56.閑話 秘密会議
お疲れ様です。
今回はネタ回です。
某日某所
何もない真っ暗な部屋に何者かの気配が漂う。
しかも1人ではない。
数名の人か、それに近い者がいるような、そんな気配だけが漂ってくる。
――ブゥン!
「我々の計画も上手く行っている様ですね」
機械的な音と、女性の声と共に真っ黒なモノリスがライトに照らされて浮かび上がった。
モノリスの表面には、「01 SOUND ONLY」 の文字が赤く浮かび上がっている。
――ブゥン!
「そうですね。 まずは、第1段階終了と言ったところでしょうか」
同じ様に機械的な音をたて01の隣に現れたモノリス
その表面には、「02 SOUND ONLY」 の文字が浮かび上がっていた。
――ブゥン!
「まずは、おめでたい事です。 これでご主人様の世継ぎも生まれる事でしょう」
02の隣に現れたモノリスには、「03 SOUND ONLY」の文字
――ブゥン!
「ちょっと待って下さい。 まだお世継ぎが生まれると確定した訳では、ないでしょう」
その隣に現れたモノリスには、「04 SOUND ONLY」が
――ブゥン!
「そうですね~。 お生まれになっても女の子の場合、王位継承権がどのようになるか、分かりませんね~」
04と01の間に現れたモノリスには、「05 SOUND ONLY」の文字が浮かび上がり、その声の語尾がひどく伸びている。
5体のモノリスが部屋の中に円を描く様に配置され、その様子はまるで会議でもしているかの様だ。
「確かに、男の子が生まれると限った事ではありませんね」
01のモノリスから溜息の様に出た言葉は、残念と言った様子に聞こえる。
「日本側地球の歴史を見ると、王は多妻で子供を何人も生ませたとあります。 ご主人様も奥様を1人とは言わずにあと数人は必要ですね」
「「「「確かに……」」」」
03から王族の世継ぎのためにも、子沢山の必要がある事が提案された。
他の4人も賛成し同一の意見の様だ。
「そうですね。 第1王妃だけではなく、第2、第3と王妃が必要ですね。 しかし、それだけでは……」
「足らない……と?」
02の言葉を先読みした01が、言葉を付け加えた。
「その通り。 王妃が多くいれば、そこに対立が生まれるのは、歴史から見て明らかです。 ここは、王族に関係の無い者が、子を産んだ方が良いときもあります」
「つまり妾、それと庶子ですね」
「その通りです。 出来れば権力欲を持たない者が良いですね。 それに奥様が妊娠中、育児中では、事が出来ないでしょうし」
「ふむ、そうですが……我が国は、建国して間もない。 そんな都合の良い女性がいるでしょうか?」
「「「「……」」」」
01の問いに全員黙り込む。
そのような都合の良い女性は、なかなかいない。
いたとしても、その女性に他からの圧力に屈しない財力や精神、それに物理的な力備わっていないと難しい。
それに、そんな力が有るならなおさら、権力に捕らわれる可能性が高くなってしまう。
とても難しい立場になるのは、自明の理だ。
「そうですね、権力を欲するのでなく、それらを跳ね除ける力が有る者、難しい選定になりますね」
04は唸る様に呟いた。
「そうですね~、難しいですよね~。 でしたら、私がなりましょう!」
「「「「はぁ?!」」」」
05からのとんでもない提案に一同から、「何言ってんだコイツ?」と言った様な声が漏れる。
そこには、若干の怒気も含まれているようだ。
「権力を欲せず~、力にも屈しない~、私ならピッタリだと思うのですが~」
「何を言っているんですか! 貴方には、生殖能力が付与されていないじゃないですか!」
05の中身は分からないが、女性の声からして女の人だとは思うが、01の言葉には子供をなす能力が無いようだ。
「そうだ! だったら不肖ながら私が、その任に当たっても構わないぞ!」
「あなたも何を言ってるんですかっ!」
04の突然の参戦に01の言葉も思わず荒くなる。
「それは皆同じですよ~、それに生殖能力は、あのお方に付与して下さる様にお願いしたいと思います~」
「なるほど、それが備われば私にもお相手が出来るのですね」
03は05の提案に考え込む。
「それでしたら、私がうってつけかと思いますが!?」
「くっ! 皆勝手に……私だって出来るんだから!」
さらに02の言葉に01は、壊れ己が参戦も決定し会議は混沌とする。
「私が最初に手を上げたんですよ~」
「いやいや、ここは私に任せてもらおう!」
「何を言ってるんですか? 私がします」
「皆さん落ち着いて! ここは私が適任だと思いますが?」
「私だって出来るんだから! もぉー!」
5体が、全員で声を上げて発言するので、会議はワイワイと騒がしくなった。
そこへ!
――ガラッ!
真っ暗な部屋の隅が開かれ、暗い部屋に眩いばかりの明かりが差し込んだ!
