1st STAGE 〜step up〜
1st STAGE 〜step up〜
ある日の放課後、縦皿がいつものゲーセンに着くと既に弐寺に先客がいたことに気づいた。
「太田か。最近調子はどうだ?」
太田と呼ばれた人物は縦皿に気づき軽く挨拶した。
「今☆4ができてる感じですかね。」
そういうと太田はターンテーブルをクルクル回し次の曲を選ぼうとした。
「ほう、step upモードか。順調にランプがついてるな。」
縦皿の言うstep upモードとは、何曲か課題曲がありクリアしていくと課題曲のレベルが上がっていく仕様のモードである。
クリアすればレベルが上がり、クリアミスとなるとレベルが下がるので自分に適したレベルのプレーが可能で、さらに3曲保障なので練習にはうってつけのモードである。
因みに縦皿の言ったランプとはクリアランプのことで、ノーマルゲージで難易度の色、イージーゲージで緑色、ハードゲージで白、フルコンで白の点滅、クリアミスで難易度の色の点滅のランプがつくのだ。
「ハイスピも自分にあったものに合わせられるし鍵盤の間を叩くということもなくなりました。」
「成る程、基礎はもう出来ているわけか。」
「ただ、まだ階段と同時押しが慣れないですね。」
太田は少し恥ずかし気に自分の苦手な部分を縦皿に伝えた。
「確かに初心者の悩みどころではあるな。具体的にどういう風に苦手なんだ?」
縦皿が質問すると太田は階段と同時押しのある曲をやって見せた。
縦皿は一通り見ると直ぐに欠点を理解し、それを指摘した。
「まず同時押しだな。2つまでは押せているが3つ押しが上手くできないんだな?」
太田は2つまでならしっかり押せていた。しかし3つになるとどの指で鍵盤を押せばいいのか分からずミスを出してしまうようだ。
「白鍵盤だけなら3つでもなんとか押せるんですが、黒も入ってくるとどんな押し方をすればいいのか分からなくて。」
実際、1、4、7のような同時押しはほぼ全押し気味になっていた。
「そうだな、まずはいろんな指を使うことだ。人差し指と中指だけでなく親指も使うんだ。」
「例えば1、4、7の場合、1を左手の人差し指、4を右手の人差し指、7を右手の親指で押すんだ。」
太田は言われた通りに指を鍵盤に置いた。
「ああ、これならピンポイントで押せますね!」
「このやり方は恐らく日常で主に使うであろう親指と人差し指で押すから初心者向きの押し方だ。」
そしてこれなら鍵盤の上に3本の指しかないのでベチャ押し対策にもなるのだ。
「勿論これは初心者向けだから上達するにつれて押し方を変えなければいけない。上のレベルだとこの動作をする暇がなくなるからな。」
「でも簡単に変えられるんですか?」
太田はこの押し方の癖がつかないか不安になり質問した。
「心配するな。人間は日々進化する。押し方も限界がきたら自然と新しい押し方を思いつくものだ。私も昔はその押し方だったが途中で今の押し方へと変えることができた。」
そういって縦皿は今の押し方である1を左親指、4を右人差し指、7を右小指の運指で鍵盤を押して見せた。
「なんか複雑な押し方ですね。どのくらいで出来たんですか?」
「そうだな、八段合格してから出来るようになったな。」
そんなにかかるんですか、と太田は驚愕した。実際は個人差があるのでみんながみんなそういうわけではありません。
「さて、次は階段だな。これは今のままの人差し指で押していくやり方でいいはずだが。」
太田は人差し指で1つずつ階段を処理していたが、間に合わなかったりしっかり押せてなかったりしていた。
「指をもっと速く動かすか、白鍵盤を親指、黒鍵盤を人差し指で押すかの2択だ。」
前者は今まで通りの押し方に速さを加えただけで習得は容易いがその分ミスが多くなる可能性が高くなる。
後者は指の動きを分割することで今の速さで正確に押せるが、慣れるまでに時間がかかる。
「私個人てしては後者だが、今は前者でやり通すべきだと思う。まだ慣れないことをするよりは今のやり方で頑張るんだ。辛くなった自然と親指が動くだろう。」
「わかりました。つまり戦いの中で覚えるというわけですね。」
「そうだ。だが1つ注意がある。誰もがそう簡単に出来るとは限らない。お前も例外ではないぞ。」
縦皿は太田が高を括らないように警告した。
やっていくうちに出来てくるといってもそれなりの努力が必要なのだ。
「大丈夫ですよ。例え上手く出来なくても出来るまでやり続けます。好きなことなら尚更です。」
縦皿の懸念とは裏腹に太田はそんな素振りを見せずに努力を惜しまない意思を見せた。
「さあ、早速練習ですっ!」
弐寺パート始まりました。
私の友達が只今弐寺練習中なので割とタイムリーな話でした。
弐寺は殆どの指を使うゲームなので最初のうちからそこを意識したほうがいいですかね。
私は教えてくれる人が居なかったのでいろんな指を使うことに気づいたのはかなり後になりましたが、太田くんは部長や仲間がいるので私より速く上達するんですかねぇ。
そこは私のさじ加減でどうとでもなるのですが(笑)
それではまた次回。




