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33.開拓記(初めての鉄道)

お疲れ様です。

もう、タイトルでまる分かりですねw


 リアレスで開かれる会議でイラーイダの開拓案をまとめ提案すると、呆気ないほどにすんなりと案件が可決された。

 予想されるであろう食糧の消費量、機材、資材、人口統計など多くのデータを用意したが無駄に終わった。

 そして、今は会議室を出て自分に割り当てた執務室で、ミナやメイド達を交えて今後の事を検討していた。

 (アルフィーナと真白は、学修校で魔道具と魔法の授業をしている)


 「なんだろう、頑張ってプレゼンしようと思ったのに……」

 「マスターの行うことは、皆承諾してますので、もし、何かあれば私どもが対応いたします」


 ミナ達がいれば確かに問題なく開拓を進められるが、出来る事なら協議、議論しより良い物を作っていきたいと思っているんだけど……どうやら、まだ、早いみたいだ。

 まあ、基礎の勉強、理論、技術などが身に付いてからでも遅くは無いか。


 とりあえず、イラーイダの開拓は決定される。

 まず始める内容は、リアレス、フィルと同じく、住居の建築、田畑の開墾、イラーイダは海に面しているので、塩の生産、魚介類の漁獲ぎょかく及び加工、そして、住民の学習と子供達の学修校造りだ。

 また、カーナに港を造り、そこに乗り付ける船の建造も併せて行なわなければならない。


 リアレスからは、フィルとイラーイダへ指導教育のための人材の派遣、食糧支援、建築資材の搬出

 フィルとイラーイダからは、訓練教育を受けるための人材の派遣を行い早期の技術習得を目指す。


 フィルの村は、リアレスと同じ開拓発展内容になるが、イラーイダでは造船と操船技術の習得、漁の仕方、魚介類の加工など多くが、初めて行なわれる事なので現地での教育になるだろう。


 「となると、今までの様に道を繋いだだけじゃ、住民の往来がとどこおるだろうな」

 「確かに、現在、バスをリアレス―フィル間で往復していますが、このままだと資材の供給などが難しくなってきますね」


 ミナの言うとおり、車だけで全ての供給をまかなうには限界がある。

 ちなみに、リアレス、フィルの一般道を走る車は、全てオート運転で運転されている。

 バスは、無人運行、ダンプカーやトラックは、一般道はオート運転、工場や工事現場に入った時には手動運転に切り替わる。

 これら運行の管理は、すべて蓮花が行なっていた。

 1人で大丈夫かと思ったが、本人も問題ないと言うか、スペック的に余裕過ぎてお話にならないレベルらしい。


 さて、どうしたものか……。


 「う~ん、よし!鉄道をこう!」

 「しかし、マスター、今、鉄道を敷くと鉄道を理解しない人たちがいた場合、事故に繋がる恐れがあります」


 ミナが言う事はもっともだ。

 今、地上に線路を敷いたら、もし、電車という物を知らない人達が線路内に侵入した場合、大事故に繋がる恐れがある。

 動物などもしかり。


 そう、“ 地上に線路を敷けば ”だ。


 「ああ、そうだね。だから今回は、地下に線路を敷こうと思っているんだ」

 「さすがマスターです。ご名案と思います」


 地下に鉄道を走らせる事で、事故が起こる割合を少なく出来る。

 もちろん、地下鉄内には、監視装置などの安全装置を取り付ける予定だ。


 「人の往来用に上下、片側2本ずつ敷いて、貨物などの物流の移動には、別の路線を上下1本敷こう」

 「なるほど、人流と、物流を分けるのですね」

 「そう、人口が増えれば人流が増える。そこの間を縫うように物流を通すのは、大変だし意味が無いからね」


 日本をモデルケースと考えれば、人を輸送する普通や新幹線などの間を縫って、限られた時間で貨物を運搬するよりもう一つ路線を作ったほうが何かと便利だ……と思う。

 鉄道を詳しく知らない俺にとっては、この辺が限界だ。


 「蓮花、鉄道の運行は無人で行なおうと思っている。頼めるかな?」

 「お任せ下さい。日本に負けない緻密ちみつで遅れの無いダイヤを組みましょう」


 蓮花の応えは問題ないとの事、でも、今のところ、そんなに利用数はいないと思うよ。


 「それじゃあ、氷花は、ロドルク達、鍛冶師の人達と車体等の製作をお願する」

 「畏まりました。移住したドワーフの方々も最近では、生活になれてロドルク様の指導の元、プラズマ切断、アーク溶接、プレス加工等、少しずつではありますが、技術の習得に余念がありません。必ずやマサキ様の命に応えましょう」


