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18.リアレス開拓(年末に追われる日々)

 お疲れ様です。


 誤字脱字は後で直します。

 なんせまだ、スペルチャックソフト買って無いので……すいません。

 年末まであと1週間と迫った年の瀬

 今日もリアレスの村で報告と今後について会議が行なわれている。


 「現在温室での種まきは、種まき機に慣れてもらうため村の人々が行なっております。来年の2月の種まきもこの調子なら彼らだけで問題ないかと」


 蓮花が現在の農作業状況の説明をする。


 「そうか、種まき機で一気に出来れば問題ないな、収穫機もあるんだよね?」

 「はい、現在の収穫機は大小5台ずつ用意しております。そちらも稼動する前に説明・訓練し実際の作業で慣れて頂く予定です」

 「安全には十分注意して作業して欲しい」

 「畏まりました」


 蓮花は一礼すると後ろに下がる。


 「続きまして私がご報告します」


 こちらも一礼すると前出る翠花

 翠花は普通に話をすときは、語尾を伸ばすらしいが俺は聞いた事が無かった。


 「現在の金属の加工状況ですが、坑道から採掘された鉱石は、炉にかけられ順次製錬し鍛冶職人の手で加工しております。これによって一般家庭の生活用品に鉄を使った製品が少しずつ行き渡っております」

 「これで少しは、生活のレベルが向上したかな?今後は、長期的に製錬の炉を大きくする事も検討して作業を行なって欲しい」

 「畏まりました。鍛冶職人の方々に相談してみます」


 翠花も一礼して後ろに下がった。


 「次は、私から」


 フォートルが、よっこらせと椅子から立ち上がり一礼する。

 リアレスではお辞儀の習慣は無かったのだが、ミナやメイド達(魔導人形)がしているので自然と全員がする様になっていた。


 「各家への水道、電気設置が完了し村全体の水道の圧力は安定しており、電気の使用量も問題ありません。予定してた家の建替え作業も行なっております」


 フォートルには村の電気と水道の管理と、畑の拡大で伐採された木材を使って村の住民の家を新たに建て替えてもらっている。

 建替えは、トロール族のモルクが筆頭で行なっているが、1軒建てるのに3ヶ月は掛かるだろうから今年中に完成するのは無理だろう。

 最初の1軒目はフォートルの家だが、現在建替え作業中と言う事で仮設に1軒の家を俺が作ってそこに仮住まいして貰っている。

 いつもの癖で日本風な靴を脱いで上がるタイプの家を建ててしまったのだが、フォートル他、村の住民達がいたく気に入ってフォートルや今後建てる家は全て日本風になる予定だ。


 「分かった。ああ、それと年末と三が日はみんな身体を休めてくれ」

 「おお、そうでした。マサキ様の居られた所では休みがあるのですな」


 フォートル達村の人々には、すでに日付のことを話してカレンダーをそれぞれの家に提供してある。

 もちろん数字の読み方も教えるのを含めて


 「他に報告事項は無いかな?」


 フォートルが着席すると、確認のため皆に聞いてみる。


 「よろしいですか」

 「ああ、構わないよ」


 ボルガがは、武芸が達者だったので村の治安と、時間がある時は若者に武術を教えて貰っている。

 先ほど害獣である熊や猪の報告と、武術の鍛錬状況(武術はミナから日本で行なわれている武道を聞き取り入れている)を聞いたので他に何かあるのだろうか?


