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30.開拓記(規模は拡大し)

お疲れ様です。

とうとう30話!でも、今回は少し短めです。


 ジニスはフィルの村に帰ると、早速行動を起こす。

 まずは、リアレスの村がどの様に発展していたのか、どのような暮らしぶりかを事細かに村の人々に説明していく。

 そして、マサキから渡された、塩や小麦粉、その他の食料を村人達の目の前で見せて必死に説明し、当初は半信半疑だった村人も徐々にジニスの話を信じるようになっていった。


 そして、3日目には、村の人々全ての同意を受けて、マサキからの使者を待つだけとなっていた。


 それから3日後、

 村では見慣れない、変な格好の人族の女が村の入口に立っていた。


 「あんたは誰だい?どっから来た?なんだいその格好は?」


 人族の女でもあり、特に武器等を携帯していないので村人たちは、こぞってその女に質問をしていた。


 「お初にお目に掛かります。私は、リアレスの村からマサキ様の代理として使わされた、月花と申します。ジニス様にお会いしたいですが、どちらでしょうか?」


 月花は優雅にお辞儀をすると、村人たちはその月花の見たことも無い優雅な振る舞いに呆気に取られた。


 「ジニス様は、どちらでしょうか?」

 「あ、ああ、このまま進んだ、大きな家がジニスさんの家だ」


 手近にいた一人の頭角族の若者に月花は質問すると、若者は月花が放つオーラに圧倒されながらもジニスの居場所を告げる。


 「では、失礼します」


 月花はもう一度、優雅にお辞儀をして一歩前に進むと、人垣がまるで十戒の如く割れ通る道が出来る。

 月花は、道が出来たのを確認すると、ゆっくりとジニスがいる家に歩き出した。


――トントンッ


 月花は、ジニスの家に付くと、玄関と思われる扉をノックする。


 「ジニス様、マサキ様の使いできました」

 「おお!少し待たれよ」


 遅めの朝の食事を取っていたジニスは、すぐに玄関に向かい扉を開けて迎える。

 結果を聞くだけなので、長話になるわけでもないので月花とジニスは、玄関先で話す事にした。


 「どのような結果になりましたか?」

 「ああ、それについては、村人全員が承諾してくれた。マサキ様には、そう伝えて欲しい」

 「分かりました。そのようにお伝えします」


 月花は、ジニスの一礼すると、元来た道に戻って歩き出す。


 「おい、あんた!そんな格好で、しかも、何も持たずに来たのか?」

 「はい、そこまで遠い訳でも無いですから」

 「なっ、なんだって!」


 驚くのにも無理は無い、ジニス達屈強な獣人族でもリアレスからフィルの村まで全力で走って半日以上掛かる。

 ましてや草木が生い茂り、山や谷、川まである。

 とても人族の女が、遠くないと言える様な距離ではない。


 「い、いや待ってくれ、あなたはマサキ様の使者、何かあっては大変だから、村の手練てだれで送っていこう」


 ジニスは、スタスタと歩いていく月花を追って歩く。


 「ありがとうございます。しかし、必要はございません」

 「いや、しかし……」


 何とか無事に送り届けようと思っているジニスに、丁寧に断る月花

 あれよあれよとしている内に2人+周囲の人々は、村の入口まで来てしまった。


 「ああ、これ以上は近づかないで下さい。吹き飛ばされますから」

 「はあ?」


 そう、月花は言うと、ジニスを含めた村人から100メートルほど距離を空ける。

 ジニス達も月花が何を言っているのか分からずに呆然と月花を見ていた。


 「では、これで失礼致します」


 優雅に月花は、ジニス達の前で一礼する……と、瞬時に月花の姿が消え破裂するような音と突風がジニス達に当たる。


 一瞬の出来事で何が起こったのか分からない者が多い中、ジニスと他数名が起こった事を少しだけ理解出来た。

 いや、理解するまでいってはいなかったが、見えなかった他の村人よりは理解が出来たと言うのが正しいだろう。


 なんだ……あれは、一瞬で姿が消えたかと思うと、うんと遠くに豆粒大の大きさで走っていたぞ!


 理解が出来なくても見えたことを思い返し呆然としながら、月花が向かっているだろうリアレスの方向に目を向ける。


 この月花の凄いスピードは、マサキが渡した重力制御の魔導具によるものが大きい。

 マサキは、下に向かう方向に力をかけられる用に作ったのだが、メイド達はこれを利用して力を向ける方向に指向性を持たせて使うことで、超スピードを得たり大きな力を得たりするようになった。