 氷花には、現在、ロドルクを中心としたドワーフやその他の種族と共に、金属加工などの技術指導をして貰っている。

 話に出た移住してきたドワーフとは、ロドルクの故郷である里に住むドワーフを移住させ、ここで技術を習得して貰っている。

 もちろん、里を棄てるような事をさせずに技術習得の一時的な移住だ。

 里の方は、非常に小さな村だったのでリアレス開拓の一端として開始した事業は、今では、インフラが整備され田畑の拡張、新しい家立ち並びガラリと変わっていた。

 リアレスからも程近い事もあり、この里の子供たちは、来年リアレス学修校の生徒になる予定になっている。


 「ミナには、基幹となる部分を製作して欲しい。そうだな造る車両は、人の輸送用は、そうだな……案内軌条式あんないきじょうしきにするか、車内への出入りには、超硬質ガラスかアクリルで出来た自動ドアで管理すれば間違いも減るだろう」

 「畏まりました」


 俺の頭の中には、東京の新橋を走る車両を思い描いていた。

 あれなら無人で運行しているし問題なさそうだ。

 メイド達に渡した魔道具を使って浮遊走行なども考えたけど、既存の技術をまずは使って基礎技術を学び、魔導式はその後に考えておこう。


 「貨物の輸送には、鉄輪走行にしよう。鉄輪や軸を作る技術は大変らしいから、ロドルク達にも基幹部分と共に手伝わせて学ばせるのもいいな」

 「ご名案です。多少は苦労するかと思いますが、あの方々なら必ずげると思います」


 こうして、リアレスとフィル、そしてイラーイダを繋ぐ鉄道網の建設に着手することになる。


 俺は何をするかと言うと、いつも通り地下に穴を掘って固める作業だ。

 全部魔法で行なうし、出てくるズリは無限収納に即座に回収するから手間が無い。

 まるで人間掘削機だな、こりゃ。



 1月後、地下鉄道が完成する。


 「これが、電車……ですか」

 「なんと、地面の下に入るのか!」


 フォートルもジニスも驚いて唖然としている。


 2人とも、ここはまだ入り口なんだけど。


 「なんだ、こりゃ!地下に降りるのか!?」


 後ろでドルフも同じ様に驚いていた。

 最近のドルフは、俺に絡んでくることも無くボルガの元でひたすら剣術に励んでいる。

 出来ることなら、勉学にも励んで欲しいのだが。


 「まだ、入り口ですよ、ドルフ」

 「そうです。驚くには早過ぎますよ、ドルフ」

 「ぐぐぅう……」


 舞花や氷花がドルフに対してツッコミを入れている。

 最近知ったのだが、舞花や氷花を含めうちのメイド達はドルフに対して敬称を付けて呼んでいない。

 最初に会った時の第一印象が最悪だったみたいだ。


 ドルフも当初は、憤怒してメイド達に絡んでいたが、実力差と言うか性能差といか、相手にすらなっておらず

 しまいには、メイド達の間でドルフを使ってキャッチボールをしだした時には、さすがに止めに入った。

 あの獣人族の巨体が数十メートルを投げられているのには、本当に驚いた。


 まあ、それ以来ドルフがメイド達に絡むことは無くなったのだが、本人にとってはトラウマになっただろうな。


 全員で地下に降りると、LEDの蛍光灯に照らされた明るいホールに出る。

 通貨が無いので改札は設けていない。

 ホールの上の方には、液晶モニターで各出発時刻と行き先を告げる案内と、音声による案内をしている。


 「ほー、地下なのに明るいな」

 「うむ、ジニスも家で見て知っているだろう。上で光っている蛍光灯の事を」

 「ああ、今まで火で明かりを灯していたからな、もっとも、これほど明るくは無いが」


 2人とも天井を見上げ明るい光に目を細めていた。

 蛍光灯は、今ではリアレスの一般家庭全てに取り付けられて、フィルの村へも徐々にだが家の建て替えに伴って普及しだしている。

 ほんの1年前では、考えられない光景に感傷深げなのだろう。


