51.桜花国記(世界状況報告書)
お疲れ様です。
短めですが、今後の物語の展開に重要なファクターなので載せました。
ダンジョンとは何だろう。
ダンジョンと言われて思いつくのは、地中深くに造られた長い迷路の様な洞窟
しかも、そこには数多くの残忍で凶悪なモンスター達
暗闇の中には数々のトラップ
多くの難関を抜けた先に待ち受けるのは、ボスと言われる強敵
そして、ボスを倒して手にする財宝の数々
こんな所だろうか。
御伽噺やゲーム、小説なんかで良くあるシチュエーションだ。
でも、本当にそうだろうか?
私達が聞かされているモンスターは、我々人間より知識と文化が遅れている残忍で凶悪な種族なのだろうか?
なぜモンスターは、長い迷路の様な洞窟に巣を作っているのだろう?
色々と疑問に思わないか?
彼らは、いったい何者なのだろう?
どの様な文化を形成し生活していたのだろう?
そう思う事が、良くあった。
これは、日本に居た時から変わらない想いだ。
桜花国で衛星の打ち上げに成功したあの日、1つの指示を関係各所に出した。
それは、『世界を調べる事』
今の世界は、どの様な文明でどの様な事が行なわれているのか詳細に調査する事
もちろん、こちらの存在を相手に気付かれること無く、細心の注意を払って実行する事を求めた。
なぜそんなに慎重なのかと言うと、そんなの簡単だ。
どんな人物かも分からないのに、こちらの情報を相手に与える事は愚の骨頂だからだ。
守るにしても攻撃するにしても、いかに自分が情報を多くの得て相手に情報を与えぬかが必要となる。
そして指示を出して幾日の時が経った今日、1つの報告がなされた。
内容は、もちろん現在の世界状況を調査した結果だ。
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【報告】
我が国以外の諸外国の調査結果を報告する。
まず我が国、桜花国の種族の分布数上位は、獣人4割強、人族1割、その他が各種族になっており、エルフ族が一番最小になっている。
しかし、現在の桜花国を除いた世界の人口は、およそ4億人
種族の内訳は、人族が9割強を占めており、その他の種族が1割にも満たない数になっている。
このため世界の国としての組織集団は、その大部分が人族で形成されている。
この中に例外があり
それは、大エルフ皇国と称される国がそれである。
我が国から大陸を越え北西に位置するこの国の構造は、エルフ族がその支配体制の上層を占めている。
上層にいる者達は、種族人口が少ないながら長寿である事、知識が人族より豊富にある事、魔法・魔道具の使用・製造に長けている事などが支配体制の礎になっている。
ただし、この支配体制の上層をエルフ族が占めているが、このエルフ族には条件があり、金髪または銀髪である事、瞳の色が緑又は青である事、肌の色が白い事などが条件に提示されており、それ以外のエルフ族は、雑じり者と呼ばれ忌避され、ほとんどの者は市民権を剥奪されて物として扱われている。
この上層のエルフ族は、自分達を純潔エルフと称し貴族階級の中、その支配体制を固めて事が見受けられる。
雑じり者達は、市民権を剥奪されているため、多くの者達は、街の外の生活するには難しい場所で細々と暮らしている観測されている
まだ未確認であるが、雑じり者の中に巫女と称される一族がおり、雑じり者の集団のリーダーの様な存在とされているが、現在調査中である。(ダークエルフ族から確認は取れているが、数百年前の話なので現在の情報を確認するため調査中)
領土としての大エルフ皇国は、我が国の大きさとほぼ同じ大きさだが、植民地を含めると数倍の大きさになり、この世界の大国として存在している。
この大エルフ皇国に肩を並べる大国は、人族国家のケルファルト大帝国がそれにあたる。
帝王が最上位に位置し帝政を布いており、下に大公、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵と言った貴族階級が、大帝国の支配体制の根幹となしている。
(下位に騎士爵などもあるが、ほとんどが名誉爵位で領地等を持つのは稀である)
上記の国家を中心に大小様々な国家が確認されているが、文明レベルはマサキ様のおられた日本側地球に当て嵌めると、およそ13~14世紀程であると推測される。
各国は奴隷制を推奨しており、その奴隷内訳は、人族の犯罪者奴隷、人族の売却奴隷、そして人族以外の捕獲奴隷となっている。
特に捕獲奴隷は、労働力、性処理などの欲望処理対象、美術工芸品としての重要な役割りを果たしており、重宝されている。
(※欲望処理及び美術工芸品については、元服後の15歳以上が対象なので閲覧したい場合は、魔力紋認識を行なう事)
人族以外について、
圧倒的な人族の人数のため、それ以外の種族は住む場所を追われている。
そのため険しい山や山岳地帯の洞窟に多くの種族が入り混じったコロニーを作っている。
人族国家はこれら集落を作っている洞窟の事を“ダンジョン”と呼んでおり搾取の対象にしている事が観測されている。
我が国では、すでに周知の事実だが、人族以外の種族には高い魔素探知能力が本能的に備わっており、洞窟深くにある魔石が放つ魔素に集められたと推測され、これも人族がダンジョンと呼ぶ一因とされる。
※魔石は、人族国家において宝石以上の価値がある貴重鉱石として取引されている。
以上が、現在の調査段階で分かっている内容である。
より詳しい内容は、別途添付資料を参照のこと。
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この調査は、衛星だけで得ることは出来ない。
詳しく知るため、大学と協力して技術開発機関で研究製作された、鳥などの小動物に擬態した諜報システムを使って調査されている。
各種研究も進んでおり今後は、より発展させた小動物より小さな昆虫などのタイプの諜報装置も作られる予定だ。
報告書を読んだ限りでは、追いやられた種族は、平穏に暮らすため人里離れた洞窟などに生活の場所を移動した。
しかし、本能による魔素が濃い場所に移動したため人族は目を付け搾取が行なわれているのだろう。
人族にすれば魔石や奴隷などの財宝の山なのだから、血眼になって探して持てる力で人や物を奪っていく。
そして、この報告を受け、今日新たに指示を出した。
それは、『全ての個体について詳しく調査をせよ』 だ。
これは、種族関係なく個体のありとあらゆる経歴などの情報を調査、収集する事を目的とした指示の内容になっている。
もちろん今回も、相手に気取られること無く情報を集める事が強く要求した。
なぜ、それが必要だったのかは、後々《のちのち》明らかになるだろう。
お読み頂き、ありがとうございます。
上記に書いた国家名は、どこかで章に掲載しています。
次回は、開拓の続きです。




