チュートリアル 〜入学、そして入部へ〜
今年の春、僕の念願の高校生活が始まる。
チュートリアル 〜入学、そして入部へ〜
まだ少し寒さが残っているが、桜の花が咲きほこる4月。
僕は新品の制服を身に纏い、親に買ってもらった新しい自転車を漕いで今日から3年間を過ごすことになる高校へ向かった。
正門では先生や生徒会であろう生徒たちが挨拶運動を行っていた。こちらも軽く会釈をして駐輪場へ。
事前に学校から配られた自分のクラスと出席番号の書かれた紙を見ながら自分の靴箱を探しあて、靴を履き替え体育館へ向かった。そこで校長の新入生への挨拶と学校についての説明があるのだ。
校長の話があまりにも長かったので少し眠くなってうとうとしていたらいつの間にか話が終わっていた。
校長の話が終わるとそれぞれ自分のクラスへと向かっていった。
教室で自分の席に着き何分か経つとチャイムが鳴り先生が入ってくる。
今年の目標やらなんやらを暑苦しく語っている。
先生は話し終えると教卓に置いてあった部活動が書かれた紙を全員に配り始める。今から入る部活動を選ぶようだ。
「部活動は3年間続けるものだ。中学時代からの部活動をするもよし、新たな部活動に挑戦するもよし。だが途中でやめるなんでことがないように。」
紙に目を通すとたくさんの部活動の名前が書かれていた。サッカー部、テニス部、バスケ部、吹奏楽部、軽音部・・・中学校よりも多いなぁと流し読みをしていた。しかしある名前を見つけた途端、思わず目を見開いた。
「な、なんだこれは・・・」
そこに書いてあったのは、中学校では、いや、高校でも見ないような名前だった。
「お、音ゲー部・・・!?」
音ゲー部だと!?音ゲーってあれだよな?音楽ゲームだよな?ゲーセンにあるあれだよな?7つのボタンにプラス皿とか16パネルの四角い子っていうあれだよな?
学業に専念する場である学校でゲームをする部活動があるなんて・・・。僕は驚きを隠せなかった。
数秒して落ち着いた頃、自分の中からふつふつと湧き上がるものを感じた。驚きと同時に起こる、好奇心のような感情だ。
「この部活、面白そう」
僕はこの瞬間、入る部活動を決めた。音ゲー部という名の摩訶不思議な部活動へと。
今回は音ゲー部の存在をこれから入る新入部員くんの視点で書かせてもらいました。
しかしこの子がこの作品の主人公というわけではありません。主人公は音ゲー部のメンバー全員です。
今回と次回は所謂チュートリアルのようなものなので特別にまだ部活動へ入っていないこの子が主人公しています。
次回他の部員が登場し、音ゲー部がどのようなものかわかったところで本編へ。と考えています。
文才はない私ですが、音ゲーに対する愛は持っています。不定期更新になってしまいますが音ゲーが好きな方は宜しければこれからも見ていってください。