 メイド達が魔導具を応用した事にマサキは驚いたが、感心もしていた。

 そして、他にも


 「こんなにスピード出したら、服が破けるんじゃ?」


 とメイド達に質問したところ、


 「マサキ様にお見せしても問題はありませんが、この服は私達の髪の毛と一緒の繊維で出来ており破れる事はありません」


 とマサキに言っていたので、大破や中破の様に服が破れる展開は、まず期待できない。



 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□



 フィルの村の結果確認に向かわせた月花が戻ってくると、ジニスからの伝言を聞く。

 どうやらジニスは、村の者達の全員の承諾を得ることに成功したようだ。


 リアレスの俺の元に話しが届くと、あとは各自予定通りの行動に移る。


 まずは、リアレス―フィル間の道造りから始める。

 道が無ければ人員、物資などの輸送や情報の伝達に不便だからだ。


 この大きくて長い道は、さすがにリアレスの人々に任せると時間が掛かるので、久しぶりに真白に乗って俺が魔法で造っていく。

 人や物が走る道路は、ミナの指導のもと、獣道などを避けほぼ直線で造り上げる。

 次に道路の下に電気、通信ケーブル、上下水道と、リアレスに敷設ふせつしたインフラと同様の物を作っていった。

 これでリアレスからの人員の移動が、ダンプカーを使えば1時間とかからない距離になる。


 あとは、リアレスと同様に開拓を進める。

 もちろん、フィルの村の人々は、基礎技術を学ぶためにリアレスへ

 リアレスの村の人々は、フィルの村の開拓を手伝うためにフィルへ

 と言った感じでフェルを開拓しながら技術を学んでいった。


 教育関係は、まず液晶モニターを作り各家庭に無償配布して放送を使って先行して文字の読み書き、数字の計算方法などリアレスで当初やっていた事を教えていく。

 他にも、春に向けてフィルの村に新たにフィル学修校を建て、今春にフィルの村の子供達に勉強を教える予定だ。

 これには、大人達の同意も必要なためフィルの村に赴き説明と食糧支援をしていった。


 ミナのUAVによるフィルの村全体のマップを作り、区画整理とインフラ整備、田畑の開墾かいこん、温室などの建築を合わせて行なう。

 フィルの村は、リアレスよりも水は多少あったが、やはりここも川の本流からの支流の支流といった感じで水量が少なく、このまま開拓していくと水不足に陥る可能性が高かった。

 これは、川からポンプで汲み上げる水量を増やすなどで対応する。


 また、フィルの村もリアレス同様に塩の品質が、著しく低かった。

 俺が、土産みやげにジニス達に渡した真っ白な塩を見て、フィルの村人の者達が驚くほどだ。

 リアレスでも塩の消費量が増え量的に不安になってきたので、俺は皆に一つ提案をすることにした。


 「水竜人族の協力を得て、海に塩の生産工場を建てようと思うんだ」

 「塩の生産工場ですか……たしかに必要ですな」


 会議の席で提案をすると、フォートルは応えジニスは首を傾げる。

 フォートルは少し塩の作り方に知識はあったので首肯したが、ジニスは、まだ塩がどのように作られるかを知らないので不思議に思うのは仕方が無い。


 「ああ、以前にアルと海に行った時に知己ちきを得ているから大丈夫だと思う」

 「うむ、フォートル、前にも言ったじゃろう。あの下竜を倒したあの海の事じゃ」

 「おお!あそこですか!」


 フォートルには、リアレスに始めて来た時にアルフィーナが話していたのですぐに想像が付いたみたいだ。


 「なんと!あの下竜を倒していたんですか!」

 「そうじゃ、と、そういえばジニス達、フィルの村の者達は知らなかったのじゃな」

 「は……はあ、まさか、あの下竜を倒していたとは……さすがです」

 「まあ、最後に止めを刺したのは蒼いの、じゃったがのう」


 ジニスは、アルフィーナの話を驚愕して聞いていた。

 それもそのはず、聞かなければ、話さなければその情報を知ることは出来ない。

 今までは、リアレスとフィルで距離があったため情報の共有にタイムラグや正確に伝わらないといった事があった。

 しかし、今後は正確な情報の伝達・共有が必要になってくる。


 そのためにも今後は、放送の内容とか考えないとな……。


 今は、ミナやメイド達が作成している番組で情報を伝達している。


 ミナ達は平気だと言っていいたけど、今後のため、村の人々のためにも、放送や編集が出来る建物を造らないといけないな。


 「そう、その下竜を倒した時に協力してくれた蒼水龍様あおすいりゅうさまとその眷属けんぞくの水竜人族に相談して、塩の生産工場を建てようと思っているんだ」

 「はあ、しかし、あちらの方々は納得頂けるのでしょうか?」


 ジニスの心配ももっともだ。

 こういった何かを造ったり、建てたりするには相手方にキチンと相談する、所謂いわゆる根回ねまわしが必要だ。


 「ああ、そのためにも一度向こうに訪問しようと思っているんだ、フォートルそのさいリアレスで作っている醤油や味噌なんかを少し貰うけどいいかな?」

 「マサキ様が必要でしたら、ご自由にお使い下さい。マサキ様の行なうことはリアレスのみなが納得していますから」

 「すまない、では、少しだけ貰って向こうに相談してみる。出来れば魚の取引もしたいしね」


 今後のため、塩だけではなくりょうの得意な水竜人族の人達に魚の取引も持ちかけてみようと思う。

 今のところ物々交換だけど、いつかは……。


 リアレスとフィルの村の点と点が結ばれて線になり、今度は水竜人族のいる海と繋がれば三角になる。

 このように村々の開拓規模が大きくなっていく事を感じながら、皆の暮らしを良くして行くために日々努力していくのだった。


お読み頂き、ありがとうございます。

これで、リアレスとフィルの村が結ばれました。

次は、また海の話しになります。そして、別のところで結びつきがあったみたいです。

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