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第一話 始まり
夏休みも終わりかけ
一部のマジメなヤツを除き 宿題を終わらせにかかるころ
地味な4人組が カップルにまぎれ 夏祭りに来ていた。
「あー また今年も お前らと一緒かよ」
「去年の今日 俺は誓ったのに 来年は彼女と来ると・・・」と 一番小柄で長髪の少年が言った
「遼、その言葉 もう5年ぐらい連続で 聞いてるぞ」と一番大柄で 短髪のヤツが返す
「うっせーな 翔」
その後ろで おとなしそうな2人が 並んであきれている
「お前らは どーなんだよ タツ、ヒロ」
「興味なし・・・」 「同じく」
「つかさ もう長い列ができてんぞ 小さいヤツが 電車間違えて 逆の方に乗るからだぞ
あきらめて 帰ろうぜ 花火買ってさ」
「だめだ 今年こそは 可愛い娘に話しかけ お、お友達になる」
「無視 無視
じゃあ こいつおいて帰って 花火しようぜ タツ、ヒロ」 「だな」
歩きだそうとしたとき
すると 向こうから 30代後半くらいの 男が一人で歩みよって来た
「君たち ちょっといいかい 女の子にモテる話があるんだけど・・・」
これが 中村との出会いだった。