「あなた達、何をしてるんですか。 それにその格好は何ですか」
「「「「「ミナ様!」」」」」
開け放たれたそこには、銀髪の美女、スレンダーな体系のミナが立っていた。
モノリス達は、今まで1ミリたりとも動かなかったのに、ミナが現れるとアワアワと慌てふためく様に身をクネらせている。
しかも、上部には手の様な物が、モゾモゾと凹凸を作っていた。
「スレンダーは余計です。 それで何をやってるんですか」
「はっ、はい! 会議を開いてました」
「会議?」
01の言葉にミナは眉を寄せる。
「はい~、ご主人様のマサキ様がご結婚され、おそらくこの先お子様が誕生すると考えます~」
「それは、当然でしょう。 それが如何したんですか」
マサキとアルフィーナが、結婚しおそらく近い将来には子をなすだろう。
そんな当たり前の事を言っている05の言葉にミナは更に混迷する。
「はい、ですが、マサキ様は王様、王様である以上、お子様がお1人とは、問題があると思います」
「それは、マスターがお決めになる事、もちろん、奥様を増やしお子を沢山作る事を提案しますが……」
ミナは言い淀む。
マサキの事だろうから、王妃を更に儲けるや子を沢山作るなどそこまで精力的に動くとはとても思えなかった。
「それに、奥様が出産や育児に追われた時、マサキ様は男性、男の方は処理に困るかと……」
「た、確かに……」
「その結果、浮気となった場合、色々と不味い事になると思います」
「ッ!!!」
03、そして02の言葉にミナの背中に雷の様な衝撃が走る。
王として不貞は、世間的に問題がある。
昔なら事を隠蔽出来るだろうが、この桜花は、情報が至る所を飛び交う社会
そんな事は出来ないとは言わないが、すると問題が起きるだろう。
「なので、変わりに私が! ……いえ、私達の中から選んで事に望もうかと」
最後の01の言葉を聞き、ミナは目を瞑って考えに浸る。
「ですから、ミナ様には、私達に生殖機能を儲けて欲しいと」
「……たしがやります」
「はっ?」
01の言葉の途中でミナから何か言葉が出たので、01は何かと思い聞き返した。
「私がやります」
その時、ミナの眼はクワッと見開かれ、胸を張り(小さいが)高らかと宣言する。
「あなた達には、まだ早いですから、私なら何の問題も有りません。 ですから私に任せて貰いましょう」
「いや……ですが……」
01は、そんなミナに返す言葉も無く口ごもる。
「大丈夫です。 マスターから最初に頂いた情報である程度把握しています」
ミナは、そう言うと無限収納からアル物を取り出す。
「その情報から、ありとあらゆる体位、そして、ナースやポリスと言ったコスチュームプレイ、義理の妹や女性教師と言った立場プレイなども、それに……マイマスターがお望みなら、束縛プレイや各種道具を使ったプレイなども……」
「あの、ミナ様! この道具類は! それと、ここにある大きな注射器は!」
アワアワとしながらも5体のモノリスは、興味津々でミナの取り出した道具類をいじり出す。
「それは、羞恥プレイで使うものですね。 マイマスターがお望みなら何でも耐え切って見せます」
「いや、ミナ様、それに耐え切ってはダメの様な……」
「大丈夫です。 知識だけはあります。 マスターのお持ちでした情報から、マスターのそういったご趣味も把握しているので問題ありません」
デデーンッ! と言った感じで暗い部屋でミナとモノリス達の会話は、さらに混沌を深めていった。
所変わって、王宮執務室
「ぶえっくしょーーーーんっ!!!」
マサキは、とても大きなクシャミをあげた。
机の上に置いてあったティッシュの箱から数枚取り出して鼻を拭う。
「なんだろう? どこかで俺が変体趣味と言う話題が悪寒と共に伝わってきたような……うぅっ! それに……」
マサキは、身震いと共にある事を思い出す。
「ミナのパソコンの中に入っていた、後輩君のエロデータを処分しようとしたら……」
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
『ミナ、旧パソコンのバックアップは、どこのファイルにあるの?』
ミナの本体を開き画面のミナにマサキは質問する。
『こちらです』
『ありがとう。 ……あれ? 消せない』
目的のフォルダを何度クリック削除しても消えなかった。
『こちらのフォルダは、保護していますので削除や移動ができ内容になっています』
『えっ! でも、削除したいんだけど……』
『こちらのフォルダは、保護していますので削除や移動ができ内容になっています』
ミナは、壊れたレコーダーの様に同じ事を繰り返す。
『いやいやいや、おかしいでしょ! そんな重要なデータじゃないよね?』
『私の知識の一部となっていますので独自の判断で保護しました』
マサキは、頭痛を患ったかの様に頭を抑える。
『じゃあ閲覧も出来ないの?』
『閲覧は可能です』
『えっ! でも、移動は出来ないんだよね?』
『はい、ですが、ここでの閲覧は可能です』
『いやでも、ミナも見てるでしょ?』
『大丈夫ですよ。 分かっていますから』
『いや、そんな、思春期の少年が、隠してたエロ本を親が見つけた時の対応しなくても……』
『なんなら向こうをむいてますし、耳も塞いでますよ』
『そんな気遣い、いらんわーーーーっ!』
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
マサキは、執務机に肘を付き頭を抱える。
「後輩君! 本当にいらん知識を付けさせてくれたな!」
10年以上前の会社に勤務する後輩の顔を思い出しながら、マサキは虚空に叫ぶ。
こうして、そしてこれからもマサキの苦悩は続くのだった。
お読み頂き、ありがとうございます。
次回も閑話となります。




