第五話 ほんとのコト
タツは 昨日調べたコトを全てみんなに話してみた。
「やっぱなぁ なーんか 怪しいって思ってたんだよ」
半笑いで遼が答える。
お前が 最初にだまされたんだから覚悟しろよ的な視線が 遼を襲う。
「・・・さすがアイドルヲタク。初めてそれが役に立ったな」
「おし 早く事務所に 行って中村に言ってやろうぜ 辞めてやるってな。」
みんな気持ちは 同じだった。
大きないらだちと少しの不安を感じていたのも 同じだった。
事務所に入ると、「来たな、よし練習だ。」といわれ 楽器を渡された。
てかてかしていて
まだ新品だと思われる 真っ赤なギターに目を奪われつつも
遼は口を開いた。「ちょっとまてよ お前、SONYとかウソだろ」
「お前は 昔アイドルのプロデューサーだった、そんで個人事務所の社長だった。」
「えっと・・・ それで・・・ ・・・ なぁ タツ」
これ以上のコトはタツに任せた。
多少 間があった後
「・・・ それで そのグループが解散すると共に なにもかもを1人でやっていた事務 所は なくなり 愛想を尽かした タレントは手のひらを返すように 移籍をした。」
「それで あなたは 姿を消した。 あってますよね。 中村さん。」
それと 同時に コピーしてきた 写真付きの記事を中村に手渡した。
軽く目を通した中村は
「あってるよ 正解 わるかったな だましていて・・・」と声を絞り出すように言った
「じゃ 俺ら帰っから いこーぜ」4人が楽器を置いて 歩き出したとき
「まってくれ・・・ 少し話を聞いてくれ。」
4人の足が止まった。