと言えば

 移住先と、既にこの国で行なっていた新たな移住者の生活の生活相談者として先住者を付けるパートナー制の選定である。

 それにもし移住となれば住民登録から始まり、住む場所、生活する場所、働く場所、学ぶ場所と多く社会のスペースが必要になるのだ。


 日本側地球で行なった事を考えると、住む場所は国が与え生活の確保に努めるだろう。

 しかし、これは数が少なく、移民先に帰化する意思を見極めなければ問題となる。


 また、少数ではなく多くの移民が入ってきた場合は、移民集団だけで集まり、先住者とは隔絶したコミュニティーが作られる可能性が高い。

 これは端的に言えば、1つの集団として纏まっていた所に大きな異物を抱え込む事になる。

 先住民としては、その異物に不信を抱くかも知れず、悪ければその2つが衝突するかもしれない。


 他にも、高い給料の先住者を追い出して、安い給料の移民者に入れ替えようとする企業・会社も出てくる可能性だってあるだろう。


 前にも説明したとおり、これらの問題を解決するためのパートナー制であり、社会的壁を作らせないための学校教育なのだ。

 個を集団で迎えて取り込み、学校教育で桜花と言う国(習慣と規則)を学ばせ国家に帰属させなければ、その問題部分は少なくなるだろう。


 などなど、色々と前もって準備しておかなければ、イザと言う時に身動きが取れないので今のうちに予算を付けて綿密な計画をらせておく必要があるのだ。


 「以上が、現在の状況となります」


 ジェナートから説明が終わる。

 どうやら計画は、問題なく進んでいるみたいだ。


 「分かった。 後は、来年に議会で決定してくれれば計画に支障は無さそうだね」

 「はい、現在の世論調査では、賛成が圧倒的でこのまま進めて行くと思われます」


 ジェナートが言う世論調査とは、日本で行なう一般的な質問形式の調査に加え、ネットで気になるワードの検索、閲覧結果や、無意識下の発言や書き込みなどを統計化した潜在的調査の事で、これらを合わせた物が、情報機関から送られてくる。

 誘導質問などを排除しているので調査結果の信憑性がかなり高い。

 そして、今のところ今回の案件について、多くの国民が賛成しているとの事だ。


 ただし、この賛成多数には理由がある。

 それは、現在桜花において人的資源の不足にあった。


 急速に拡大と発展をしていった桜花は、領土あたりの人口がかなり低い。

 これは、もともとの国全体の人口が少なかった事と、長寿種族の出生率の低さにある。

 人口については、数年前まで食料が乏しくその数を増やす事が出来なかったのと、まだ医学的な解明には行き着いていないが、長寿種族においては、その個体の出生率が人族に比べ異常に低い。

 このため桜花国は、国土面積に対して人口が非常に少ない。


 子供は順調に増えているのだが、食料の確保、資材の確保は順調に伸びているが、それらに係わる人員と、行政や研究といった人員も十分とは言えない状況なのだ、

 このため食糧や資材の確保・生産は自動化で何とか対応しており、行政・研究関係の者達は眠らないで日夜仕事に努めている。


 当人達は、好きな事に打ち込めて幸せだと言っているが、身体を壊さないか心配でしょうがない。


 この様に仕事があるけど人がいないので現状なので、ゆるやかに人口が増加しても問題は無いから、今回の提案には賛成が多い一因だ。


 「まあ、人は熱し易く冷め易いとも言うし、長い目で見守るしかないだろうね」


 俺の言葉にジェナートも頷き応える。


 この先どうなるか分からないが、あとは国民次第だな……。


 使う側のジェナートの説明が終わると、次は出す側のミナに今回の補正予算の支出について聞いてみる。


 「マスター、今回提出された予算金額について、王庫は問題なく支出できます」


 ミナが用意した収支報告書に目を向けると、確かに今回の補正予算を含めて黒字の枠内に収まっているようだ。


 桜花の収入は、税金のみで補われている訳ではない。

 その他の部分も重要な収入になっているのだ。


 では、その他とは何かと言えば、資源の販売にある。

 今回の憲法にも書かれているが、桜花の国の土地すべて国に帰属すると書かれていた。

 これは、桜花国の地下資源は国の物であり、個人で所有してはいない。


 これにより国は、金属など採掘権を民間に売って利益を得ている。

 採掘権料は、所得税別で貴金属などの原価に対する数%と、民間への負担を出来る限り軽くしている。


 普通それでは儲からないだろう。 と考えるが、桜花は総合廃棄物処理場のお蔭で出てくるゴミから単体の元素を抽出し民間におろして利益を得ていた。

 もちろんここでも民間への圧迫を避けるために卸値おろしねは、民間での流通価格の3割程度にしている。

 もっとも、純度100%の単元素なので多少高くても精製コストを考えると、そちらを利用する企業も有り、また、国としては廃棄物を分けてるだけなので旨味が大きかった。

 このようにして王庫に収益が入ってくるシステムになっている。


 「うん、問題無さそうだね」


 収支報告書に目を通しながら、お茶を一口飲んだところで俺はある事に気付いた。


 「ん? あれ? ミナ、収支報告書の中で王庫が管理する個人資産が多くないか?」


 王庫が管理する個人資産つまり、桜花国王である俺と、その家族の資産の事だ。

 王様であっても働いているので、その分国からお金が出ているのだが、この収支報告書を見ると随分と金額が増えている。


 「はい、それについては資産のみの収支一覧に書いてある通り、マスターの特許料が、今回多く振り込まれているようです」

 「えっ! なんだって!」


 見ると確かに知的財産として金額が、多く振り込まれている。

 もちろん国に取得税をキチンと支払った金額なのだが、それにしては随分と金額が大きい。


 「特許って、たしか魔障壁や魔石、魔導筋肉、重力制御魔法だよね?」


 特許を扱う機関が近年設置された。

 これは、知的財産の保護を目的としたもので特許を申請した者に特許料が支払われる。

 もちろん申請者が、料金を取らない事も出来、俺は当初これらの技術を無料で公開しようとした。

 しかし、その幅広い利用方法と、建国に大きく寄与した事により先ほど挙げた技術は、国民全体から意見を聞き払える人が払える額だけ払うと、かなり曖昧な料金設定になった。


 まあ、俺としては、1円でも100円でもOKなんだけどね。


 「しかし、こんに大きな額を……大丈夫なの?」

 「はい、それなりに大きなお金の振込みもありますが、どれも収益の1%程度、他も小額で100円などもあります」


 ふむ、言葉は悪いが、チリも積もればと言う感じなのか……。


 「……ミナ、大口の場合は、相手に再考を求めてくれ」

 「かしこまりました」

 「ジェナート、もう一度国民に無理をしない様に周知して欲しい」

 「承知しました」


 お金儲けで申請したい訳では無いから、無理はいけない。


 そう国民への負担を減らす事をまず考えるのだった。



 しかし、この考えを知ってか知らずか、この後、各技術は新たな利用法が発見・申請され

 なぜか王家の資産が増えて行くのだった。


政治、経済音痴の私が書いているので、絵空事と鼻で笑ってください。


まとめると、

・自動化、効率化で現状は大丈夫だけど、やっぱり人的資源が足りない。

 だから他国で暮らす人族以外の種族を受け入れる。 また、その土壌が築かれている。

・王庫に納まる国家予算は、税金(所得税)と、地下資源(金属、魔石など)、それとリサイクル販売(ゴミを資源に変える)

・マサキの資産は、王庫で管理され給料として税金が前出され、+特許料などが入ってくる。


です。

非才の身なので、お伝え出来ない部分が多々ありますが、ご了承ください。

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