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名もなき草原に咲くⅡ  作者: ゼルダのりょーご
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23 ギルド登録① (リクルの冒険者編②)

リクルの冒険者編② 小説/ 名もなき草原に咲く 主人公リクル


いよいよ冒険者となるため大きな街へとたどり着いたリクル。

冒険者ギルドで登録を済ませ、はじめての依頼を受ける。

知らない人間とPTを組むのもはじめて。ひとりで依頼を受けるのもはじめて。

冒険者としての最初の一歩です。


 シンピ村で盛大に送迎会をしてもらった。

 冒険者になるなら、うんと都会に行けと街を紹介してくれた。

 村人らの候補もよいが、やはり勇者たちがお薦めしてくれた街がよい。


 あまり遠くても疲れるだろうが、西の街をひとつ越えた先にある所だった。

 頑張って辿り着いた。


 周囲はやさしいレベルの魔物がいる。

 森や洞窟の難易度も初心者が成り上るのに適しているとのことだ。

 街の周囲で肩慣らしをすれば、深みに入ればどれぐらい難易度が増すかが感覚で掴めるようになる。


 ダンジョンが好みなら中級者も上級者も通う迷宮がそばにあるそうだ。


 西の街まで2日かけて到達したが、そこは休憩地点としただけで。

 さらに西へ向かって4日ほどかけて到着した街はさらに大きかった。

 正門から外観を見上げていた。


 その名を「バロワン・ロジャス」のミッドタウン。

 バロワン・ロージャス王国の中心部にあり、様々な施設が集合した街のようだ。

 通称、『ロジャスミッド』と呼ばれているようだ。


 宿を紹介されていたので休憩に立ち寄ったのは夜だった。

 緊張と興奮であまり寝つきが良かったとは言えないが。

 翌朝、冒険者ギルドを訪ねてきた。


 とりあえず早く仕事を覚えねばならない。

 あまり蓄えがないからな。

 ここに来るまででも6日が過ぎた。

 小遣い稼ぎでもいいから、見つけておきたいのだ。


 ギルドに足を踏み入れると早朝だからか、人の出入りはまだなかった。

 カウンターに受付嬢がいるのが見えた。

 そばに行くと、「ピンポーン!」と音が鳴った。

 来客を知らせるようになっているのか。ケモ耳がピクリと反応した。



「いらっしゃいませ。どのようなご用向きでしょう?」


「あの、冒険者になりたくて田舎から出て来たのですが……」


「はい、冒険者登録をご希望ですね。失礼ですが、どちらの方がご希望されていますか?」



 どちらの方?


 はて俺は一人なのだが。

 質疑があったので応答してみる。



「俺は、リクルという者です。ずっと東の辺境の村から出て来たばかりだ」


「お名前はリクル様ですね。おかしいですね……声はすれどお姿が見えません」



 ああ、なるほどな。 

 身長が低くてカウンターの向こうからは俺の姿が確認できていなかったようだ。



「ここにいるよ。カウンターのこっち側へ出て来てもらえないか」


「どうなさいました? お怪我でもされているのですか」



 そういって、若い人間の女性がこちら側へと出て来てくれた。

 受付嬢は俺の姿を目に入れると開口一番こう言った。



「まあ! どこから逃げ出して来たのかしら。ギルドに迷い込むなんて珍しい。可愛らしいけど通報をして保護してもらわなきゃね……」


「ちょっと待ってくれ、俺がいま君と話したリクルだよ。動物じゃないんだ、誤解しないでくれませんか!」



 またか……。


 こうなる予感はしていた。

 宿屋でも同様の体験をしてきた。

 だが大きな街は冒険者であふれている。

 様々な種族の情報は出ているようだ。

 しっかりと説明をすればすぐに理解が得られた。


 冒険者ギルドの受付嬢の反応は……。



「うそ、うそ、うそ、うそ? ウソでしょ!? どう見ても動物さんですよね?」


「ちゃう、ちゃう、ちゃう、ちゃう。ちがいます! 他種族なだけなので、どうか偏見を持たないでくださいな」



 うそ、うそと言いながら、明るく弾むような笑顔で話しかけてくれている。

 こちらも負けじと応戦する。

 軽いノリの応戦だ。

 会話が成立している時点でこの受付嬢も、しっかりと他種族の理解を持っていることは知れた。

 

「信じられなぁい!」とか甘い声を聞かせてきて、身体のあちこちにタッチして来るのだから。

 耳やあごの下、腹までポンポンとくすぐってきた。

 村にいた頃に散々されてきた、モフモフするという行為だった。

 人間はどうもこの行為がお好きなようで。


 ようやく受付嬢は納得したようで、カウンターの奥から足場となる台を受付窓口の前に置いてくれた。


 受付嬢は顔を綻ばせて楽し気である。


 俺はその台に乗っても、まだすこし足りないので背伸びをした。

 ヘンピ村での生活で衣服を着て、靴を履く習慣が身に着いたが。

 つま先に力を入れると爪が出るので靴のつま先が破けないか心配だ。

 受付嬢の正面、カウンター越しに首から上と手の指先だけを出している状態だ。

 彼女はやっと登録の準備に入ってくれるようだ。



「やっぱり可愛い。幸せな気分になっちゃう! えっと……名前と出身地はお聞きしたので、年齢と種族を明確に教えてください。種族は種族台帳のバンクで確認させていただきますので……」


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