 「1月になると、隣にあるフィルの村の者達と畑に使う水の利用量について話し合いがあります」

 「おお!そうだったな」


 ボルガの報告にフォートルも思い出したらしく頷いている。


 「マサキ様とミナ様のお陰で遠くの川から生活用水と農業用水が送られてくるので、現在は小川の水を使うことがありません」


 ボルガの言うとおり水の方は、村に流れる川では小さ過ぎて生活や農業に使うと足らないくらいだった。

 しかし今は、俺とミナとで遠くにある大きな川から、生活、農業、工業に使っても大丈夫な量をポンプで送っている。


 「なので、今度の水利用量の話し合いでは、水はフィルで好きに使っていいと言おうかと……」


 話を聞くとフィルの村は、リアレスの川上にあり水の優先権は向こうにあるらしい。


 「俺も行った方がいい?」

 「いえ、私とフォートル、ジェナートの3人がいつも話し合いに赴いてます」

 「フィルの村に行くのじゃな!あの村の者達もこの村の状況を見たら目を疑うぞ!」


 アルフィーナはフィルの村を知っているらしく話に入る。


 「はい、別に隠す必要は無いのですが、あの村にはドルフが居るので……」

 「おお、あの小僧か!何かと言うとボルガに絡むからのう……真面目なやつなのじゃが」


 どうやらフィルの村には、トラブルメーカーが居るみたいだ。


 「何かあると大変じゃから、私も付いて行くのじゃ!」

 「おお!魔女様がご一緒なら心強い」


 その村の事情も知っているアルフィーナなら適任だろう。


 「じゃあ、その事はアルに任せるよ!」

 「うむ、任せておけ!」

 「他は?」


 静かになり誰も手を上げる者はいない。


 「それじゃあ、解散!」


 全員が立ち上がると、俺も立って真白に近寄る。

 真白のかたわらには、バスケットに入ったチャコが俺の近づいてきたのが分かったのか小さい声で鳴いていた。


 チャコはつい最近目を開いた。

 まだまだ身体は小さいが、ミルクを飲む時間が少しずつ延びてきているのでそのうち離乳食を食べられるだろう。


 「どれチャコ!帰ろうか。今日も頑張ったからお風呂入って眠ろうな~」

 「ミューッミューッ!」


 チャコを抱き上げると、言葉は分からないだろうけど、なんだか嬉しそうに小さな尻尾をピクピク振っていた。



 師走と言うぐらい忙しく月日はあっと言う間に流れ大晦日の当日になった。


 「今日は村に行く予定が無いし、家でゆっくりしよう」

 「うむ、このところ村の事で忙しかったからのう」


 鏡餅は前もって作って30日に神棚と鏡餅を飾りつけた。

 もちろんしめ縄なども飾り付けているし、門松も置いてある。


 全員で朝ご飯を食べ、その後はまったり過ごそうと考える。


 「しかしマサキ、この納豆は少し違うのう?すでに味が付いておるし、少し塩気が多いのう」


 今日のアルフィーナは、朝ご飯に納豆を食べている。


 「ああ、それは、雪割納豆だよ。大豆を塩とこうじで発酵させた物だよ。塩が多く入っているから少量で美味しく食べられるよ」

 「なるほど、納豆にも色々と種類があるのじゃな」


 アルフィーナに説明すると、俺は辛子蓮根に齧り付く。


 食事を済ませても特にやることが無く、全員居間にいるが手持ち無沙汰になっていた。


 「う~~~ん、何もすることがないな~~~」

 「スピーッスピーッ」


 ミルクが済んだチャコを膝に乗せて優しく撫でていたら、チャコはいつの間にか寝息を立てていた。


 さて、困ったぞこのまま無為に過ごすのは苦痛だな……。


 「何か映像でも見れればな……」

 「ございますよ」

 「えっ!」


 あまりにも退屈だったので不意に出た俺の発言にミナは答えた。


 「はい、私の本体がプロジェクターの様に映像を浮かび上がらせ、音も臨場感溢りんじょうかんあふれ楽しめるかと」

 「へ~そんな機能がついてるんだ」


 また、ミナの隠された機能の一つが明らかになる。

 ミナが言われるがまま、無限収納からミナの本体であるノートパソコンを取り出しテーブルの上に置く。

 あとの操作はみなに任せれば大丈夫だろう。


 「何をご覧になられますか」


 テーブルの先に50インチ以上はあるだろうか、画面が表示された。


 「なんじゃこれは?」

 「こちらは、耳に付けて頂きました通信機と一緒で映像が表示されます。耳のとの違いは目で見るか脳で見るかの違いです」


 目の前の画面には、各種映画の他に教育資料や記録映像なんかもある。

 俺は取り合えず退屈が紛れればいいのでアルフィーナに好きな映像を選ばせた。

 アルフィーナが色々と物色して最初に選んだのは、あの邦画で有名な監督の作品で数人の侍が農村で暴れる落ち武者を退治する白黒映像だった。

