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巨神は古都に聳え立ち  作者: 成瀬丈二
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OGREBATLE

「これが『モード=オベロン』だ」

 夢の中で懐かしい女性の声が響いた。

 初代時計卿である魔女の声だ。

 これは二代時計卿が、彼女に『アリアンロッド』攻略の相談をしている一場面を思い出したのだろう。

 オーパーツとは『場違いな出土品』の英文の頭文字を並べたものだ。

 しかし、古都においては、魔女たちが巨神に搭載する、月から持ち込んだ特殊な能力を発揮する機関である。 大半の巨神は魔力が足りず、古都ではソーマの『モード=ダグダ』。この巨神のような、異形の再生能力以外は重量に見合った能力を発揮できず 

『アリアンロッド』搭載のオーパーツ『モード=オベロン』は他のオーパーツに魔力を供給する能力を持つ。

 これにより、古都でも『アリアンロッド』はオーパーツを運用できるのだ。

 調和卿『がアリアンロッド』にオーパーツを搭載するにあたって、巨神のデッドウェイトである、廃棄されたオーパーツを腰を低くして引き取っていった、月神祭が始まった時には皆が結託して、第二大会まで敵なしで優勝した彼女に調和卿の二つ名を彼に献上したものであった

『アリアンロッド』に搭載されたオーパーツはよっつ。

『モード=オベロン』魔力を供給するのみ。全てのオーパーツの要。

『モード=フラガナッハ』対象を空間ごと切断する。

『モード=アイギス』巨神の前方に空間を歪ませみ、攻撃の進路を瞬間的に歪める。

『モード=ヤタガラス』巨神を一時的に高速飛行させる、ただし、軌道は不安定。

 

「なるほど、昔話もたまには悪くないな、見えたぞ勝機が 

時計卿はモノクルの位置を直した。 

 それから、しばしの時が流れ貴族競馬場にニ騎の機体が聳えたつ。

 時計は正午を指す直前であった。


 調和卿、本日正午、貴族競馬場にて待つ。

 調和卿のもとに朝早く届いた電報にはそうあった。


「調和卿、卿とあうのも久しぶりだな。今宵、月に帰るのは私だ」

「居直った訳ではなさそうだな、予告を出さず、出されずの戦いとは珍しい」

 大聖堂の鐘が鳴った。

 鳴り終える前にヘカテは猛ダッシュをする、踏み締める脚が大地を蹴り上げ、一気にヘカテはアリアンロッドを間合いにとらえた。

 「やhり、『アリアンロッド』は守勢に回ると弱いな『モード=オベロン』は自動で切り替えるわけにはいかないな」

 ヘカテの放熱鎖をアリアンロッドの胸から上に絡ませ、そのまま引き倒して動きを封じる。

 時計のように精密なとはお世辞にも言えず、パワーと本能に任せた戦いぶりであった。

 右腕を力任せに肘から先をもぎ取る。

 ヘカテの基本スペックの高さを発揮した乱神ぶり、互いのフレームが軋み歪んでいく。

 ヘカテのクローが『アリアンロッド』の首をとらえた。

 時計卿の操作に応じ、首を掻き切る。

 ボイラーも突然の乱行に抗議の金切り声を合唱する。

  白旗を上げる調和卿。

「全く、時計卿は開始時間前に一方的に相手を引き倒すとは・・・・」

「誰が開始時間を正午といった?」

「あの流れならそういう空気だろうが」 

「一応、戦い開始は正午だぞ、今日は大聖堂に、一秒八二の時差のクレームを入れていないからな。おかげで今日はよく眠れた」

「時計卿は月に帰るのだったな」

「そうだ」

「勝者の特権か。いや、妄執か?」

「私は私の故郷に還るのだ」

 見果てぬ夢、果てなき大地、時計卿は本来捨てたはずの世界に戻るための空間跳躍デバイス『theMOON』で約束の世界『地球』を目指すのだった。

  ーー本当の戦いは今、始まる。


拙作を読んで頂きありがとうございます。

短編とはいえ借りものでない世界ははじめてです。

説明不足、転生オチなども賛否あるでしょうが、甘んじて受けます。

では、ゆいの皆さん応援ありがとうございました。

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