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名もなき草原に咲くⅡ  作者: ゼルダのりょーご
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28 ゴールドピースと行く


 初心者の恩恵の話題をしばらく立ち話で聞いた。


 5倍EXPというものについて。

 初期のジョブとは、戦士、盗賊、魔法使い、僧侶。

 この4種のレベルが10を越えなければOKということだが。

 4種が10に達すると初心者を脱する。

 だから1ジョブでも11以上になった時点でも初心者サポは無効になる。


 それで黙ってまだ知識のなさそうな初心者に近づき、あのような行為をする。

 そういう輩を旨いものを横からかすめとる意味から俗にハイエナと呼称する。


 その条件の初心者と組めば延々と美味しい思いができるのか?

 初心者でいられる期限も設定されていて登録から1ヶ月間だけである。


 初心期間を過ぎてカンスト解放を受けてないような冒険者には任務は与えられなくなる。ずっとFランク任務だと辛くなる。冒険者は民ほど税金徴収を受けないがギルドに定額を納入することが義務づけられている。


 頑張ってLvアップを目指して固有スキルを獲得するのが稼ぎには有利である。



「なあ、ツバクロのドロップって『クロ羽根』だろ。高いのか?」

「素早さの効果に加えて、隠密の効果もプラスされる防具を造る素材だよ」

 盗賊が答えた。


「その羽根を売って換金するのか、それとも素材収集なのか」

「もちろん換金のほうよ!」

 リーダーの僧侶が言った。


「なるほど金策か。その防具が入手できればさらに効率があがるな」

「ええ、知り合いの防具職人の所へ持ち込むつもりなの」

「防具を安く仕立ててもらえるのよ」


 なるほどね。

 地道だが正攻法というわけだ。


「俺の目的はFランク任務の果物狩りで北の森に行くんだ。ゴブリンが死守しているらしくて受付嬢が街周辺でのLv上げを推奨したってわけ」


 彼らは金策、俺は任務。

 お互いの目的確認はできた。


「お、ゴブガブの森の『ガブメロン』の採取か。水分と栄養補給に欠かせないからそちらもいい値で引き取ってもらえるぞ」


「私たちのレベルなら楽勝だし、リクルの任務を手伝い終わってから金策を手伝ってもらうと言うのはどうかしら?」


「なるほど。ゴブリン相手のほうがEXPも高いし。ちょうど前衛がいれば心強い」

「俺なんかで大丈夫か?」

「リクルの立ち回りなら私たちのサポートで充分イケるはずよ!」

「回復は任せて! 僧侶Lv18よ!」


 推奨Lv10の森だったな。

 皆、ジョブチェンも経験済みでメインジョブも平均15だし。

 行けそうだな、よし引き受けよう。


「それでよろしく頼む!」

「私たちのPTは【ゴールドピース】というの。よろしくね!」

「平和の象徴がお金。冒険者なら平凡かもしれないけど。友達同士だから冒険をする目的を決めているの」

「うん、目的が明瞭なのは良いことだ。引き際もわかるしな」

「お、リクルと俺達は気が合いそうだな」



 オーガと別れた直後に【ゴールドピース】というPTに合流し、目的の森に向かうことになった。


 ゴブガブの森に入るまでに彼らに現在の金策目的を尋ねると。

 街にはポーターを専門にしている種族がいることが判った。

 ポーターとは所持品を大量に代わりに持ってくれる、荷物持ち係のこと。

 動物系や植物系の妖精が多いとのこと。


 つまり妖精を雇うということだ。

 勿論ポーター専属にならず冒険者の妖精もいると。

 俺はそちらの認識で理解されたようだ。



「それでリクルはどのくらいの量を持てるのだ?」


 ギクリとする質問がきた。

 俺は実質妖精ではないわけだ。

 ポーターのように沢山所持できやしない。

 冒険初心者だから、その技能はまだ開拓できていないと答えておいた。


「そうか残念だ」


 妖精とはそういった技能スキルを自然にそなえているようだ。

 よく知らん。

 俺もいつかポーターを雇いたい。


「荷物持ちは性に合わない。俺も雇うのがいい。一人いくらぐらいだ?」

「そうだな……初級だと日雇いで1000G。中級だと5000、上級だと10000かな」


 ポーターってのは結構稼ぐんだな。


「種族にも寄るんだが、姿を隠せるやつや飛べるやつは10万でも手が届かんよ」

「そんなやつも居るのか。世の中は広いな。俺は物を沢山所持できるタイプじゃないんだ。だからその稼ぎ屋にはなれないな」


 べつにいいじゃない。

 だから冒険者をやっているんじゃないかと。

 女ふたりは、あははと笑い飛ばした。

 気楽で楽しい連中だ。




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