 白黒の映像だが超大作なので俺も楽しめ、アルフィーナと真白は興奮して見ており、昼食を挟んでその後は記録映像で日本の歴史を順を追って見ていく。


 「なんと、マサキのいた日本と言うのは、これほどの歴史があるのじゃな」

 「そうだね、2600年以上の歴史をもっているね」


 皇紀によれば西暦に660年足した年数が日本の歴史とされている。


 「どれ、そろそろ夕飯だから軽めに頂こう」

 「なぜ軽めなのじゃ?」

 「年を越す前に蕎麦そばをたべるからね」

 「ほう、そんな習慣があるのじゃな」


 俺は軽く済ませたが、アルフィーナと真白はガッツリと食べ、ご飯を3杯も御代おかわりしてた。


 あれ?俺言ったよね?年を越す前に蕎麦を食べるって……。


 夜もふけたころにメイド達が蕎麦を持ってきた。

 アルフィーナと真白は、かけ蕎麦の上に天ぷらをのせた天蕎麦、ミナはかけ蕎麦の上に生卵と一切れの蒲鉾かまぼこ薬味を少しのせた月見蕎麦だ。

 俺は、みんなと違って茹でた蕎麦にたっぷりの大根おろしと鰹節かつおぶし、刻んだネギと海苔のりをのせて上から冷たいつゆをかける、いわゆるおろし蕎麦だ。


 夕飯をアレだけ食べたのだから無理だろうと思ったアルフィーナと真白は、残す事もなくペロリと完食した。


 真白はわかるけどアルは、その小さな身体のどこに入るんだ?


 そんなこんなで時刻が0時になり日付が変わる。


 「あけまして、おめでとうございます」「ワオーーーンッ」「ミューーーッ」


 全員で新年の挨拶をする。

 真白の遠吠えに反応したのか、チャコもその小さい身体で精一杯の遠吠えをした。


 「みんなで新年の挨拶をするとは、面白い習慣じゃな!これはなかなか良いのじゃ」

 「そうだね、一年の初めをみんなと挨拶できて嬉しいよ!さて、明日早くに村に行こうと思うんだ」

 「なんじゃ?休むと言って村に行くのか?」


 正月三が日は休むとフォートル達に言ったのだから、アルフィーナが不思議に思うのは当然だ。


 「どうせなら、村の人達と挨拶をしたいし、村で餅をいて食べようと思ってね」

 「ほう、面白そうじゃな、分かったのじゃ!」




 俺は日が上る前に目を覚ます。

 実質4時間程度なので少し意識が重い。


 「ワァーーーフッ」


 俺が起きたので真白も布団から這い出てきた。


 「ミューッ……ミューッミューッ」


 真白が起きたので真白の傍にいたチャコが、揺らされて起きてしまう。


 「ほーら、大丈夫だよチャコ、真白外へ行こう」

 「ワフッ!」


 チャコを抱き上げると、バスケットを持って真白と共に部屋を出て湖の水辺に移動する。

 そろそろ太陽が昇る頃合なので外は薄明るく、照らすものを必要とせずに歩いていけた。


 「「「「「「おはようございます」」」」」」


 表門の近くにミナとメイド達が、一糸乱れぬ動きで朝の挨拶をしてきた。

 ミナの隣にはアルフィーナも立っている。


 なんだか眠そうだ。


 「おはよう!みんなどうしたの?」

 「ミナが、マサキは太陽が昇るのを拝むから一緒にどうじゃと言ってな」

 「はい、この世界には神社は無いので……出過ぎた事をしました」


 アルフィーナの言葉にミナが一礼して謝ってきた。


 なるほどミナが先読みしたのか。


 「いや、起こすのは悪いと思って声を掛けなかったんだ。みんな居るんだから、どうせだから太陽を拝もう!」


 今度は家に居る全員で湖に向かう。


 湖に移動すると、そろそろ太陽が昇るのだろう、ちょうど山の切れ目の部分が淡く光りだしている。


 「……」


 誰も何も言わずに太陽の方向を見ていた。


 じわじわと周囲が明るくなると、ようやく太陽が顔を見せると俺は、2回礼をし2拍手後に願いをこめる。


 願うのはいつも通り、“ みんな笑顔でいますように ”


 一礼をすると、みんなの振り返ると全員祈りをこめていたみたいだ。


 「じゃあ、朝ごはんを済ませたら村に行こう!」


 異世界で初めての新しい年に、俺は気を引締めて歩き出す。


 御読み下さいまして、ありがとうございます。


 今回は、初めて異世界での年越しということで書いています。

 次回は、流れ通り年始の話になります。


 雪割納豆は山形、おろし蕎麦は福井、辛子蓮根は熊本の名産ですね

 色々なところの美味しいものを紹介できればなあ、と思って書いています。

 全部を網羅もうらしている訳ではありませんが……

 食いしん坊のアルフィーナのために色々な郷土料理を紹介できればいいですね!


 読んで下さっている方が少しずつ増え、嬉しい限りで感謝に耐えません。

 この先も頑張って書いていきますので、よろしくお願いします。

 

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