 分かれ道には、フィルとイラーイダの文字と一緒に左右の矢印で行き先を示されている。

 全員でイラーイダの方向に進みホームに到着した。


 「ここが、電車の来るホームだ!蓮花」

 「はい、ただいまこちらに向かわせて降ります」


 蓮花の言葉に続くように電車がホームに滑り込んできた。

 電車が、決まった位置に停車すると、線路内とホームとの境界に設置された一面超硬質ガラスで出来た扉がスライドすると、電車の扉も同時にスライドする。


 「おお、これが電車ですか!」

 「なんと、大きな乗り物だ」


 電車に乗ったことが無い人達は、電車の大きさに驚いていた。

 まあ、1台のバスと、数両に連なる電車は比べ物にならないので仕方が無い。


 「さあ、乗ろうか」

 「ははっ!」


 声を掛けると、呆然としていた者も元に戻り電車の中に乗り込む。


 電車は、日本の電車を2回りほど大きく設計している。

 これは、背の大きな種族にも乗りやすいように配慮したからだ。

 電車の中は、両サイドに座席を設けて、中央部分は吊革に掴まるタイプで個室は作らなかった。


 電車に乗って30分ほどで目的地のイラーイダに到着する。

 途中に駅が無い事と、日本の鉄道より速度が出ていたので時間が凄く短い。


 「ようこそ、マサキ殿、これが電車なのね!本当に人が造る物には……いえ、マサキ殿が作った物には驚かされっぱなしだわ!」

 「マサキ様、それと皆様、ようこそ御出で下さいました。水龍人族一同、心より歓迎いたします」


 電車から降りてホームに出ると、アオイやアクサ達、水龍人族の人々が迎えてくれた。

 水龍人族の人々は、魔法の順応性が高い順位、人化の魔法を使ってすでに人型に変身している。

 また、アルフィーナ達が魔力測定を行なったところ、水龍人族すべての人々は魔力を保有していることが分かったので、まだ人化の魔法を使えない人達も近い内にの魔法を使えるようになるだろう。


 「お久しぶり、え~と、皆に紹介する。こちらの女性がアオイさんと言って、蒼水龍の聖獣の方だ」

 「初めまして、丘の人々」

 「なんと!聖獣様ですか!いや、これは、ご丁寧に」


 目の前の人族の美しいご婦人が、聖獣と聞いてリアレス、フィルの一同は驚いている。

 俺も最初は驚いたからな……色々な意味で



 「そして、こちらの女性が水龍人族の族長をしている」

 「アクサです。マサキ様のお陰で色々と知りました。どうか、ここイラーイダも皆様の村の如く発展することを願っています」


 アクサの丁寧な挨拶に全員お辞儀をして応える。


 「色々と話したい事があると思うが、今日は電車の開通式だ、折り返しでリアレスに戻るから、アオイさんも水龍人族の人達も一度リアレスを見て欲しい」

 「分かったわ、マサキ殿、私もこの電車?を乗ってみたいの!」


 アオイを初めとして、水龍人族の人達も興味津々な感じだ。


 「ええ、大丈夫ですよ!皆も乗ろう!リアレスに着くまで時間があるから中で話そう!」


 こうして、リアレス、フィル、イラーイダの人々の初顔合わせと、リアレスでの今後の開拓方針を決めての会議がもたれた。

 将来大きく変わるだろう自分の暮らしと、豊かな食に多くの者達の笑い声あげ、全員が笑顔で話し合いが進んでいった。


 まだ、数箇所の開拓が始まったばかりだが、この事が今後の未来に大きく影響してくることになるとは、マサキ自身思っていなかった。

 自分の存在が、人々の中でここまで大きくなるとは……。


お読み頂き、ありうがとうございます。

これで、各村へのアクセスがしやすくなりました。

より開拓が進みますね!


次回は、魔界での初めての卒業式です。

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